──英語を勉強するために24才の時に渡米。留学先で現在の夫に出会い、1995年に結婚されていますね。
「夫は『姫乃樹リカ &THE COMING SOON!』のプロデューサーの川瀬泰雄さんが、バンドのオーディションでアメリカに行った時に連れて来たベーシストだったんです。最初は付き合うとかそういうんじゃなかったけど、向こうからすごく好かれているなって感じることはあったかな(笑い)。何か、いい奴じゃんみたいな。
アメリカに行く時も連絡を取って、ビザとか学校のインフォメーション送ってもらったりして、まずは彼の妹さんとルームメイトになったんです。その後、彼とお付き合いを始め、しばらくして子供ができました(笑い)。
出産を機にアイドル活動を辞めることになったんですが、その間にも、日本から『こういう番組に出ませんか?』っていうオファーが何回かあったんです。でも、その頃は子育てに必死で、子供たちを人に任せてまで帰国するという発想はなかったですね」
──音楽活動を再開したきかけは?
「やっぱり心の中に、歌いたいという気持ちが沸々とあったんでしょうね。アメリカでエアロ・スミスやボン・ジョビのライブを見てもキュ~ッと胸にくるところがあったんです。
活動を再開するきっかけは2つあって、1つは2016年に『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)から取材のオファーが来たこと。その頃になると、子どもたちも大きくなっていて、上が大学生でいちばん下は中学生だったかな。不安もあったのですが、川瀬さんに聞いたら『ちゃんとした番組だよ』と。主人も『こっちに来てくれるんだったらいいんじゃない』って言ってくれて、日本から来た取材班のスタッフにびっちり3日間付きっ切りで取材されました。
はじめのうちは、元アイドルがこんな感じでお母さんやってる姿を見せたいんだろうな、くらいに軽く考えてたんですよ。ところが、番組の最後に『これからのあなたはどうするの?』という感じで問いかけられる場面があって、無意識に『歌は自分を幸せにしてくれたものだから、終わりにしたくない』というようなことを言ったんですね。自然に出た言葉でしたが、もう一度音楽を見つめ直すきっかけになりました。
もうひとつはやっぱり子供たちのことです。2019年に一番下の子が大学に行って、家に誰もいなくなったんですよ。それで、ちょっと里帰りでもしようかなって川瀬さんに連絡したら『ライブやろうよ』って言われて。それからはトントン拍子でしたね」