マー君のお気に入りだった安楽
田中は後輩の面倒見がよいことで知られているが、2021年に8年ぶりに楽天復帰してから特に可愛がっていた後輩が安楽だったという。
「田中さんは楽天復帰後、若手選手との距離感や接し方などに悩んでいたのですが、そこに近づいてきたのが安楽さんだと聞いています。田中さんにとって、安楽さんは若手と対話するための橋渡し的な存在で、田中さんがメシ会を開くときに、安楽さんが若手に声をかけて選手を集めていた。
それからというもの田中さんは安楽さんと自主トレを一緒にするなど、彼のことを信頼するようになった。しかし、その安楽さんが裏で若手にパワハラを繰り返していたわけです。チームの柱で、顔でもある田中さんに『安楽さんのパワハラをやめさせてほしい』とは言いづらいわけですよ。
その田中さんも好不調の波が強く、成績も思ったようにいかなかないこともあり、若手も気を使っていた。ほかのベテラン選手に安楽さんを注意してもらおうと思っても、楽天には群れることを好まない人が多い……今回、告発を決めた選手のなかには『ほかの中心選手に助けてほしかった』という思いもあるはず。安楽さんの処分も決まり、今後は選手全員で意識を改善していく必要があるのではないでしょうか」(現役選手A)
一連の報道を当人である安楽はどう受け止めているのか。安楽が住む仙台市内のマンションを訪れた。安楽は球団から自宅謹慎を命じられているため、在宅しているはずだがインターフォンを鳴らすも応答はなかった。
事実関係を球団に問い合わせたところ、実施したアンケートの質問項目については「アンケートの内容について会見内で一部触れましたが、詳細についてのお答えは控えさせていただきます」、また、安楽選手の若手選手や飲食店でのハラスメント行為については「今回の事案で対象となる行為については会見でお話させていただいております」との回答だった。
(了。前編から読む)