カフェは閉店されている

カフェは閉店されている

♦80代理事長「権力者でもスケベでもない」

 このNPO法人「新居を元気にする会」の理事長・横山昌市氏について、地元住民はこう語る。

「横山さんは漁師の家庭に生まれて、数年前まではタクシードライバーをやっていたよ。この辺ではトップクラスの成績を上げる敏腕だった。ただ、年齢的なものがあり、ドライバーを引退した。性格は昔気質の人で、言葉は荒っぽいところがあるのは事実。以前も治水をめぐって国交省とやり取りをしていたことがあるので、その辺の一般市民より行政にモノ言う人だけど、地元の権力者でも資産家でもない。ネットで言われているイメージとはかけ離れているね」

 これまで横山理事長はメディアに対して、多くを語ってこなかった。しかし、カフェも撤退を決め、交渉が暗礁に乗り上げた9月末、取材に応じた。まず、カフェ側が訴えるセクハラ疑惑や、SNSでのコメントに対してこう主張した。

「私は漁師の家庭の生まれで権力者でもスケベでもない。セクハラをされたという人(カフェの店長)とは何度かしか会っていないのになんでそんなことをしなきゃならないんですか」(横山理事長。カッコ内は編集部補足。以下同)

 その上で、横山理事長は土佐市への不信感を口にする。

「施設(南風)はこのNPOの前身である『新居を守る会』と国、県、市とで2001年6月に締結した覚書に基づく地域振興策により建設された建物で、我々(NPO)が管理を委託されています。本来は地域の人たちも含め、この施設をどう使っていくか地元住民の意思が尊重される必要があると思うとるんですが、当初は2階にカフェが入るということを新居の人は知らなかったんです。東京のコンサルタントが高知県の振興アドバイザーとして入ってきて、その人と土佐市、カフェの経営者の3人で、我々との意見交換も無く決めてしまった。ここが不信感へのスタートになります」

 横山理事長らは、施設にはカツオ料理など地元の名産品を食べられる店を開きたかったという。ただ、農家が中心の地元住民たちには飲食店経営のノウハウがなく、開店準備がなかなか進まないこともあり土佐市は、ノウハウがあるカフェ運営者に店を任せることを決めた。

 土佐市への不信感を募らせていたという横山理事長。3者協議を離脱したのは市の担当者の「ある一言」がきっかけだったという。

「3者協議の席で市側が『トラブルの原因を今になって掘り下げて争っても全く意味がない』と言ったんです。いや、そもそもそこがこじれている出発点でしょと。2016年の施設オープン前に、市が無断でカフェが使用するための椅子やテーブル、食器など200万円の購入をNPO名義でしているんです。書面には当時の理事長の署名とNPOの実印がありましたが、当時の理事長の筆跡ではありません。市側から振り込み要請があり、元職員が言うとおりにしましたが、こうした備品購入だという説明がなく勝手に契約しとったんです」

 なぜ前任の理事長が知らぬ間に署名、ましてやNPO法人の実印が押されたのか。これについては地元紙の高知新聞(7月22日付)がこう報じている。〈NPOの全メンバーが契約(前出のカフェで使用する備品200万円の購入)を知らされていなかったと証言。前の理事長も署名を「私の筆跡ではない」とし、実印は「NPOの設立の手続きなどをやってくれていたため市に預けていた」とする。代金は当時のNPO職員が支払いの手続きをとったといい、この元職員は「市に『振り込んで』と言われ、言うとおりにした」としている〉

「市の職員だって人間やき、間違いだってあるでしょう。その部分を、すまなかった、と言えば、こちらだって考えも変わってくる。それなのに3者協議で『過去をほじくりかえすな』と言われれば、これまでの不手際を無くそうとしているようで信用なんてできない。そんな協議に加わる意味があるんでしょうか」

 対する土佐市は「現段階ではNPOも含めてなんとか三者協議に戻っていただいて何らかの合意にたどり着ければと考えております。年内には方向性を決めて、今後は市の直営も視野に入れて、施設の運営を考えております」(建設課)とだけ答えた。

 すでにカフェは撤退し、横山理事長の土佐市への不信感は根強い──騒動はどう決着をつけるのか。

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