「現役ドラフト」でソフトバンクから移籍、12勝と貢献した大竹耕太郎(時事通信フォト)

「現役ドラフト」でソフトバンクから移籍、12勝と貢献した大竹耕太郎(時事通信フォト)

ファンが“浮気”しない

江夏:キャッチャーは固定されているのが一番。ピッチャー心理で言うと、余分な神経は使いたくない。だからすべて自分のことをわかってくれてるキャッチャーがベストだな。ブチは誰よりもよくわかってくれてたよ。

田淵:ただ、俺たち「黄金バッテリー」って言われたけど、今のほうが黄金バッテリーだよな(笑)。

江夏:なんだかんだお互いの体調をたしかめる電話をよくするし、通っている病院も一緒だしな。

田淵:そうそう。でも野球に関しては本当の喜びは一瞬だった。何万時間も練習して、苦しい思いして優勝して、抱き合ってビールかけしたら、はい終わり。もう次の戦いが待っている。

江夏:またすぐに叩かれ始めるからな。でも苦しかったからこそ思い出になっていることもある。

田淵:阪神ファンは厳しいけど、絶対に“浮気”しないからありがたい。俺たちは途中で違う球団に移ったけど、やっぱり阪神の空気は特別だよ。

江夏:それに尽きるな。まあ選手は今年の活躍をさっさと忘れて、また来年頑張ってもらいたいね。

【プロフィール】
江夏豊(えなつ・ゆたか)/1948年、兵庫県生まれ。1967年に阪神タイガース入団後、南海、広島、日本ハム、西武と渡り歩く。1984年に引退。シーズン401奪三振、最優秀救援投手5回は現在も日本記録。通算206勝、193セーブ。オールスターでの9連続奪三振、日本シリーズでの「江夏の21球」など様々な伝説を持つ。

田淵幸一(たぶち・こういち)/1946年、東京都生まれ。法政一高から法大に進学、強肩強打の大型捕手として大学最多本塁打(当時)をマーク。1969年に阪神入団、ルーキーイヤーに22本塁打で新人王。1975年に本塁打王を獲得し、現役時代は通算474本塁打。引退後はダイエー監督、阪神コーチなど指導者としても活躍した。

聞き手/松永多佳倫(ノンフィクション作家)

※週刊ポスト2023年12月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

主演映画『碁盤斬り』で時代劇に挑戦
【主演映画『碁盤斬り』で武士役】草なぎ剛、“笠”が似合うと自画自賛「江戸時代に生まれていたら、もっと人気が出たんじゃないかな」
女性セブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
電撃閉校した愛知
《100万円払って返金は5万円》「新年度を待ったのでは」愛知中央美容専門学校の関係者を直撃、苦学生の味方のはずが……電撃閉校の背景
NEWSポストセブン
遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜の罪で親類の女性が起訴された
「ペンをしっかり握って!」遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜……親戚の女がブラジルメディアインタビューに「私はモンスターではない」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン