作品の舞台となったのは北九州 ©P.I.C.S.・KADOKAWA刊/波止工業動画制作部

作品の舞台となったのは北九州 (C)P.I.C.S.・KADOKAWA刊/波止工業動画制作部

「昭和の薫り」を求めて、作品の舞台は北九州に

 メカニックデザイナーの「出雲重機」がデザインするロボットもリアル志向が貫かれている。

「リアルなロボットを追求したかったんで、以前、弊社(P.I.C.S.)で別の仕事をやっていただいた出雲重機さんしかいないと。ブルドーザーやクレーン車のような重機の延長でロボットを造形される方だったので、コンセプトにピッタリでした」

 コンセプトにピッタリといえばキャラクターデザインの窪之内英策もそうだ。

「『ブルバスター』は、中年男性がフィーチャーされている作品なんです。波止工業の社長・田島鋼二(声:三木眞一郎)とか、監査の片岡金太郎(声:魚建)とか。可愛らしい女の子はもちろん、おじさんを魅力的に描ける人がいいなと思っていたんですけど、それを窪之内さんに言ったら、まさにおじさんを描きたいと思っていた、と」

 主人公の沖野鉄郎(声:千葉翔也)が「出向」するという形で、物語の舞台にやってくるというのも独特で面白い設定だ。

「出向とかも実社会ではよくありますからね。主人公は高卒で学歴コンプレックスがある。そういう部分も描きたいと思って。沖野に限らず、登場人物がいわゆるはみ出し者。共同体からはずれて、行き場がないという思いを抱えた人たち。そういう人たちを描きたいなと思いました」

 作品の舞台となっているのは、北九州だ。

「工業地帯と夕日が似合う街にしたいなと思って、最初は川崎とか羽田とかを想定していたんです。巨獣が出るのを島にしたいと最初から決めていたんですけど、あの辺りには島がない。そしたら窪之内さんのマネージャーさんが北九州を提案してくださって。僕は縁もゆかりもなかったんですけど、実際に行ってみたら、工業地帯もあるし島もあるし、まさに思い描いていたイメージとぴったりでした」

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