《宝塚音楽学校が不文律廃止》
2020年9月、朝日新聞が一面でそう報じた。記事中では、ルールを背景に体を壊した予科生がいたことが大きなきっかけだったとされた。
「時代の変化とともに、少しずつルールの見直しが行われていたのは事実です。電車に向かって一礼するなどはかなり以前になくなっていますし、生徒たちの間で自発的に変えた部分もあると思います。
ただ、晴れて音楽学校を卒業して入団する歌劇団は、全員が音楽学校の卒業生。長いキャリアを持つ人の中には、変革前に卒業した人もいますし、ルールが廃止されてもスパルタ的な不文律が体に染みついている人は多いと思います」(前出・別の宝塚関係者)
さまざまな事象が絡まり合い、有愛さんの死という最悪の結果を招いたのだろうか。
「もう、本当にすみません」
目下、休演が続く宙組内部では、複数のタカラジェンヌが退団を視野に、事態の動向を見守っているという。その数は「宙組全体の半数近い、20~30人規模」(前出・宝塚関係者)と、大量退団まで囁かれている。
「もし大量退団となれば、公演を維持できません。5つある組のタカラジェンヌたちを大幅に入れ替え、移籍させるといったこともいわれていますが、各組にはそれぞれのカラーがあり、一朝一夕で出来上がったものではありません。そんなことをすれば、それこそ歌劇団そのものの崩壊を意味します」(演劇関係者)
有愛さんの死が明らかになって以降、『週刊文春』には、複数の現役タカラジェンヌからの告発が相次いだという。
「ヘアアイロンを押し当てたとされる天彩さんだけでなく、名前を挙げられたのは、新たにトップスターに就任したばかりの芹香斗亜さんや、最年長として組長を担う松風輝さんなど、宙組内で人気が高い“幹部”ばかり。そういった人たちが、有愛さんへのいじめに“加担”していたという内部情報が寄せられたといいます」(芸能関係者)