頻繁な社長交代が経営にどう影響するか(フジテレビ本社)

世代視聴率脱却を進めるフジテレビ

世帯視聴率に苦しめられた2010年代

 特に2020年春の大幅な視聴率調査リニューアル後は、民放各局が「コア層の個人視聴率を獲る」という姿勢でほぼ一致。しかし一方で、「“個人視聴率全体(4歳~50歳以上)”の数値も獲らなければいけない」という基準もあり、世帯視聴率狙いのような中高年層向けの番組が残り続けていました。

 もともと世帯視聴率はビデオリサーチが調査をはじめた1962年12月から60年以上使われ続けた数値だけに、世間とメディアに浸透。とりわけ長年報じ続けてきたメディアは、今なお各番組の世帯視聴率を報じているほか、今年4月も「テレビ朝日が開局初の快挙 世帯視聴率3冠」などと大々的に報じました。

 しかし、前述したフジテレビの改編を見ていると、「そんな世帯視聴率重視の名残もいよいよ今秋で終わるのではないか」と感じさせられるのです。

 振り返ると、フジテレビは1980年代から2010年まで「全日(6時~24時)、ゴールデン(19時~22時)、プライム(19時~23時)の世帯視聴率三冠」を何度も獲得するなど民放トップの座に君臨していました。

 しかし、2011年以降は日本テレビとテレビ朝日のトップ争いに加われず、番組単位ではテレビ東京に負けるケースが増えるなど、苦しく長い戦いがスタート。『笑っていいとも!』『とんねるずのみなさんのおかげでした』『めちゃ×2イケてるッ!』などの看板バラエティを終了させ、生活情報、グルメ、旅、クイズ、日本礼賛などの世帯視聴率ダウンを止めるべく、中高年層に受けのいい番組を増やしていきました。

 さらに、年に一度のお祭りさわぎで視聴者を楽しませてきた『FNS27時間テレビ』も2017年以降は激変。テーマも笑いから離れて、手堅く世帯視聴率が狙える歴史、食、スポーツが選ばれ、「フジテレビらしくない」などと言われていました。

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