2020年東京五輪の招致成功を喜ぶ安倍晋三・首相ら(2013年9月/時事通信フォト)

2020年東京五輪の招致成功を喜ぶ安倍晋三・首相ら(2013年9月/時事通信フォト)

──表に出せないお金としてあるということだが、何も記録を残さないというのはおかしいのでは? ある程度時間がたってから事後的に検証できるようにすべきでしょう。

「公式な記録は残していませんし、領収書も必要ありません。しかし、私は自分でノートに記録をつけていました。それがないと自分でもわからなくなりますから。

 たしかに報償費のあり方というのも、時代に合わせて見直していく余地はあると思います。このまま何の記録も残さずに続けていくというのは、世間の理解を得られないだろうしね。そうすれば馳さんの発言のような騒ぎもなくなるのではないでしょうか」

 歴代長官が語らなかった官房機密費の使途。すべてが語られた訳ではないが、一端でも語ったことに意義があるだろう。政界での評価より後世に事実を伝えることを優先した判断だったと思う。

【プロフィール】
相澤冬樹(あいざわ・ふゆき)/1962年宮崎県生まれ。東大法学部卒、1987、NHK入局。2018年、森友事件の取材の最中に記者職を解かれNHKを退局。財務省の決裁文書改ざん問題で自殺した近畿財務局の元職員、赤木俊夫さんの手記を遺族から託されてスクープした。現在はフリージャーナリスト。主な著書に『メディアの闇―「安倍官邸 VS.NHK」森友取材全真相』など。

※週刊ポスト2023年12月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

主演映画『碁盤斬り』で時代劇に挑戦
【主演映画『碁盤斬り』で武士役】草なぎ剛、“笠”が似合うと自画自賛「江戸時代に生まれていたら、もっと人気が出たんじゃないかな」
女性セブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
電撃閉校した愛知
《100万円払って返金は5万円》「新年度を待ったのでは」愛知中央美容専門学校の関係者を直撃、苦学生の味方のはずが……電撃閉校の背景
NEWSポストセブン
遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜の罪で親類の女性が起訴された
「ペンをしっかり握って!」遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜……親戚の女がブラジルメディアインタビューに「私はモンスターではない」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン