「忖度」「同じところを掘り返す」は日本の“風土”
「いちばん面白い言葉はやっぱり『忖度』ですよね。これは日本人の骨の髄まで染み込んでいましてね、日本の国民性そのものが忖度でできているんとちゃうかと思いますね。小さい頃から学校へ行って、先生に好かれるところから始まります。先生に嫌われるから主義主張を言わない。恩恵を受けた人には分かっていても本音に触れない。
会社勤めやと、子供ができた、家のローンも組んだ、立場も与えられた、給料がちょっとよくなったら、今まで意見を言うてた人も『ここは、うまいこと泳ごか』となる。気持ちを殺す。殺しておかないと、また奥さんに『あんた、子供がいるんだから考えてね』と言われるでしょ。こないだの例の日大の会見も忖度でいっぱいでしたでしょ。元検事の方(沢田康広副学長)がイキって『ブツ』や『パケ』や業界用語をゆーてはりましたけどね、あれは謝罪じゃなくて、怒った口調で言ってはってね。余計に何かを隠そうとしてるように見える。横の林真理子理事長も……ね。我々世代は『忖度の世代』ですわ!」
西川のりおのYouTubeを見てハッとするのは、『大阪万博反対』と言っていることだ。
「確かに言うてます。うち(吉本興業)の大崎(洋)前会長が万博の共同座長をやってます。言うたら、のりお・よしおの元マネージャーです。だから応援はしたいんやけど、僕の意見は反対。おかしなもんでね、令和の世の中では、“本音”を言うたら“毒舌”と言われるんですよ。ははははは!」
反対の理由は……?
「万博は令和7年に開催されますよ。放送局のブースが並んで現地から連日芸人が現地中継するでしょうね。けれど『大阪の街は全然盛り上がってないです』って僕は言います。というのはね、こないだの東京オリンピックと同じで、今の日本でね、スポーツ博覧会も万国博覧会も、する必要がないんです。長久手でやった『愛・地球博』も成功と言えますかね?
前はね、昭和39年や、昭和45年にやったからお祭りになって大成功したんです。日本は後進国だった頃です。僕の意見は『五輪と万博は後進国でやったらよろしいやん』です。なんでどっちも同じ道を掘り返してるねん!と。札幌オリンピック? また言うてるでしょ。日本人は同じところを掘り返す癖があるんです!それもまた風土やね。
大阪万博をやってIR成功に導くゆーてますけどね、いや、カジノのことがわかってないねん(遠い目)。カジノのことは僕に聞いて! いろんな街で張ってきたからね(笑)。まあ、一言で言うたら、ごちゃごちゃっとした商業の街にカジノ作ってどうないすんねん思いまっせ。ニューヨークにカジノを作るみたいなもんでっせ。センスがわからんね。みなさん、“IR”の『R』はリゾートの頭文字の『R』でっせ!」