「けったくそ悪い!」の精神が“大阪根性”
返す刀で、万博を誘致した日本維新の会も軽快に斬っていく。大阪市民として育った、大阪在住の“大阪人”の解説はといえば……。
「都構想はいいアイデアだと思いました。府と市とかぶってることいっぱいありましたしね。そやけど、アカンとこはアカン。こないだの馬場伸幸代表の『共産党は無くなったらいい政党だ』発言は、民主主義の冒涜ですわ。絶対にアカン。政治家として最低の発言です」
そもそも、大阪はなぜ維新が強いのか、のりお師匠の分析は?
「それですよね。大阪以外の方は、なんで?って疑問に思う人が多いでしょうけど、根本は『けったくそ悪い。自民党やから通ると思ってたら大間違いじゃ!』の心なんですよ。大阪は自民党が弱い。うちの師匠(西川きよし)が参議院選に出たとき、無所属の西川、公明党、共産党、と自民党がひとりも通らなかった選挙があったくらいです。
首長だって、なかなか自民党が取れない。『大阪は他とはちゃうで、自民党の思うようにはならへんで』と思ってるんです。『オレらは横綱をおびやかす大関やねん』『わざと横綱にならへんねん』という一風変わった“大阪根性”ってものがあるんです。そやから自民党系の太田房江さんが知事をやったあとに、橋下徹が出てきてドーンと爆発人気になったんです。大阪って……変わったところでしょ(笑)。
そやから、いま、維新の人らは注意したほうがいいですよ。“大阪の自民党”みたいになってるもん。あまりにも自民党みたいな振る舞いをしたら、あっという間に大阪の人間にそっぽ向かれまっせ。もうアカンわ、ゆーて。大阪人にはそういう自浄作用もあるんです」
立て板に水のごとく喋りまくるのりお師匠を見ていると、芸風は若き日から一貫している。
「だって僕は与党を見つけて、与党を脅かすような野党の漫才師になりたいんですもん。気持ちはいつも野党! 噛み付いていきまっせ」