大切なのは「摂取した量」
パンと同様に糖質オフ食品が多いのがカップ麺などの即席麺だ。「明星ロカボNOODELESおいしさプラス」を発売する明星食品は「何と比較しているか」を回答し、「カップヌードルPRO 高タンパク&低糖質」を販売する日清食品はそれに加え、大手パン3社と同様に、「糖類」の基準を転用するルールも採用していると回答する違いがあった。「鍋用ラーメン糖質35%オフ2袋入り」を販売する東洋水産からは回答を得られなかった。
「糖質オフ」に統一された基準がないという前提のもと、何を意識すればいいのだろう。消費者問題研究所代表で食品表示アドバイザーの垣田達哉氏はこう言う。
「食品表示法に基づくルールがどのようなものか、一般的にはほとんど知られていません。パッケージに○%オフとあるからといって、“何と比べてオフか”も把握せずにたくさん食べたり飲んだりすれば、それだけ多くの糖質やカロリーを摂取してしまいかねません」
“オフ=健康的”と考えるのではなく、摂取する糖質やカロリーの総量を把握することが大切ということだろう。また、糖質は人体に必要な栄養素でもあり、体格などに応じた適量がどの程度か、医師など専門家に相談する方法もある。
「低糖質」商品をうまく活用するには、消費する側の意識も大切だ。
(了。第1回から読む)
※週刊ポスト2023年12月8日号