そして「医療」の世界から挑戦するのが赤坂ドリブンズの渡辺太(35)だ。埼玉県出身の彼は東大を中退し、医師を目指すべく医大に。昨年までは北海道の病院に勤めながら、ネット麻雀「天鳳」で名を馳せていた。
「自分の麻雀の実力を示すことができる世界がネット麻雀だった。医師として仕事をするなかで、その情熱は増していく一方でした。Mリーグのようにプロが注目される舞台が増えたことで、自分の麻雀を多くの方に見ていただきたくて、去年の年末に上京を決断した」
今年2月に最高位戦日本プロ麻雀協会に入会。現在は非常勤の内科医として診察にあたりながらMリーグの舞台に立つ。
「本業? 自分としてはどちらも大切な仕事です。医療と麻雀に共通するのは、状況変化に対応しなければならないということ。だからこそ、医療も麻雀も片手間でやることはできません。幸運なことに、プロ1年目でドラフトで選んでいただけたんですが、自分は10年、20年という長いスパンで活躍できるプロになりたい」
二刀流雀士の活躍がMリーグ、そして麻雀ファンの裾野を広げるはずだ。
取材・文/柳川悠二
※週刊ポスト2023年10月27日・11月3日号