グルメ列車は運行開始から間もなく40年を迎える。高い人気を誇っているものの、グルメ列車だけに依存することは危うい。将来的にも、新しい集客の目玉となる列車を考える時期にきている。こうした背景から導き出されたのが、SLの復活運転だった。
昨今、地方都市では過疎化が急速に進行し、沿線人口も猛スピードで減少している。すでに公共交通は崩壊寸前だ。だからと言って、公共交通という公的使命を課されている鉄道は簡単に廃止できない。
沿線自治体や経済団体、地元企業が鉄道の存続に協力している明知鉄道のようなケースは珍しくないが、決して多いとは言えない。なぜなら、地方都市はマイカーを前提としたライフスタイルになっているからだ。なかには、「鉄道は残したいけど、でも乗らない」と考えている自治体や住民もいる。
しかし、そんな他人事では鉄道を守ることはできない。鉄道の生き残りは鉄道会社だけの問題ではなく、いかに沿線自治体や経済団体、地元企業、そして住民が鉄道を残そうと一致団結できるのかにかかっている。