──クライマックスで行商団のリーダーである沼部新助(永山瑛太)が発した叫びを聞いて、頭をハンマーで殴られたような気持になりました。
具体的には話せませんが、この映画のキモはあのシーンです。現場でも、何度もリハーサルを重ねるわけですが、そのたびに瑛太さんのセリフが胸に突き刺さりました。監督はあのセリフは、観客に向かって言うつもりで語ってくれとリクエストしたそうです。福田村事件のことを知って「間違えられて気の毒に」と思った人は、もう一歩先に考えを巡らせてほしい。
──たくさんの大切なことに気づくことができる映画でした。100年後を生きる私たちは、第二の福田村事件を起こさないために何ができるのか。インタビュー後編では、映画のことに加えてそこについても伺います。(後編に続く)
※映画『福田村事件』(監督・森達也、脚本・佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦、出演・井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、コムアイ、ピエール瀧、柄本明など)は、9月1日(金)より、テアトル新宿、ユーロスペース、シネ・リーブル梅田ほか全国で公開。テアトル新宿では1日に「公開記念舞台挨拶」が実施される。登壇者(予定)は、井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、向里祐香、杉田雷麟、水道橋博士、豊原功補、森達也監督。公式サイトhttps://www.fukudamura1923.jp/