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ももクロ・百田夏菜子が本当の「茶畑のシンデレラ」になった瞬間 “静岡・新観光スポット”を巡る旅
ももクロ・百田夏菜子が本当の「茶畑のシンデレラ」になった瞬間 “静岡・新観光スポット”を巡る旅
提供:JR東海【前後編の後編。前編から読む】静岡県の新たな観光スポットをめぐる旅で、伊豆の国市の韮山反射炉すぐそばにある「天空のビヤテラス」を訪ねた、ももいろクローバーZの百田夏菜子さん(27)。丘の上の茶畑に設えられたオープンテラスで、富士山と韮山反射炉という県内の「2大世界遺産」を眺めながら、クラフトビール3種飲み比べと軽食のセットか、静岡茶と軽食のセットを味わうことができる新スポットだ。「このテラスの周りは茶畑ですよね! 私、静岡出身なのでお茶がすごく好きで、毎朝毎晩、急須でお茶を淹れて飲んでいるんです。今は急須でお茶を淹れる人は少ないと聞きますが、私にとっては急須で淹れるのが当たり前で、小さい頃からお母さんがいつもそうしていたので習慣になっているんです。夏には緑茶に氷を入れて冷たくして飲みますよ」 そんな百田さんはデビュー当時から「茶畑のシンデレラ」のキャッチフレーズで知られている。ここでスタッフから差し出されたのが……。「え! これガラスの靴? すごいロマンティック、かわいい!」──茶畑のシンデレラに、茶畑に囲まれたこの場所で、ガラスの靴にサインしていただきました。 この百田夏菜子さんのサイン入りのガラスの靴は現地で見ることができる。ぜひ「天空のビヤテラス」プランを申し込み、現地に足を運んでみてはいかがだろうか。【前編】で紹介した通り、天空のビヤテラスはJR東海「EXサービス」(東海道・山陽新幹線のインターネット予約サービス)の利用者向けに新たに開設された「EX 旅のコンテンツポータル」サイトを通じて予約できるお楽しみプランだ。EXアプリをお持ちでない方はダウンロード!「ここはすごく特別感がありますよね! 私は高校が都内だったので、高校時代の友達から“静岡でいいスポットがあったら紹介して”って頼まれることがよくあるんです。ここなら知る人ぞ知る、という感じで特別感があるから、地元っぽく知っている感じを出しておすすめしたいです(笑)」 ここで味わえる静岡茶は、季節ごとにアレンジされる特別な飲み物。この日は、運営会社の自社茶畑で栽培されたお茶に梅シロップ、桜シロップを入れ、塩漬けの桜をあしらったノンアルコールカクテル仕立ての冷製ドリンクだった。「あ、美味しい! 私が淹れたお茶より美味しく感じる(笑)。やっぱり大好きな静岡の、いい空気の中で飲むのも大きいですね。私はここにはおじいちゃん、おばあちゃんと来たいなあ。家族でこういうゆったりした時間を過ごすことはなかなかできないので……。お土産買っていきます!」 この日、最後に訪れたのは、「いちご BonBonBERRY 伊豆の国factory」。「道の駅 伊豆のへそ」に2018年11月にオープンした、“いちごづくし”のグルメが味わえ、お土産が購入できる新スポットだ。伊豆中央道大仁中央ICを下りてすぐの国道414号沿いにあり、宿泊施設に地元産食材が買えるショッピングセンターなどが併設されている。 白い外壁に赤いいちごの意匠があしらわれた外観が目を引く「いちご BonBonBERRY 伊豆の国factory」では、和洋織り交ぜたオリジナルスイーツが購入・イートインができるほか、いちご尽くしのスイーツビュッフェでは自分だけの「アフタヌーンティーセット」を楽しむことができる。 ここで百田さんが食べたのは、持ち帰りもできるいちご味のソフトクリーム「ボンボンベリーソフト」。ソフトクリームの上にはフレッシュないちご(現在は地元産の紅ほっぺを使用)が1つ、乗っている。ヒット・スイーツが多い同店でも特に大人気の商品で、これまで1日で1000個超の販売を記録したこともあるそうだ。「あ、美味しい! いちご味のお菓子は本当に大好きで、チョコレートやクッキー、アイスクリームなどはよく選んで食べています。こちらの店内を見渡すと、スイーツだけじゃなくて、いちごのお砂糖やいちごバターなど、珍しいものが売っていて楽しいですね」 そう語る百田さんだが、実はファンの間では、百田さんはフレッシュのいちごを自分から進んで食べるほうではないことが知られている。今回、実際に食すのは久しぶりだというが……。「では、いきますね……うん、うん……。美味しい! かなり久しぶりに食べたのですが、これは本当に美味しい。好きになった……かも? アイドルとしては、好きな食べ物を聞かれたら『いちご』って言いたいじゃないんですか(笑)。やっぱり地元で地元のものを食べるのは嬉しいです。ソフトクリームも美味しい! みんな食べたほうがいいですよ」「いちご BonBonBERRY 伊豆の国factory」では、JR東海が展開するキャンペーン「ずらし旅」の体験クーポンで訪れた場合には、百田さんが食べたものと同じく、“ラングドシャのトッピング”つきの「ボンボンベリーソフト」が食べられる。体験クーポンで訪れると、さらに1000円分のお買い物券も付いてくると知った百田さんは……。「それはお得ですね! (お買い物券があったら、お土産に何を買いますか?)ええと……あ、ババロワいちご! それから苺ショートケーキ大福もお母さんに買っていきたいです。母は甘いものに目がないんです」 静岡は熱海、中伊豆周辺の新たな観光スポットを巡る百田夏菜子さんの旅も終わりが近づいてきた。3か所をめぐってのご感想は?「これぞ旅行、という感じがして楽しかったです! 最近はなかなか静岡に帰る機会がなく、久しぶりに降り立ったのですが、静岡の観光スポットが進化していると感じました。今日、最初は『帰ってきた!』という気分だったのが、途中からは『あ、はじめまして!』に変化して(笑)。どの世代でも、家族でもカップルでも楽しめる場所ばかりでしたね。 自分の大好きな場所がそのまま残ってくれることの喜びはもちろんありますが、それが新しく進化して色々な人からより愛される場所に変わっていったら、それはもっと嬉しいことだなと思いました。 今日行った静岡の新しい観光スポットは、知られると人気出ちゃうだろうな、という気がします。この記事を見てくださった方は、できるなら早めに申し込んだ方がいいかも(笑)。そのほうがこれからの人気スポットを先取りできるかな、って思います。 さっき教えてもらったJR東海『EX旅のコンテンツポータル』でぜひ予約して、新スポットを先取りしていただきたいですね!」 コロナでなかなか旅に出られなかったという人も少なくないだろうが、落ち着いたら、ぜひ百田さんが訪れたスポットで心と体を休めてみてはどうだろうか。新幹線で少し移動するだけで、そこでしか味わうことができない景色と豊かな食が待っている。地元・静岡で百田さんが見せてくれた楽しそうな表情を見れば、その価値はじゅうぶん伝わるだろう。「EX旅のコンテンツポータル」について 本文で紹介した「EX旅のコンテンツポータル」では、「天空のビヤテラス」を含む様々な観光コンテンツを購入することができます。申し込み方法は以下の通り。〈撮影/小倉雄一郎〉◆JR東海
2022.03.31 16:00
NEWSポストセブン
ももクロ・百田夏菜子「こんな休日過ごしたい!」静岡おすすめ「新・観光スポット」
ももクロ・百田夏菜子「こんな休日過ごしたい!」静岡おすすめ「新・観光スポット」
提供:JR東海「やばい、景色が最高すぎる! すごいきれい! メンバーにも見せてあげたいし、友達とまたここに来たいです!」──そう歓声をあげた百田夏菜子さんの眼前には、春の日差しを受けてキラキラ輝く海面と、水平線から上に淡いグラデーションを描く青空が広がっている。 ここは、静岡県熱海市内にある「オーシャンスパ Fuua(フーア)」。創業60年近い「熱海後楽園ホテル」をリニューアルした複合型リゾート「熱海ベイリゾート後楽園」にある日帰り温泉施設だ。熱海駅から無料シャトルバスまたはタクシーで約10分、小さな岬の突端に位置している。 百田さんが感激していたのは7階の女性スパ、全長約25mの「露天立ち湯」からの眺望だ。お湯に浸かれば「海と一体になったような感覚」を味わえる“インフィニティ露天風呂”を前に、「今すぐ入りたい」と興奮した様子だった。「有名な熱海の(海上)花火もここからだと目の前に見えますね! すごい!」 アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のリーダーで女優の百田夏菜子さん(27)と、静岡県の新しい観光スポットをめぐる旅に出かけた。最初の目的地であるオーシャンスパ Fuuaは2019年3月にオープンしたばかり。スパには“インフィニティ露天風呂”のほか、眺望を楽しめるサウナや内湯があり、広々と明るいパウダールームにはアメニティが充実している。「普段、温泉でゆっくり過ごすことはできないから、こういう場所は本当に憧れます」 オーシャンスパ Fuuaの楽しみはまだまだ続く。入浴が終わると、(通常は館内着のまま)3~4階にある「アタミリビング」でくつろぐのが定番の過ごし方だ。“海辺の別荘ライフ”をテーマにさまざまなコンセプトで作られた休憩スペースが、アタミリビング2フロアのあちこちにある。利用者はそれぞれ好きな場所で、湯上がりの体を思い思いに休め、リラックスして過ごすことができる。「わー、すごいオシャレ!」百田さんがまず目に留めたのは、“海を見下ろす小高い丘の上”をイメージした〈クリフラウンジ〉の円形ソファベッド。さっそく、座り心地、いや寝心地を確かめる百田さん。「これは快適……! お風呂上がりに館内着で横になったら5分で寝ると思う(笑) で、目を開けたら目線の先にはもう海! 最高です」 フロア内の階段を降りて3階に移動すると、メインの〈オーシャンラウンジ〉だ。3階の床から4階の天井まで全面ガラス張りの大きな吹き抜け空間で、開放的な気分を満喫できる。「太陽が眩しい! さっきとは景色が全然違いますね。海が一面に広がってもっと近く感じられて……。ソファの寝心地も、うーん、気持ちいい……。後ろの滝が流れる水の音を聞きながらくつろげるのも贅沢ですね」 アタミリビングには休憩エリアの他に、温度と湿度が異なる2種類の岩盤浴、ロウリュ体験(サウナストーンにアロマ水をかけて蒸気を発生させタオルで仰いで熱風を起こす)、エステやマッサージが体験できるリラクゼーションコーナー、飲み物や軽食を楽しめるカフェスペースなどがある。「岩盤浴もあるじゃないですか! ロウリュはアロマと木のいい香りがしますね。そしてエステも! どこもすごいオシャレですね。あ、瓶のコーヒー牛乳! 熱海プリンもある。これ買ってもいいですか?(笑)」 さっそく、カフェ近くにある吹き抜けのセントラルラウンジでコーヒー牛乳をいただく。「美味しい~! 大好きなんです、瓶のコーヒー牛乳……。それにしても素敵な場所ですね。今度は友達と女子旅で来たいです。温泉に入って、ロウリュや岩盤浴で汗を流して、マッサージを受けてエステもやって……普段のご褒美としてフルコースで楽しみたいです。1日中、いや、何日だって楽しめそう(笑)」 オーシャンスパ Fuuaは、JR東海「EXサービス」(東海道・山陽新幹線のインターネット予約サービス)の会員向けに新たに開設された「EX 旅のコンテンツポータル」サイトを利用すると、割引料金(平日通常2750円が2500円。※土休日・特定日利用時は現地での受付時に330円の追加料金がかかります)で入場チケットを購入できる。百田さんのグッズがついたオーシャンスパ Fuuaの利用プランも今後「EX 旅のコンテンツポータル」に登場する予定なので、サイトでチェックしたい。EXアプリをお持ちでない方はダウンロード!「これ、新幹線と一緒に割引チケットが買えるんですね! 便利~!」 本当なら、百田さんにゆっくり岩盤浴やエステを堪能していただきたいところだが、この日は次の目的地があるため残念ながら時間切れ。「ここで癒されていきたい~」と名残惜しそうな百田さんと、熱海を出発した。(※オーシャンスパ Fuuaでは、撮影のため特別に衣装を着用しています) 向かったのは、伊豆の国市にある世界遺産「韮山反射炉」。そこに隣接する「天空のビヤテラス」が、本日2か所目の新・観光スポットだ。1回50分、各回2組限定のテラスは予約制で、「EX 旅のコンテンツポータル」から予約することができる。 地元で有名なクラフトビールメーカー「反射炉ビヤ」醸造元の会社が運営するこのテラスでは、素材や酵母にこだわったクラフトビールの3種飲み比べと軽食のセットか、自社茶畑栽培の静岡茶と軽食のセットが味わえる。4月以降の軽食メニューは運営元のレストラン特製のピザ。静岡茶を注文した方には、ピザに加えてお茶によく合うクロッフル(クロワッサンの生地をワッフルメーカーで焼いたスイーツ)もついてくる。 テラスにあがると富士山と韮山反射炉、静岡県の「2大世界遺産」を一緒に味わえるレアな眺望が目の前にあらわれた。(※時期・天候の影響をうけます)「富士山が見える! 地元の浜松からはこんなに大きく見えませんが、新幹線で東京に通っていた頃は毎日の行き帰りに車内から眺めていました。富士山を見ると、自分を見守って応援してくれる両親のような、心強い存在だと感じます。 見る場所で表情が変わるから、何回見ても、どこから見ても、毎回写真を撮りたくなっちゃう(笑)。静岡以外の県から見える富士山も、嬉しいですよね。カトラリーやお皿など富士山グッズもたくさん持っているくらい、私はとにかく富士山が大好きなんです」 富士山を望む丘の茶畑にぽっかり浮かぶように設えられたテラスでのひとときを楽しむ百田さん。そう、「茶畑」といえば……【後編〈百田夏菜子が本当の「茶畑のシンデレラ」になった瞬間〉へ続く】「EX旅のコンテンツポータル」について 本文で紹介した「EX旅のコンテンツポータル」では、「オーシャンスパ Fuua」や「天空のビヤテラス」を含む様々な観光コンテンツを購入することができます。申し込み方法は以下の通り。〈撮影/小倉雄一郎〉◆JR東海
2022.03.30 16:00
NEWSポストセブン
(早稲田大学鉄道研究会)
早大鉄研メンバーが投票で選んだ、2021年「鉄道10大ニュース」
 2021年も年の瀬が押し迫ってきた。新型コロナウイルス感染拡大の影響があり、緊急事態宣言の期間も長く続いた1年であったが、そうした中でも鉄道界隈には多くのニュースがあった。そのうちから、早稲田大学鉄道研究会の会員が投票で選んだ「鉄道10大ニュース」を紹介する。 * * *【1位】国内唯一の2階建て新幹線「E4系」引退 今年最も会員の関心を集めたニュースは、上越新幹線Maxとき号やMaxたにがわ号で運行されていたE4系の引退である。 E4系は、国内唯一となった2階建て新幹線として運行されていた。2階建てで座席数が多く、中でも16両編成での座席数は1634席と高速鉄道では世界一であり、大量の乗客輸送が可能だった。その反面、速度が出にくいという短所もあり、それも一因となって今年10月1日に惜しまれつつ引退した。 E4系の2階席に乗車すると防音壁より高い所からの車窓の景色が楽しめるため、鉄道ファンのみならず人気の車両であった。また、ホームに停車する姿はまさに「壁」のようであり、乗っても見ても迫力のある車両だった。当会でも多くの会員が惜別乗車をしていた。【2位】特急踊り子号「185系」引退 第2位にランクインしたのは、東海道線の伊豆方面に直通する特急列車である踊り子号で使用されていた、185系電車の引退である。185系は、通勤用にも使用できる特急車両として開発され、東海道線の踊り子号や、湘南ライナーをはじめとするライナー列車にも使われており、過去には首都圏と北関東を結ぶあかぎ号や草津号などにも使用されていた。 JR東日本における最後の国鉄形特急車両として以前から注目を集めていたが、2021年3月のダイヤ改正により、踊り子号は後継のE257系に統一され、185系は定期運行を終了した。現在では臨時列車として運転されているが、座席の予約は即完売するなど、鉄道ファンからの人気は依然として高い。当会会員も踊り子号としての最後の走行を見届けるべく、沿線で見送ったりラストランに乗車したりしていたそうだ。 【3位】京急「ドレミファインバーター」引退 第3位には、なんと鉄道の「音」に関するニュースがランクインした。電車に乗車していると、駅の発車や到着の際に床下から音が出ていることがわかるだろう。この音は車両によって異なり、インバーターとよばれる装置から発する音である。 その音のなかでも、ひときわ異彩を放っていたものがある。京急の2100形や1000形の中には音階を奏でるものが存在しており、鉄道ファン、特に鉄道の音を楽しむ「音鉄」とよばれる人々にとって注目する存在であった。しかし、機器の更新に伴い数を減らしていき、今年ついに消滅してしまった。 京急線は都営地下鉄浅草線と直通運転しており、この1000形も乗り入れているため地下区間でも独特な音を楽しむことができた。地下ではよく響くこともあって迫力があり、より一層楽しめたことを思い出す。【4位】JR東海の新型車両「315系」のお披露目 第4位には、新型車両のお披露目という明るいニュースが入った。JR東海の新型車両、315系の公開である。運行開始は名古屋口の中央本線より、2022年3月の予定である。車内には先代の車両にはない液晶モニターが設置され、停車駅の案内など豊富な情報を流すことができて利便性が増す。 鉄道ファンにとっては315系のお披露目よりも、先代の211系とよばれる形式の置き換え、ならびに運行終了が近いことのほうが、関心が高いかもしれない。この形式が運行を終了するとJR東海管内から、国鉄時代に投入された車両が全滅して全車両がJR化後の車両となるが、これはJRで初めてのことである。 まだ営業運転は始まっていないが、会員の関心は高い。営業運転開始時にはさらなる関心が寄せられるだろう。【5位】鉄道各線の「終電繰り上げ」 コロナ禍の影響や、働き方改革などによる行動様式の変化に伴い、大都市圏を中心に終電の時刻が早まった。深夜帯の話題であるが故に、これとはほとんど無関係な人々のほうが多いかもしれないが、夜遅くまでの勤務の人・活動したい人にとっては、深夜帯の足がより限られてしまうという点で難儀な話である。 終電が早まることで直接の影響を受けるのは一部だとしても、周り巡って他の人々にもしわ寄せが来ることは、じゅうぶん考えられる。この件で公共交通のあり方について考えさせられるのは、「人々の行動様式が変化した」という見方とは逆に、鉄道の運行形態が人々の行動様式を規定する一面がある、ということではないだろうか。【6位】渋谷駅改良工事で山手線が大幅運休実施 渋谷駅の山手線内回りが使用する2番線ホームを拡張するため、10月23日から24日の2日間、内回りの池袋〜渋谷〜大崎間が運休となった。この工事により、2番線ホームは格段に広くなり、安全性が向上した。 なお、渋谷駅の線路切替工事はあと2段階残っており、2027年度に完成を予定している。ちなみに、当会会員を含む鉄道ファンの多くは、この運休の補填として運転された、新宿〜品川間の臨時列車に注目していた。普段あまり使用されない線路を使用したこの運用は、多くの鉄道ファンの記憶に残る体験となった。【7位】五能・男鹿線の「キハ40系」引退 北東北の地から、またキハ40系が去っていった。青森県と秋田県の日本海沿いを走る五能線や男鹿線を中心に活躍していたが、新たに登場した、バッテリー走行が可能なEV-E801系電車や、より機動性の高いGV-E400系気動車に置き換えられる形で引退した。 当車両のボックスシートから眺める絶景は、鉄道ファンのみならず多くの人々の旅情を大いに?き立てるものだった。しかし長い間、北東北・日本海側の厳しい自然環境下で耐え抜いてきたキハ40形の車体のやつれ具合を見ても、またこれからの鉄道輸送のあり方を考えても、この度の置き換えはやむを得ないのだろう。事実、車両の老朽化やローカル線における現状の厳しさは、旅情などといったものでは解決し難いものだ。 そうは言っても、やはり鉄道ファンの中には、剛健なはずの鉄道の世界においても諸行無常の響きありかと、見慣れた車両が居なくなる度に息をのみ、またやるせなく憂いてしまう者も少なくない。【8位】千葉・小湊鉄道に「キハ40系」が登場 千葉のローカル線に「オールドルーキー」の誕生である。小湊鉄道にキハ40系気動車が登場した。導入されたキハ40系は国鉄時代から40年以上、東北地方の只見線(福島・会津若松駅〜新潟・小出駅)で活躍していた車両であったが、新型車両の導入により運用を外れることになっていた。 第7位で五能・男鹿線からの撤退のニュースを紹介した通り、キハ40系はJR線から姿を消しつつある車両である。鉄道ファンにとっては人気の高い車両であり、東北から千葉に移動してくる段階から注目度は高かった。キハ40系は2020年の春には千葉に到着しており、運転開始がいつか注目されていたが、2021年、ついに運転が開始された。 また、小湊鉄道の既存の車両は塗装が1種類であるのに対して、キハ40系はすでに2種類の塗装が存在するうえ、今後さらに増えるようだ。これからも長く、たくさんの人々を運び続けてもらいたい。【9位(同率)】石川・七尾線から「415系」「413系」が引退 第9位には北陸を走った車両の引退がランクインした。輪島塗をイメージした茜色の415系と413系は、いずれも七尾線の普通列車として、主に金沢駅と能登半島の七尾駅を結んでいたが、3月のダイヤ改正をもって新型車両に置き換えられた。 当車両は、約半世紀前の国鉄時代に製造された車両を改造した形式で、鉄道ファンの間では最後の急行型車両として注目を集めていた455系を含む編成もあった。新型車両の導入により、快適性が向上したり、ICカードの利用が可能になったりした一方で、朝夕の6両編成が4両編成に短縮されたため、輸送力の低下が心配される。引退した一部の車両は、国鉄色に塗り替えられ、えちごトキめき鉄道で観光列車として再び走り始めている。【9位(同率)】 北海道・日高本線、鵡川駅以南が廃線に そしてもう一つ、同率9位に北の大地の廃線という悲しいニュースがランク入りした。北海道の苫小牧駅と様似駅を結ぶ日高本線において、途中の鵡川駅〜様似駅間が廃止となった。 廃止区間は実に100km以上に及ぶ。鵡川〜様似間は2015年1月に発生した高波の影響で線路が被災し、バスによる代行輸送が行われていたが、今年正式に廃線となった。無論「さよなら運転」も行われず、なんとも寂しい終わりとなってしまった。現在は廃線区間において地域ごとに路線バスが走っているが、これは日高地方における公共交通のあり方が変化したことを表す。 高波の影響を受けるほど海から近くを走っていたのなら、素晴らしい眺望を味わうことができたであろうことは想像に難くない。一度は乗車してみたかった。 以上、「2021年鉄道10大ニュース」を紹介した。今年は車両の引退に関するニュースが多く、変化の大きい1年だったと言える。来年も、鉄道界の動向に注目したい。◆取材・文・写真/早稲田大学鉄道研究会・会誌『SWITCHER』編集部
2021.12.30 07:00
NEWSポストセブン
京王電鉄の除灰カート(写真提供/京王電鉄)
企業の富士山噴火対策 三菱地所は火山灰想定のビル運営管理の手順を策定
 富士山麓で地震が頻発し、「富士山が噴火するのではないか」と不安が広がっているなか、一般市民以上に危機感を抱き、着々と備えを進めている大企業は少なくない。降り注ぐ火山灰から岩石、そして保険まで、各企業が本気で取り組む噴火対策に迫る。 いつ来てもおかしくない富士山噴火。被害を最小限に抑えるべく対策を着々と進めている大企業がある。 三菱地所は今年11月11日、東京駅近辺の大手町・丸の内・有楽町に所有する約20棟のビルを対象に、火山灰を想定したビルの運営管理の手順を策定した。 同社はすでに地震や風水害に対する行動手順を定めていたが、噴火対策にも本腰を入れた格好だ。「同エリアに1時間5mmのペースで最大10cmの降灰が堆積し、鉄道や道路、物流、電力、上下水道、通信といった各インフラが、降灰開始の数時間後から2週間程度の間で機能停止するという被害状況を想定し、ビル機能の維持や避難誘導、帰宅困難者受け入れなどのタイムラインを定めました。 ハード面では空調機の目詰まり対策としての予備フィルターを確保し、さらに断水に備えて上水・雑用水の水槽貯水量を最大限増加させる施策などを実施します」(三菱地所広報部) 同じく火山灰対策に奔走しているのが、インフラを担う鉄道会社だ。京王電鉄の広報部が語る。「当社では、2014年の御嶽山の噴火などを受けて、線路上に積もった火山灰を除去するカートを2018年度から導入しています。また沿線の拠点に除灰用の備品も配備しています」 富士山の麓を走る新幹線と在来線を抱えるJR東海は、「被害が想定される地域では、列車を進入させない、その地域にいる列車を地域外へ移動させるなどの運転規制を実施します。当社としても、情報収集や勉強を継続しております」(JR東海広報部)という。 富士山にほど近い企業はさらに踏み込んだ対策をしている。静岡市にある建築・不動産会社の小野田産業は、家庭に置く「火山用シェルター」の開発に注力している。同社の小野田良作社長が語る。「アメリカ国防総省の建物の外壁にも使われているポリウレアという耐熱性の高いコーティング剤を発泡スチロールに塗りつけることで、軽さと耐久性を備えたシェルターを実現しました。広さは5~6人が入れる程度で、津波に襲われても水に沈む心配がなく、ヘリコプターで吊り下げて移動することが可能です。充電式の電池により電力を継続的に使え、理論上は食料品と水が持つ限り生活することができます」 同社はすでに、地震や津波に対応できる防災シェルター『SAM』(150万円)を販売しているが、「火山用」の場合、地震や津波対策用のシェルターよりも、越えなければならないハードルが高いという。「販売するには『直径10cm、時速300kmの火山弾(噴火の際に飛散する溶岩の一部)を損傷なく跳ね返せるか』という国の基準をクリアしないといけませんが、現状は直径10cm、時速180kmまでが限界です。もうひとつ難しいのが、火山灰や粉塵の進入をいかに防ぐかで、それらが空気に充満する環境下でも完璧に空気清浄できるかが課題です」(小野田社長) 来年3月には再び実験を行ない、1日も早い製品化を目指すという。※週刊ポスト2021年12月24日号
2021.12.14 16:00
週刊ポスト
2018年に新幹線車両内で実施された乗務員や警備員らによる不審者対応訓練(時事通信フォト)
問われる鉄道車内の治安対策 防犯カメラのネットワーク化や通信システム拡充も
 鉄道の安全対策と聞くと、すぐに思い浮かぶのは無事故で時間通りに運行されることだ。ところが、8月の小田急線刺傷事件、10月の京王線放火刺傷事件など、普段は思い浮かばない安全対策がにわかにクローズアップされる事件が相次いで起きた。ライターの小川裕夫氏が、乗客が乗る鉄道車内の治安対策について、東海道新幹線での取り組みを中心にレポートする。 * * * 2021年8月6日に小田急線車内で起きた殺傷事件は、世間を大きく震撼させる大事件となった。 同事件は、藤沢駅を発車し新宿駅へと向けて走っていた快速急行の列車で発生。犯人は刃物を振るって乗客に怪我を負わせたほか、所持していたサラダ油を床に巻いて火をつけることも試みた。不幸中の幸いながら同事件で死者は出ず、火災も発生しなかった。 小田急線の事件の記憶が薄れる間もない10月31日、今度は京王線で類似の事件が発生した。同事件は京王八王子駅を発車して新宿駅へ向かって走っていた特急の列車内で起きている。京王線の犯人は調布駅から乗り込み、すぐ犯行に及んだ。ハロウィンの雰囲気に彩られた車内は、一転して惨劇の場と化した。 その後も小田急線・京王線を模倣する犯行が続いている。それだけに、鉄道事業者の治安対策は喫緊の課題として浮上している。 こうした事件で危機感を覚えるのは、鉄道事業者ばかりではない。鉄道は国民が日常的に利用する。国民の生命と財産を預かる政府が、無関係を決め込むわけにはいかない。 小田急線の事件が発生した直後、加藤勝信官房長官(当時)や赤羽一嘉国土交通大臣(当時)、棚橋泰文国家公安委員長(当時)は揃って声明を出し、再発防止に取り組むよう関係各所へと指示した。 鉄道車両は、過去に火災で多数の犠牲者を出した反省から不燃化が進められた。その成果もあり、簡単に火が燃え広がらないように改良されている。他方、火災への対策は手厚いが、刃物などによる無差別の犯行を防ぐ手段はない。鉄道警備は鉄道公安職員から民間へ 小田急線と京王線、両事件の犯人は快速急行・特急という停車駅の少ない列車を選んでいる。停車駅が少なくなれば自然と駅間は長くなり、乗客は逃げ場を失う。また、駆けつける警察官や駅係員の到着を遅らせることもできる。まさに、用意周到な犯行といえる。 乗車時間が長い列車が狙われた点から考えると、もっとも危険と思われるのが新幹線だろう。東京駅を起点とする東海道・山陽新幹線は、路線距離が約1069.1キロメートル。くだりの「のぞみ」は、神奈川県の新横浜駅を出発すると次の停車駅が愛知県の名古屋駅。約1時間半もノンストップで走り続ける。「東海道新幹線の『のぞみ』は、2020年3月のダイヤ改正で1時間に12本を運行しています。その全列車に警備員が警乗する体制をとっています」と説明するのは、JR東海広報部東京広報室の担当者だ。 言うまでもなく、鉄道を狙った事件や鉄道車内での犯行は最近になって起きるようになったわけではない。鉄道が全国に広がっていくと同時に、鉄道関連の事件は増えていった。そのため、大正時代から鉄道を主軸にした警備制度がスタート。当初は警察機構が取り締まっていたが、しだいに鉄道職員へ権限が移譲されていく。 戦後の混乱期は、駅構内や列車内での治安を強化する必要性が生じた。こうした背景から、再び鉄道職員から警察に鉄道の治安対策が委ねられる。警察機構による警乗で列車内の治安は向上した。 しかし、鉄道当局の内部からは「駅構内や列車内は国鉄自身が管理するべき」との自律性を重んじる声が強く、国鉄は自律的に治安を維持する鉄道公安職員を発足させた。 テレビドラマで「鉄道公安官」として描かれたことにより有名になったが、正式名称は鉄道公安職員。そして、あくまでも警察官や刑事などではなく、鉄道の職員に過ぎない。それでも鉄道公安職員には、通常の警察官と同等の銃を所持することや令状を取得して捜査する権限が与えられていた。 国鉄職員ながらも警察官のような権限が与えられていた理由は、国鉄が運輸省の外郭団体という位置付けだったからだろう。 そうした鉄道公安職員も国鉄の分割民営化によって役目を終える。民営企業のJR職員が、拳銃を所持することは不適当とされたからだ。 現在、各都道府県警察が駅前交番などを設置して治安維持に努めている。とはいえ、駅前交番の警察官が列車内にまで警乗することはまずない。JRに改組して以降、主にJRから委託された民間の警備会社が駅構内や列車内の治安維持を担っている。防犯カメラを増設しネットワーク化 こうした体制の変遷はあったものの、鉄道事業者が常に駅構内・列車内で治安対策に気を配っていることに変わりはない。列車内は逃げ場がなく犯行を実行しやすい環境にある。長距離列車内の警戒は、特に厳重になる。「JR東海では、今年11月に名古屋駅を発車した『のぞみ6号』の三河安城駅―豊橋駅間を走行中に事件が発生するという想定で訓練を実施しました。同訓練は、小田急・京王の事件が起きる以前から取り組んでいるもので、昨年11月にも実施しています。同訓練は、防護盾・耐刃手袋・耐刃ベストなどの防護装備品を活用した不審者への訓練です。そのほか、今年6月にも静岡駅―掛川駅間で異常時に対応する訓練を実施しています」(同) JR東海は、車掌をはじめとする乗務員が車内での緊急事態に対応できるように訓練を実施しているだけではなく、民間の警備会社が警乗するなど列車内における治安対策の強化にも力を入れる。セキュリティの観点から列車本数・区間・人数などの具体的な警乗内容は回答できないとのことだが、「一部の列車には鉄道警察隊も警乗している」(同)という。 鉄道警察隊とは国鉄が分割民営化した際に誕生した、警察内の鉄道治安対策を担当する部署のこと。沖縄県を除く各都道府県警察が設置している。JR東海は、そうした人的な警備だけではなく、防犯カメラの設置で列車内の治安向上を図っている。「N700Aタイプの車両の乗降扉の上部には、防犯カメラを設置しており、さらに客室内及びデッキ通路部にも防犯カメラを増設するなど、厳重なセキュリティ対策をとっています。2020年3月より順次、指令所において列車内の防犯カメラ画像を個別に取得できるようネットワーク化を進め、すでに完了しています」(同) 防犯カメラは犯罪の抑止力にはなるだろう。また、犯人が逃走した場合にも早急な身柄確保に効果を発揮することは違いない。しかし、実際に犯行がおこなわれているときに乗客を守ることはできない。そうした事情から、JR東海は乗客の安全を確保する手段として通信システムの充実にも力を入れる。「2019年9月から、指令員が列車の乗客に向けて車内放送を直接できるようになりました。これにより、乗務員が避難・誘導といった対応に専念できる体制が整備されています。また、乗務員やパーサー、指令員のスマートフォンに導入しているグループ通話システムの導入範囲を警備員にも拡大し、警備員の初動対応が迅速化されています」(同) こうした治安対策を講じる一方で、JR東海は「現段階では、空港で実施されているような手荷物検査や金属探知機などによるボディチェックを駅で導入する予定はありません」(同)としている。 手荷物検査やボディチェックを実施すれば、より安全性は高まるだろう。他方で、「駅に行けばすぐ乗れる」といった利便性を犠牲にしなければならない。そのバランスは難しいが、今のところ鉄道において手荷物検査やボディチェックを実施することを求めるような世論にはなっていない。 昨年から続くコロナ禍により、鉄道需要は激減している。ようやく緊急事態宣言が解除され、少しずつ需要の回復が見込まれている。そうしたタイミングで起きた小田急線・京王線の事件は、鉄道需要の回復にブレーキをかけかねない。 危険に襲われるのは、新幹線のような長距離列車ばかりとは限らない。隣駅への移動でも、事件に巻き込まれる可能性はある。安全対策に完璧はない。 それだけに鉄道事業者は常にアクシデントを想定して、それらの対策が求められる。鉄道事業者にとっては面倒な話ではあるだろう。それでも、多くの乗客が安心して利用できる鉄道を実現するために一丸となって取り組んでもらいたい。
2021.12.07 07:00
NEWSポストセブン
最新の半導体は身近なものにも多く活用(写真提供/JR東海)
半導体が切り開く技術革新 新幹線、運転支援、内視鏡、ドローンなど
 あらゆる電子機器に欠かせない存在となっている「半導体」。その半導体は、いつの時代も革新的な技術をもたらしている。2021年現在、半導体が切り開く新時代の技術革新の事例を紹介しよう。東海道新幹線「N700S」(JR東海) 13年ぶりのフルモデルチェンジで昨年7月に営業運転を開始した東海道新幹線新型車両「N700S」には、高速鉄道の駆動システムでは世界初となる次世代半導体のSiC(炭化ケイ素)パワー半導体が採用された。従来のSi(ケイ素)パワー半導体と比べて電力損失が1/100などの特徴があり、SiC素子の採用によって主変換装置の大幅な小型軽量化と省エネルギー化を実現。軽量化により静粛性や乗り心地、速度も向上した。「スカイライン(HYBRID)」(日産自動車) 2019年に発売された新型「スカイライン」のハイブリッド車(税込557万5900円~)に搭載された世界初の先進運転支援技術「プロパイロット 2.0」には、ルネサスエレクトロニクスの車載半導体が走行判断と制御を担う運転支援システムの中核的機能として採用されている。様々な情報を処理し、高速道路での車線変更の提案やハンズオフの可否の判断も実現。下の写真は「プロパイロット 2.0」の運転情報を投影する車載ディスプレイ画面。大腸用カプセル型内視鏡(コヴィディエンジャパン) 大腸疾患の診断に使われるカプセル型内視鏡は、イメージセンサ(CMOS)を搭載した2台の超小型カメラ、バッテリー、LED、画像データ送信機などを内蔵した約32ミリ×約12ミリのカプセルを口から飲み込む内視鏡検査機器。腸管内部を蠕動運動によって通過しながら腸粘膜を撮影し、記録装置に転送。内視鏡スコープによる検査が困難な場合に用いられる。昨年4月から保険適用範囲が拡大。医療機関での導入が進んでいる。空撮ドローン「Airpeak S1」(ソニー) ソニーが自社開発した初のドローン「Airpeak S1」は、同社の技術の粋を集結したプロフェッショナル向け製品。ソニー製イメージセンサーを内蔵したステレオカメラを機体5方向(前後左右下)に配置。そのカメラがとらえた情報を高速処理する同社製ビジョンセンシングプロセッサや、赤外線測距センサーなども搭載し、障害物の多い場所でも安定飛行を実現。市場推定価格は税込110万円前後。発売は今年10月下旬以降を予定。※週刊ポスト2021年10月8日号
2021.10.01 16:00
週刊ポスト
実は鉄道と縁がある『名探偵コナン』(劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』HPより)
『名探偵コナン』と鉄道の浅からぬ関係 国交省は速達性向上を真剣に検討
 作家、クリエイターが描く世界が、現実の未来の姿を予言したかのようになってしまうことがある。いまや親と子、二世代で楽しむ家族も少なくないといわれる人気シリーズの名探偵コナンでは、現実より少しオーバースペックな鉄道がたびたび登場してきた。ライターの小川裕夫氏が、荒唐無稽と見過ごせないコナン作品における鉄道のスピードについて、レポートする。 * * * 人気マンガ「名探偵コナン」の劇場版最新作『名探偵コナン 緋色の弾丸』が公開された。昨年、新型コロナウイルスの影響により公開が延期された。待ちに待った新作だけに、ファンの期待は高まっている。 名探偵コナンではこれまで、最新の技術や知見が積極的に取り入れられてきたが、鉄道関連でも興味深いものがいくつも登場してきた。最新の劇場版でも、東京~名古屋間で建設が進められている中央リニア新幹線を彷彿とさせる真空超電導リニアが登場して事件に大きく関わるほか、真空超電導リニアの駅として新名古屋駅もお目見えする。 現在、新名古屋駅は存在しないが、名古屋鉄道の名鉄名古屋駅が2005年まで新名古屋駅を名乗っていた。そうした所縁もあり、名古屋鉄道は愛知県江南市に所在する江南駅を一時的に「名探偵コナン駅(江南駅)」に改称。コナンの世界観に合わせた装飾も施す。「コナンとのコラボは、4月14日から6月30日の期間で実施します。江南駅西口の駅名看板をコナン駅と掛け替え、コナンのイラストも合わせて描きます。また、ホームに設置される駅名看板、駅構内にある旧きっぷ売り場の壁面にもキャラクターを描きます」と話すのは、名古屋鉄道広報部の担当者だ。 江南駅には西口と東口があり、西口は市の中心部へとつながる出入り口でもある。そのため、多くの乗降客が西口を利用することになるので、コナン駅への意匠チェンジは注目を集めることになるだろう。 そうした取り組みとともに、名鉄は名古屋駅と直結する名鉄百貨店前の待ち合わせスポット・巨大マネキンの「ナナちゃん人形」を名探偵コナンのキャラクター「赤井秀一」の衣装へと衣替えさせる。名古屋の名所だけに、これも話題になるだろう。 一方、リニアの運行主体となるJR東海はコナンとコラボする気配がない。JR東海広報部東京広報室の担当者は言う。「同作は昨年に公開される予定でしたが、その直前まで弊社も作中にリニアが登場することを知りませんでした。そのため、特にコラボする話は出ていません。今後も、映画とコラボする予定はありません」 今回、JR東海はコナンとコラボしていないが、2018年から放送を開始したアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION』では全面的に制作を協力。シンカリオンは2019年に劇場版が公開され、今年4月9日からは新シリーズ『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』が始まっている。 名探偵コナンでは、あくまで架空の世界であることを示すために現実と微妙に異なる名称を様々なものに使用しているが、シンカリオンシリーズでは逆に、実在する新幹線の名前がそのままロボット名に使われているという事情の違いがあるのかもしれない。 近年、鉄道会社がアニメやドラマとコラボする機会は増え、世間的にも大きな影響力を発揮するようになった。そうした中でも、コナンは国民的人気が高く、なにより鉄道と親和性が高い作品でもある。 1997年に公開されたコナンの劇場版第一作『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』は東都鉄道の環状線が事件の舞台として設定されていた。明確に東都鉄道がどこに所在するのかは描かれていないが、芝浜貨物駅や沢袋駅といった東京をイメージさせるモノが多く出てくる。こうした点から、東都鉄道の環状線が山手線をモデルにしていることが推測できる。 東都鉄道の環状線に仕掛けられた爆弾は、電車が時速60キロメートル未満にスピードダウンすると爆発することになっており、鉄道会社は爆発を避けるためノンストップで電車を走らせ続けることになった。 山手線の表定速度は30~35キロメートル。表定速度とは駅の停車時間なども含んだ平均時速のことだが、仮に駅に停車しないノンストップ運行でも時速60キロメートル以上で走り続けることは不可能に近い。 大阪にも大阪環状線があり、こちらの表定速度は時速20キロメートル前後と言われている。こうした鉄道の運行体制を見ても、犯人の要求「時速60キロメートルで走り続ける」が、いかに非現実的であるかがわかるだろう。これは、あくまでアニメの設定。しかし、物語として非現実的な設定は娯楽として古くから楽しまれており、鉄道映画だけに限っても『新幹線大爆破』(1975年)や、黒澤明が原案の『暴走機関車』(1985年)などがある。ありえない出来事に直面したときに、人間がとる言動はドラマティックなものとなる。『名探偵コナン 緋色の弾丸』に登場する真空超電導リニアも、時速1000キロメートルで走行する設定になっている。JR東海が試験運転している中央リニアは「実験線では時速603キロメートルの記録はありますが、対外的には時速500キロメートルで運行と説明しています」(前同)つまり、コナンの真空超電導リニアは現実のリニアより2倍のスピードで走っている。 コナンこと江戸川コナンをはじめとして、今回の劇場版でも主要人物として登場するFBI捜査官・赤井秀一などは超人とも思える技能・才能を持つ。そのほか、コナンの登場人物には超人的な人物がたくさん登場する。 鉄道においても現実世界を超越しているが、コナンの世界を現実が上回った部分もある。コナンは1994年から連載を開始。現在まで25年以上の長きにわたって人気になっているマンガだが、作中の時間は半年から1年しか経過していないといわれる。 だが、常に最新の技術を取り入れており、当初は折り畳み式の携帯を使っていた主人公たちが、いまやスマホを使っている。逆に、夢のツールとして登場したはずの阿笠博士が作った「犯人追跡眼鏡」はスマートグラスの、ターボエンジン付きスケートボードは電動キックボードなどの登場で、必ずしも非現実的ではなくなった。手の届きそうな存在になっている。鉄道についても、同じようなことが起きないとも限らない。 国土交通省は、2016年に東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会で「速達性の向上の現状と今後の取組のあり方」について議論している。小委員会で配布された資料には、2000年と2015年における通勤時間帯における所要時間の短縮例が記載され、具体的に「柳瀬川駅→新宿駅」「すずかけ台駅→押上駅」「大宮駅→横浜駅」の3つが例示されている。 例示されたケースは6~11分の時間短縮を実現しているが、国土交通省はその要因を表定速度が向上できたことと分析。国土交通省は、今後の課題としてさらなる表定速度の向上に努めると報告書を結んでいる。こうした議論の流れを見ても、コナンで描かれた時速60キロメートルで走り続ける環状線の電車を非現実的と一笑に付すわけにいかない。 未来の鉄道がコナンの世界に追いつく。そして、追い越す──そんな日が、少しずつ迫っている。
2021.04.18 16:00
NEWSポストセブン
鉄道と震災秘話 JR東日本の早期復旧を実現させた鉄道関係者の「支援の輪」
鉄道と震災秘話 JR東日本の早期復旧を実現させた鉄道関係者の「支援の輪」
 東日本大震災から10年。未曾有の大災害を前に、皆が協力し合い復興に努める当時の人々の姿が改めてクローズアップされている。それは鉄道会社にとっても同様。被害を受けた鉄道会社を他の鉄道会社や鉄道関係者が率先して支援する動きが多く見られた。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんが、震災で最も大きな打撃を受けたJR東日本と、同社を支えた会社や人々について振り返る。 * * * 2011年3月11日14時46分に発生した東日本大震災では、激しい揺れが各地で2~3分余りも続いた。だが、JR東日本は大震災が発生して間もない4分後の14時50分に、東京本社に対策本部を設置。そのほか、各地の支社や線路の保守を担当するグループ会社、パートナー会社にも対策室を配置し、被害状況の把握に努めた。同社管内の新幹線、在来線の全線で列車の運転は見合わせとなり、対策本部はただちに線路や施設、車両の点検作業に取りかかった。 対策本部が稼働を始めたのと同じ頃、JR東日本の清野智社長(当時)のもとにほぼ同時に2本の電話が入った。JR東海の山田佳臣社長(当時)と、JR西日本の故・佐々木隆之社長(当時)の2人だ。「必要なものがあれば何でも言ってください」。2人の社長は清野社長にそう話したという。 対策本部の担当者たちは各線の被害状況を把握するため、線路やホームを歩いて回ったが、点検作業は困難を極めた。東北新幹線は線路の長さだけで675kmもあるうえ、沿線では余震が続き、停電や断水が発生してインフラが寸断されていたからだ。それでもJR東日本は、普段は線路の保守作業などに用いるディーゼル発電機を稼働させながらなんとか復旧作業に当たった。だが今度は、主要な道路が寸断され燃料の供給が止まり、燃料が早々に底を突きかける問題に直面した。 清野社長は、山田社長、佐々木社長に連絡し、燃料が不足していることを伝えたところ、2人の社長は即座に支援を約束。JR東海、JR西日本両社の担当者を通じて燃料が集められた。両社が用意した燃料は、JR東日本子会社のJR東日本物流が手配したタンクローリーによって、各地の復旧作業が行われている場所へと無事運ばれたのだ。 燃料だけでなく、両社は多数の人材も派遣した。JR東海は、同社関連会社の新生テクノスを通じて、JR西日本は同社子会社の西日本電気システムを通じて、どちらも約100人ずつ人員を送っている。◆1日約8500人が復旧作業にあたる このほか、京浜急行電鉄と西日本鉄道も支援に名乗りを上げた。JR東日本と営業エリアが重なる京浜急行電鉄はともかく、東京から1000km以上離れ、福岡市内に本社を置く西日本鉄道の名前を聞いて意外に思う人は多いだろう。 両社が支援したのは、東北新幹線の復旧に必要な検査測定用の車両や機器。東北新幹線の左右のレール幅は1.435mと、在来線や大多数の私鉄で採用されている1.067mよりも広く、JR東日本が困っているからといって保有している車両や機器を貸しても役に立たない。しかし、京浜急行電鉄と西日本鉄道は、ともに左右のレール幅がJR東日本と同じ1.435mの線路で営業を行っているため、名乗りを上げたのだ。 支援の範囲を鉄道関係者まで広げると、東北新幹線の盛岡-新青森間の建設を担当した独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構も約50人、JRグループで鉄道専門の研究機関である公益財団法人鉄道総合技術研究は12人の人材を派遣。さらに、JR東日本と関係の深い大林組や鹿島建設、清水建設、仙建工業、第一建設、東鉄工業、日本電設工業、日本リーテックなどの建設会社(50音順)も続々と手を挙げた。これら企業の社員のなかには、自身や家族が被災するなか、「鉄道を1日も早く元の姿に戻したい」と駆けつけた人も多かったという。 甚大な被害を受けながらも、49日後の4月29日には東北新幹線の全線で運転が再開。1995年の阪神・淡路大震災の時は81日、2004年の新潟県中越地震の時は66日であったから、いかに復旧が早かったかわかるだろう。その理由としては、先に起きた大震災の経験が生かされたこと、特に建造物の耐震基準が引き上げられたり、復旧を迅速に行える工法が開発されたことなどが挙げられる。 だが、やはり大きな力となったのは、JR東日本の社員をはじめ、一番多い時には支援先を含めて1日に約8500人もの人たちが復旧作業に従事したことだろう。所属が異なる人たちが鉄道の復旧のために力を合わせる様子はまさに、鉄道でつながった「家族」そのものだったと思う。【プロフィール】梅原淳(うめはら・じゅん)/鉄道ジャーナリスト。大学卒業後、三井銀行(現在の三井住友銀行)入行。雑誌編集の道に転じ、月刊「鉄道ファン」編集部などを経て2000年に独立。現在は書籍の執筆や雑誌・Webメディアへの寄稿、講演などを中心に活動し、行政・自治体が実施する調査協力なども精力的に行う。近著に『新幹線を運行する技術 超過密ダイヤを安全に遂行する運用システムの秘密』がある。
2021.03.31 16:00
マネーポストWEB
認知症事故リスクの補償制度が拡充 その契機となった事故当事者家族の感慨
認知症事故リスクの補償制度が拡充 その契機となった事故当事者家族の感慨
 認知症を患う人が行方不明になる事件が増えている。1年間に報告される行方不明者のうち、認知症が原因と思われるケースは2012年には全体の11.8%だったが、2019年には20.1%と倍増(警察庁)。多くは届け出から1週間以内に発見されているが、その間に問題が起きる例があとを絶たない。事故に巻き込まれた際には家族が賠償を求められることもあるが、そうしたリスクに対応する補償制度について、『週刊ポストGOLD 認知症と向き合う』より紹介する。【表】それぞれ補償額の上限は? 全国の主な自治体の「認知症賠償責任制度」19 * * * 2007年、愛知県大府市に住む91歳の男性がJR東海道本線の線路に侵入し、走行中の電車にはねられて死亡した。男性は長年認知症を患っており、ほんの数分家族が目を離したすきにひとりで出かけ、事故に遭ったという。 JR東海は後日、事故による振替輸送にかかった費用や旅客対応の人件費として遺族に対し約720万円の賠償金を請求。8年間に及ぶ裁判を経て、遺族側の主張が認められ、支払いの義務はないとする最高裁判決が出た。 しかし、本人に責任能力のない認知症患者が起こした事故であっても、家族に賠償請求が行くかもしれないという事実は全国に衝撃を与えた。この事件が契機となり、自治体による独自の賠償責任保険の取り組みが広がっている。 兵庫県神戸市は2019年に『認知症事故救済制度』を立ち上げた。同制度は診断費用の助成も備えた「神戸モデル」と言われ、全国の自治体から注目されている。同市福祉局認知症対策係長の中原啓詞氏が語る。「賠償責任の有無を問わず幅広く市民に補償する独自の見舞金制度の導入が最大の特徴です。また最大2億円まで補償する賠償責任保険制度も設けており、市内に住民票があり認知症の診断を受けた方が加入できます。保険料は市が負担しており無料です。現在、神戸市では5000人を超える方にご加入いただいています」 自治体により補償内容は異なるが、全国で独自の認知症高齢者向けの賠償責任保険の制度が導入されている。賠償金の上限額は1億~5億円とばらつきがあるが、ほとんどの自治体で利用者負担はなく、行方不明時の捜索や示談交渉といった付帯サービスを用意するなど手厚い。 実際にどのような場合に支払われるのか、前出の中原氏が解説する。「家族でレストランに行き、食事中に粗相をして座席を汚してしまったケースには、クリーニング費用などに13万8632円を補償しました。また、集合住宅で水道の蛇口を締め忘れ、下の階にまで漏水させたケースには、天井や壁の補修費用として28万6000円を支払いました」 前述のJR東海の事故があった愛知県大府市にも同様の制度ができた。事故当事者の長男・高井隆一氏に話を聞いた。「父の事故当時から考えると隔世の感がある。賠償請求の知らせを受けたのは父が事故で亡くなってから半年後。まだ悲しみから立ち直っていない状況でした」 高井氏とJR東海は、主に“家族の監督義務の有無”について争った。最終的に高井氏側の勝訴。在宅介護において、認知症の人を24時間365日、途切れなく監視するのは不可能だ。もし、遺族側が敗訴していたら、在宅介護の現場は萎縮し、「外出願望があればすぐにでも施設入居」ということになっていたかもしれない。高井氏は続ける。「8年間という長い年月でしたが、今は戦ってよかったと思っています」 認知症が原因で誰かに迷惑をかけてしまったとしても、お金で解決できる場合もある。それにより、認知症の家族の尊厳を維持できることもある。使える制度があるか、まずは問い合わせてみるといいだろう。■取材・文/末並俊司(介護ジャーナリスト)※週刊ポスト2021年4月1日号増刊『週刊ポストGOLD 認知症と向き合う』より
2021.03.02 15:00
マネーポストWEB
愛知県豊橋市の豊橋駅と長野県辰野町の辰野駅を結ぶJR飯田線の観光列車「秘境駅号」出発式(時事通信フォト)
超ローカル線を走る観光列車「秘境駅号」 不便さが逆に人気
 秋の行楽シーズンには紅葉など景色を楽しみたいが、今年は「密」が不安で……という人にうってつけの観光スポットがある。風光明媚な場所にあることが多いが、付近の人家もまばらで鉄道でなければ訪問しづらい「秘境駅」だ。愛知県、静岡県、長野県をめぐり、渓谷を縫うように走る路線として知られるJR東海の飯田線では、その秘境駅を普通に乗車するよりも少し便利になる観光列車の急行・秘境駅号の運行が10周年を迎えた。ライターの小川裕夫氏が、不便を楽しみに変換して提供する「秘境駅号」人気についてレポートする。 * * * 東京都は11月19日に新型コロナウイルスの新たな感染者数を534人と発表。過去最多を更新しただけではなく、500という大台を突破してしまった。コロナは感染症という脅威を及ぼすだけではない。その影響は、経済活動・日常生活にも陰を落とし、社会全体が疲弊する。 特にコロナで苦境に陥っているのが、観光・飲食・鉄道の各業界だ。それらの業界に救いの手をさしのべるべく、政府は7月からGoToキャンペーンを開始した。だが、コロナ第3波のために微妙な雰囲気となり、今は秋の行楽シーズン真っ盛りだというのに観光・鉄道業界には沈滞ムードが漂い始めた。そんな中、JR東海が運行する秘境駅号がこれまでの鉄道旅行とは違った切り口ということで注目されている。 秘境駅号は、毎年の春と秋に飯田線で運行されてきた。飯田線は愛知県の豊橋駅と長野県の辰野駅とを結ぶ路線で、秘境駅号は飯田線の豊橋駅~飯田駅間を急行列車として運行している。「飯田線には魅力ある秘境駅が数多く存在しますが、線区の特性上、これらの秘境駅を巡るのは困難でした」と話すのはJR東海広報部東京広報室の担当者だ。 飯田線は全線を乗り通すと約9時間もかかる路線のため、それが目的で乗車する人を除いて全線を乗り通す利用者は、ほぼいない。つまり全線に乗車するという体験自体が珍しく、さらに、秘境駅と呼ばれる駅がたくさん並ぶので、丁寧に乗車するだけでもレア体験を重ねられる。 秘境駅とは、山中・山奥にあり駅周辺に人家や商店がまったくなく、道路もないために鉄道を使わなければ到達することが困難な駅をいう。 そうした秘境駅に着目したJR東海は、10年前に秘境駅号の運行を開始。秘境駅号は、まるで時間が止まっているかのような木造駅舎の小和田(こわだ)駅(静岡県浜松市)、線路下は天竜川の渓谷になっている田本駅(長野県泰阜村)、駅名標に触れると金運が上がるという都市伝説がある金野(きんの)駅(長野県飯田市)などに停車する。単に停車するだけではなく、車外に出る時間的な余裕もあるため、駅前で記念撮影に興じたり、何もない駅前を散策したりして楽しむこともできる。「飯田線の沿線では、桜と紅葉を楽しむことができます。そうした理由もあって、秘境駅号は春と秋の季節列車として運行しています。飯田線には特急『ワイドビュー伊那路』号を運行していますが、秘境駅号は特急では通過してしまう駅にも停車し、秘境駅の非日常感を楽しんでもらいたいと考えています」(同) 飯田線は豊橋駅~豊川駅間が複線で、そのほかは単線。全体としてほぼ単線区間のため、列車の行き違いなどで駅に停車する時間は長い。本来なら、そうした待ち時間はデメリットでしかないが、秘境駅号はそれらを撮影タイム・散策タイムへと変えている。 また、秘境駅号は単なる季節運行の急行列車というだけではない。駅や車内で秘境駅号ならではのイベントを実施している。 それらのイベントは乗務員や駅係員などの運行に携わる現場が企画を出し、運行ダイヤなどを調整。地元自治体と連携したイベントを実施することもある。そのため、イベント内容は常に変わる。都会では味わえない大自然や車窓、手づくり感のあるイベントを楽しみにしている旅行者も多く、それが「鉄道旅が好き」というライトな鉄道ファンを惹きつける要因にもなっている。今年は、「飛び出す乗車証明書」や「10周年記念原寸大ヘッドマークタオル」が乗車記念特典としてつけられた。「今年、秘境駅号が運行10周年を迎えます。記念の年ということで、それまで秘境駅号が停車しなかった伊那田島(いなたじま)駅にも停車するようにダイヤを工夫しました。伊那田島駅は今年で開業100周年を迎え、ホームから中央アルプスを望める駅です」(同) 秘境駅号の名前の通り、飯田線は多くの区間でwifiが入らない。それどころか、携帯電話の通話さえ覚束ない。そんな不便な状況もユーモアセンスによって自虐的な車内アナウンスへと変換され、好評を博している。乗客は、そんな非日常体験を喜ぶ。 単に秘境駅を巡るだけなら、退屈してしまうローカル線の旅だが、不便をレア体験に変換して楽しめるようなイベントが乗客を飽きさせない。そういった工夫が多くの旅行者を魅了する一因にもなり、リピーターを呼ぶことにもつながる。「コロナの影響もあって記念パネルを持っての記念撮影といった一部のイベントは実施できませんが、そのかわりに車内放送などで楽しんでいただけるよう工夫を凝らしています」(同) 今年の秘境駅号は、11月22日が最終運行日となっている。すでに予約が殺到している状態で、乗車は難しい。しかし、秘境駅号ではなくても飯田線を一人で乗り鉄することはできる。また、飯田線のほかにも、全国には飯田線と比肩するような地方路線がある。飯田線まで足を運ぶことはできなくても、地方路線の秘境駅を巡るという楽しみ方もあるだろう。 かつて、国鉄は”ディスカバー・ジャパン”を打ち出して地方へと誘った。コロナで密を避けることが呼びかけられる中、これからは人里から離れた秘境駅を巡る鉄道旅がトレンドになるかもしれない。
2020.11.21 07:00
NEWSポストセブン
Go Toトラベル、正月旅行のお得活用術 マイカー旅でも割引可能
Go Toトラベル、正月旅行のお得活用術 マイカー旅でも割引可能
 コロナには適度に気を付けながら、正月くらいは羽を伸ばして遠出でも……そんな人たちの心強い味方が「Go Toトラベル」である。「Go To」はそれだけでお得だが、他の割引との組み合わせで、さらに旅行代を安くする方法がある。使い倒すほかあるまい。【表】30万円の旅が17万円台に! Go Toトラベルと他の割引を組み合わせた場合の割引額「Go Toトラベルが開始されて、例年より正月旅行の予約争奪戦が早まっています。人気スポットは、すでに年末年始の予約が埋まりつつあります」 淑徳大学経営学部観光経営学科教授で観光ジャーナリストの千葉千枝子氏はそう語る。正月に旅行を考えているのなら、すぐ行動に移すべきだ。 そもそもGo Toトラベルとは何かをおさらいしておくと、キャンペーン登録事業者から旅行を予約すると、35%は旅行代金の割引、15%は旅先で使える地域共通クーポンとして給付される。給付額には上限があり、宿泊する場合は1人1泊2万円まで、一度につき7泊まで支援の対象になる。回数制限はない。「1人4万円前後の少し高めの宿を選ぶと割引の恩恵を最も享受できます。正月なので、箱根などの高級旅館で大晦日から三が日まで、3泊4日くらいの長逗留をするケースも増えることが予想されます」(同前) 他の割引を組み合わせればさらに旅行代金を安くできる。「『Go Toイート』や『シニア割』などを組み合わせることもできますから、どの場面でどの割引を使えば一番お得になるかを考えておく必要があります。たとえば1か月以上前から予約すると『早割』が適用されるケースなどもあるので、早めの計画がおすすめです」(同前) とはいえ、割引の組み合わせ方を間違えると、そのメリットを最大限享受できないこともある。たとえば交通費に関しては、高齢者の場合、各種交通機関のシニア割引を利用する人は多い。「宿泊だけGo Toトラベルを使って、交通費はシニア割引で」と考えていると損する可能性がある。 なぜなら、Go Toトラベルの宿泊と交通費のパックのほうがお得になるからだ。正月は旅行業界の繁忙期で旅行代金が跳ね上がるので、その分、割引額も大きくなる。交通手段別に見ていこう。◆航空機の「シニア割」と比べる「もし航空機を利用するなら、JALパックやANAセールスといった『航空会社系列』の旅行代理店の航空機利用のパックツアー(宿泊込み)に申し込むといいでしょう」(前出・千葉氏) 65歳以上の場合、ANAには「スマートシニア空割」、JALには「当日シルバー割引」があるが、搭乗日当日に空席があることが条件なので、正月旅行には適さないケースがあるかもしれない。◆新幹線でもパックに強み 新幹線を利用する場合は、普段なら購入する手軽さから単体で購入する人が多いはず。Go Toトラベルがある今は、新幹線でもパックのツアーが得になるケースが多い。「新幹線と宿泊がセットになったプランは、JR東日本びゅう、JR東海ツアーズなど、JR各社の系列旅行会社が多数用意しています」(同前) JR東海ツアーズの東京―京都往復新幹線と京都のホテルに2泊3日というパックなら1人4万円前後。Go To適用で実質50%オフになるので、通常の往復新幹線代よりも1万円弱安くなる。 2割引になるシニア割と比べても、Go Toトラベルなら2000円ほど安くなる。◆マイカー旅でもGo Toは使える 飛行機や鉄道などで“密”になる状態を避けたければ自家用車での旅行という手もある。その場合は、高速道路周遊券と、宿泊・レジャー施設などがパックになったGo To適用商品がお奨めだ。 全国のNEXCOのサイトでは、高速道路の周遊パスと宿泊がセットになった商品がある。NEXCO中日本であれば、東京・神奈川・静岡の対象区間が2日間乗り放題の高速道路周遊券が通常9200円のところ、Go To適用で5980円になる。そのうえ宿泊費もGo To割で安くなり、地域共通クーポン1380円分も付与される。※週刊ポスト2020年11月27日・12月4日号
2020.11.20 15:00
マネーポストWEB
リニアの新型車両が外観も内装も公開に
リニア新型車両 静粛性が向上、座り心地はグリーン車並み
 東京・名古屋間を最短40分で結ぶ、開業準備中のリニア中央新幹線の新型車両が公開された。空気抵抗を少なくするために先端形状を変えるなどした改良型試験車が、報道陣や関係者らを初めて乗せて走行したのだ。 山梨県にある山梨リニア実験線は全長42.8キロ。新型車両は時速500キロメートル超で走行し、乗車した関係者からは「新幹線と同じようなゆったりした乗り心地」という声が聞かれた。今回の新型車両は従来の「L0系」に比べ空気抵抗を13%減らしたモデルで、「消費電力や車外騒音を低減させる」(JR東海)という。この日も数回の500キロ走行をスムーズにこなした。 安全面についても向上した。従来は空調や照明などの電力供給のために、灯油を燃料とするガスタービン発電装置を利用していたが、新型車両ではそれを非搭載とし、リスクを下げた。ちなみに、新しい電源はスマートフォンなどにおける“非接触充電”と同じ原理の「誘導集電方式」。トンネル走行の多いリニア車内を明るく照らしていた。 車内の快適性もアップ。従来車両でも車内騒音は新幹線と大きく差を感じない造りだったが、新型車両では吸音効果のあるガラス素材や膜素材の内装を天井部分などに施し、車内の反射音を低減させたという。素材については先頭車両と中間車両で違ったタイプを採用しており、両者とも報道陣に公開した。2種類の内装について、リニア実験センターの大島浩所長は「今後、比較していく。良いとこ取りをするかもしれない」と、さらなる改良の可能性にも言及した。 座席で利用できる電源プラグはUSBに統一され、コンパクトに。座席も背もたれを高くしてクッション性を増したほか、リクライニング連動座面にしたことなども注目されている。座ってみるとふかふかで、まるで新幹線のグリーン車のようだった。 車体や車内に関しては「営業運転で運用できるレベルに達している」(鉄道ジャーナリスト)が、静岡県が準備工事を認めていないことから、当初目標としていた2027年の開業は厳しくなっている状況だ。 日本の技術の粋を集めたリニアで旅ができる日はいつになるだろうか。
2020.10.22 07:00
NEWSポストセブン
秋の行楽シーズンはこれから本番(イメージ)
新しい旅行様式は「ずらし」がポイント 移動手段も食事も
 10月1日から「東京除外」が解除されることで、いよいよGo Toトラベルキャンペーンが本格的に始まる。秋の行楽シーズン本番を迎え、キャンペーンの盛り上がりが期待されるが、旅行者にとっては“感染リスクが気になる”という人もいるだろう。何をどう対策すれば、安心して旅行が楽しめるのだろうか。 これまでも、星野リゾート代表の星野佳路氏が提唱した「マイクロツーリズム」という考え方により、同じ都道府県内や隣県への小旅行をする人は少なくなかった。今後は、こうした近隣旅に加えて、新幹線や飛行機などを利用した遠方への旅行需要の復活が期待されている。 実際、9月の4連休では全国の人気観光スポットに人が押し寄せ、その混雑ぶりが報じられた。多くの人は“旅をしたい”と思っている証拠だろう。旅行ジャーナリストの村田和子氏は、今こそ遠出の旅行もチャンスだという。「訪日観光客がいない今、旅は信じられないほどリーズナブル。たとえば『ひさびさ旅割引』(JR東海ツアーズ)の場合、東京発着で新幹線を利用し、大阪で1泊のツアーは2万円を切っています。さらにGo Toトラベルを適用すれば、ここから実質半額となり(10月からの地域共通クーポン還元含む)、関西への1泊旅行が1万円かからない。通常は新幹線の片道だけで約1万4千円ですから破格です。遠出も気軽にできるので、念願だった場所へ出かけるチャンスです」(村田氏) 新幹線だけではなく、飛行機やバスを使った旅もお得なプライスになっているのが現状だ。村田氏がこの秋冬の旅行を勧めるのは、価格の安さだけが理由ではない。「私自身、夏に埼玉の秩父や京都、北海道を旅行しましたが、それらを通じて“旅の力”を再確認しました。旅は人の心を豊かにし、日常の元気をくれます。旅の経験を通じて『次はこうしたい』『こんなことに挑戦しよう』など意識が自然と未来を向くのも、旅のもつ大きな力だと思います。自粛続きで、その感覚を忘れてしまっている人が多いのではないでしょうか」(村田氏) そんな“旅の力”を再認識するために、これから実践したい新しい旅行様式を見ていこう。移動手段そのものでは感染リスクは低い 最近、JR東海が「ずらし旅」という概念を提唱し話題になっている。旅をする時期や場所、旅先での行動を“定番”からずらすことで「3密(密接、密集、密閉)」を避け、かつ旅の新しい楽しみを発見しよう、というコンセプトだ。 この間、旅行業界だけでなく、日常のあらゆる場面で「人との接触を減らして3密を回避する」感染対策が取り組まれている。米国立研究機関の博士研究員でウイルス学・免疫学が専門の峰宗太郎医師が解説する。「まず、大原則を確認しましょう。新型コロナウイルス感染症は、感染者の呼吸器から排出されたウイルスが飛沫あるいは接触により体内に入ることで感染します。対策の原理原則は、その感染経路を把握し、ウイルスを遮断したり消毒したりすることです。人との接触を避ければ感染経路を考えなくて済み、逆に、不特定多数の人との接触の分だけ、感染者がいる可能性が増えることになります。 では、旅行ではどう対策すればいいか。まず気をつけるべきは、3密のどれかに当たる状況を避けることです。鉄道などの車内では、マスクをして静かに過ごすことが大事です。気分が盛り上がり、お酒を飲みながらマスクを外して大声で話したりすると、感染経路が存在するリスクが高まります。ただ、そうした大騒ぎをしなければ、移動手段そのものによる感染リスクは高くないといえます。 旅行中の感染リスクは、宿泊先での飲食やアクティビティ、混雑する場面にあると言えますが、現在は各所で3密を避ける対策を実施しているので、そうした状況は多くは生じないでしょう。屋外で人との距離を保っていれば、感染リスクは高くありません。 一方、ビュッフェや宴会では会話が弾んで食事やお酒で盛り上がり、3密のいずれかの状況が生じる恐れがあります。各事業者においてはあらかじめ3密を避けるような工夫を行い、それでも一時的に3密のどれかが生じた場合は、旅行者が個人としてこれを避ける行動をとって欲しいと思います」(峰医師) その上で、峰医師は各旅行会社らの対策ぶりについてこう評価する。「総じて言えば、不特定多数の人との接触を減らす、マスク着用や消毒などで感染経路を遮断する、3密の状況をあらかじめ作らせない、という対策のパッケージは極めて合理的です。こうした事業者の取り組みに加えて、個人としてできる対策を徹底して行えば、それほど大きな感染リスクもなく、旅行を楽しめるでしょう。 旅行前の検査などは偽陰性の問題がありむしろ意味がなく、それよりも『自分の体調に異変を感じたら、他の人のためにその場で移動をやめる』というマインドセットを持つことが、今後はとても大切になります。他人のために自分の体調管理をし、自信が持てれば『旅行しよう』ということです。 新型コロナを恐れて外出しないことで、知らず知らずのうちにストレスを溜めて体調を崩すことがあります。できる範囲で外出・旅行し、気分転換をすることは非常に重要です。新型コロナだけに注目するのではなく、人間としての幸福は何かについて考えることも大事でしょう」「ずらす」ことで新たな発見がある このように、「ずらし旅」のコンセプトで感染リスクを避けつつ旅行することは、むしろ人間にとって幸福につながるといえそうだ。マイクロツーリズムを提唱した前述の星野代表は、「時間や時期を『ずらす』という考えは、3密回避になることはもちろん、観光業の積年の課題である『需要の分散』にもつながる」と指摘する。「国内旅行は23兆円という巨大市場にもかかわらず、需要の多くがGW、夏休み、年末年始、そして土日と、1年365日のうち約100日に集中しています。残りの265日はいわば閑散期ですから、業者は年に100日の黒字と265日の赤字を生んでいることになる。 そのデメリットは大きく、観光業に携わる人だけの問題にとどまりません。旅行シーズンには必ず道路が渋滞し、新幹線や飛行機は満席、ホテルや旅館も満室で、観光地は混雑する上、旅行代金も高額になっています。旅行需要をずらす=平準化すれば、3密が回避できるだけでなく、国内旅行につきものだった渋滞や混雑がなくなり、今より安く旅行できるようになるはずです」(星野代表) 日本の観光業を変えるきっかけにもなりそうな、ずらし旅とは具体的にどんなものなのか。JR東海の特設サイトには、その道の“達人”が勧める具体的な旅行プランがいくつも紹介されている。 たとえば、近年は訪日外国人客でごった返していた京都。京都市観光政策監の糟谷範子氏は、〈本当の京都を知るなら朝と夜〉と題して、知恩院や大徳寺、南禅寺などの有名寺院に行くなら通常9時〜17時の拝観時間よりも前、早朝5時(冬は6時)からの“開門”に合わせて訪れることを勧めている。糟谷氏はこう綴っている。〈朝は思い思いに散歩を楽しむ地元の人々の姿や、境内をきちっとお掃除されるお坊さんといったお寺さんの“顔”が見られる。お寺の建物の中に入る「拝観」ができなくても、京都人の暮らしを間近に感じることができる〉 また、グルメタクシードライバーの岩間孝志氏は、〈京都では昼におやつ 3時にごはん〉と題し、タクシー業界では当たり前という「時間ずらし」の食事スタイルを提案する。〈僕らが昼食を取るときは観光客で混んでいる時間帯は外しますし、それに昼時はクルマの渋滞がなくなるので、その間に、例えば大原や嵐山みたいな、混んでいると1時間かかるところに30分で移動して時短できるんですよ。全体の行程を効率化するこの考え方って、withコロナ時代の「三密を避ける」テクニックにそのまま応用ができると思います〉 岩間氏のテクニックを使えば、お昼時には“売り切れ終了必至”のスイーツを味わい、おやつの時間に人気のランチをゆったり楽しむことができるという。京都の他にも、江戸時代の歴史的建造物が並ぶ「飛騨高山」の町並を「夜歩き」して楽しんだり、「富士山」の絶景スポットを自分で探したりする旅行術が同サイトには紹介されている。どれも、定番から外すことで発見できる、旅の新しい楽しみを提案するものだ。 他にも、旅行会社各社は3密対策を徹底した旅行プランを売り出している。 例えばHISは、「3密対策! あんしん旅 北海道」と題した特別プランをスカイマーク、星野リゾートと合同で企画。フライトでは3席並びのシートをグループ1〜2名で利用でき(4名の場合は2列6席分)、別グループとの密接が避けられるという。 同プランの滞在先となる「星野リゾート トマム」では、チェックイン時の検温に始まる衛生管理が徹底されているほか、施設内に複数あるレストランの混雑状況を管理して、入店時間の分散化を実施するなど「ずらす」ことで3密対策を徹底している。朝・夕食はレストランからテイクアウトもでき、客室などでの食事も可能だ。さらに、施設内のプールや大浴場では、スマートフォンで混雑状況がわかる「3密の見える化」サービスも行っている。 国内外45施設を運営する星野リゾートだが、他施設でも同様の3密対策を徹底している。客室でのチェックイン(フロントで不特定多数との接触を避ける目的)のほか、アクリル板や手袋着用による衛生管理・入店制限による3密対策を徹底した「新ノーマルビュッフェ」は特に好評だという。 個人・グループで参加するバス旅行を手掛けるクラブツーリズムでは、「ニュースタイル」としてバスの座席を1人2座席分の利用とし、1台19人以下で運行するプランを実施している。従来よりも行程に時間をかけ、車内換気や途中休憩を多くしているという。食事場面でも、グループごとの間隔を開けるなど工夫。同プランの参加者からは「手指の消毒や、距離確保など、くり返しご案内いただけて良かったです」「食事会場は、衝立やアクリルパネルで仕切られていて、安心でした」といった声が寄せられているという。 JTBでは、全席皮張りリクライニングシートを贅沢に10席配した大型ラグジュアリーバスを、5名限定で運行する豪華プランを販売中(最小催行人数3名)。宿泊先も離れやヴィラが中心で、3密対策が徹底された高級旅館ばかりだという。各知事に「ウェルカム」のメッセージを求む 各社とも、安心・安全な旅行を提供しようと工夫をこらしていることはよくわかるが、この先、日本の旅行需要が本格的に回復するには何が鍵になるのか。前出の星野氏は、全国の知事が率先して、旅行をしたいと考えている消費者の心理面の壁を取り払うことが肝要だと指摘する。「この7〜8月、東京以外のGo Toトラベル実施による感染爆発も起きず、旅行需要は少しずつ戻りつつあります。東京発着が対象になれば、需要はさらに戻るでしょう。観光業としては、引き続き3密回避を徹底しながら、これまでのマイナスをいかに取り戻すかが大事になります。 地方から東京への旅行者は、大都市圏でのプロスポーツや音楽イベントなどの入場制限緩和次第で戻るでしょう。問題は、多くの東京の方が“地方へ旅行していいのか”と感じてしまっていることです。 6月の緊急事態宣言解除を前に、首都圏在住の2万人を対象に調査を実施したところ、回答者の3割以上が『東京から行くと嫌がられるから行こうと思わない』と回答しました。5月の連休前後にあった、各都道府県知事の『来ないでください』というメッセージのインパクトはそれだけ大きかったのです。各知事は今度は『全国どこからでもウェルカムです。旅行に来てください』というメッセージを強く出すべきです」 感染リスクをコントロールしながら、いかに新しい日常を営んでいけるかが今後の課題であることは言を俟たない。特に甚大な影響を受けている旅行業界では、「ずらし旅」「3密対策ツアー」のような旅のかたちが定着すれば、感染拡大防止と経済との両立を図ることができるだろう。 なにより、旅行好きにとっては「ずらし」のような“新しい旅行様式”をベースに考えることが、旅の楽しみを発見する好機となるはずだ。
2020.09.30 07:00
NEWSポストセブン
13年ぶりのフルモデルチェンジ
新型新幹線「N700S」 現行車両からの細かすぎる変更点とは
 7月1日、日本列島を新しい新幹線が走り出す。東海道新幹線の「N700S」だ。実に13年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型新幹線の新装備を、現行車両である「N700A」と比較しながらレポートする。 見た目だけでは現行車両との変化がわかりにくい「N700S」だが、乗れば違いが実感できる。走り出してまず感じるのは揺れが少なくなったことだ。グリーン車や、先頭車両などの揺れが強い一部の車両に導入されたフルアクティブ制振制御システムにより、横揺れや騒音が低減され、快適性が向上。特にトンネル突入時に、より変化が実感できる。 安全面では「バッテリ自走システム」を高速鉄道として世界初搭載。走行中に自然災害などが発生して停電、トンネル内や橋梁上で架線からの電力供給が途絶えたとしても、自力走行で安全な場所まで移動可能となった。 もちろん「コロナ対策」も万全。N700Sに限らず、新幹線の車両は空調・換気装置により常時空気の入れ替えが行なわれており、計算上6~8分ほどで車内の空気が全て新しい空気と入れ替わっている。「現在、新型コロナウイルスの影響で一時的に輸送量が落ち込んでおりますが、この状況が収束すれば、多くのお客さまにご利用していただけるものと期待しております」(JR東海・新幹線鉄道事業本部副本部長の上野雅之氏)写真提供/東海旅客鉄道株式会社※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.07.04 16:00
週刊ポスト
「江ノ電」の愛称でおなじみ
鉄道ファン500人が選ぶ「海沿いの絶景鉄道」全国11選
 眩く光る大海原を眺めながら、爽やかな潮風に吹かれて海岸線をひた走る──。四方を海に囲まれた日本だからこそ味わえる鉄道旅には、大パノラマの絶景を堪能できる醍醐味がある。鉄道ファン500人を対象に、「この夏に訪れてみたい海沿いの絶景鉄道」のアンケートを行なった。多くの鉄道ファンが挙げた全国の路線から、11か所の絶景ポイントを厳選。鉄道写真家が撮影した息をのむ光景が広がる。 夏の臨時列車はいまだ見合わせや大幅縮小の傾向にあるが、7月1日にJR東海が新幹線の新車両「N700S量産車」を投入し、熊本地震で不通となっていた豊肥本線が8月に運行を再開するなど、鉄道ファンにとって明るいニュースも届き始めている。この夏はぜひ、「絶景鉄道」の車窓から広がる、圧巻の光景を目と心に刻んでいただきたい。※『週刊ポスト』は今回、全国の成人男女500人にインターネットでアンケートを実施。「この夏訪れてみたい」「これまで訪れて印象に残った」海沿いの絶景鉄道5か所と、それぞれの理由を回答してもらった【JR五能線(秋田)】「奇岩に打ち寄せる白波と日本海が広がる圧巻の光景」 表情豊かな日本海の海岸線を眼下に、秋田県北部と青森県津軽地方とを結ぶ。快速「リゾートしらかみ」があきた白神駅から岩館駅へと向かう途中の第2小入川橋梁を疾走する。「夕日がとてもきれいだった」──53歳・男性「ほぼ全区間で海を望め、ほかとは別格の絶景」──48歳・女性撮影■中井精也【江ノ島電鉄(神奈川)】「湘南の海と富士山が雄大にコラボする」「関東の駅百選」に選ばれた鎌倉高校前駅から七里ヶ浜駅までの間の海岸で見ることのできる絶景ポイント。江の島方向には運がよければ優麗な富士山が姿を見せる。「壮大な太平洋が楽しめる」──47歳・男性「ゆっくり走るから景色を楽しみやすい」──44歳・女性撮影■中井精也【JR指宿枕崎線(鹿児島)】「薩摩半島屈指の風光明媚な眺めを堪能する」 薩摩半島の南東部を走る路線の中でも、並走する国道226号より高い位置を走る瀬々串駅から平川駅にかけては、雄大な鹿児島湾を望む絶景ポイント。「開聞岳が見えるところは特に素晴らしい」──51歳・男性「錦江湾がとても綺麗でした」──42歳・女性撮影■中井精也【三陸鉄道リアス線(岩手)】「三陸の雄大なパノラマを橋梁から見下ろす」 堀内駅から東に約1キロ、太平洋の大パノラマが広がる三陸鉄道屈指の絶景スポット「大沢橋梁」。列車は高さ30メートルの橋の途中で徐行運転や一時停止する。「リアス式海岸の海と陸地のコントラストが見ていて飽きません」──46歳・男性「朝ドラ『あまちゃん』のロケ地だから、ぜひ見てみたいです」──35歳・女性撮影■源明輝【JR山陰本線(山口)】「日本海に沈む夕陽を眺めた後は、絶品の活きイカを味わいたい」 宇田郷駅から約2キロ北に架かる惣郷川橋梁が醸す景色は、特に夕景の美しさで知られている。最寄りの須佐駅では、地元で水揚げされた活きイカを堪能できる店がおススメ。「どこか物悲しい日本海の風景が広がります」──58歳・男性「ゆっくりと時間が過ぎるようで落ち着いた気持ちになりました」──59歳・女性撮影■杉山慧【JR氷見線(富山)】「雄大な日本海と雪山の秀峰の大パノラマが広がる」 列車すべてが国鉄型気動車で運行される氷見線は、越中国分駅を過ぎると雨晴海岸沿いを走る。富山湾越しに雄大な立山連峰を望む光景は全国的にも珍しい。「間近に海が迫ってくるようでした」──57歳・男性「『雨晴(あまはらし)』という駅名に惹かれるので行ってみたい」──20歳・女性撮影■源明輝【JR日豊本線(鹿児島)】「桜島を眺めながら海沿いを走る極上の時間」 海沿いを走る鹿児島駅~竜ケ水駅間では、車窓から静かな鹿児島湾越しに桜島を堪能できる。おススメは味噌漬けして焼いた黒豚が絶品の「黒豚弁当」。「桜島の見える景色がとても印象的でした」──53歳・男性「壮大な風景が広がっています」──51歳・女性撮影■杉山慧【伊豆急行線(静岡)】「海抜100メートルから望む太平洋の大海原」 静岡・伊東~下田を結ぶ路線の中で、川奈ホテルゴルフコースを見下ろす川奈駅~富戸駅間では、海抜100メートルの眼下に相模湾から雄大な太平洋が広がる。「ゆっくりと走りながら見た断崖の絶景は、息をのむほど綺麗でした」──50歳・男性「海の上を走っているような気持ちになりました」──23歳・女性撮影■中井精也【京都丹後鉄道宮舞線(京都)】「海面すれすれを走る日本屈指の絶景スポット」 海面すれすれに走る丹後神崎駅~丹後由良駅間に架かる由良川橋梁は、京都丹後鉄道を代表する絶景ポイント。さらに遠くには日本海の雄大な光景が広がる。「日本海が一望できます」──43歳・男性「初めて乗った観光列車で美味しい食事と素晴らしい景色が楽しめました」──40歳・女性撮影■中井精也【JR函館本線(北海道)】「日本海と太平洋を両方見られる贅沢な路線」 石狩湾から日本海が広がる朝里駅~銭函駅間の海沿いの絶景。駅弁「いかめし」で有名な森駅から長万部駅までの間は太平洋の大海原を堪能できる。「北海道の澄んだ空気に映る海がきれいでした」──22歳・男性「冬には北海道の荒々しい姿を見ることができます」──34歳・女性撮影■中井精也【JR予讃線(愛媛)】「オレンジ色に霞む瀬戸内海の夕景」 松山駅から普通列車で1時間余。約2時間に1本の運行で切通しに作られた無人駅・串駅を過ぎた橋上に辿り着くと、日暮れとともに穏やかな瀬戸内海がオレンジ色に霞んでいく。「間近に見る静かな瀬戸内海に心洗われました」──49歳・男性「障害物なく水平線が広がる光景に感動しました」──35歳・女性撮影■杉山慧構成■小野雅彦※週刊ポスト2020年6月26日号
2020.06.18 07:00
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TBS安住紳一郎アナ、恩師や先輩アナが明かす“天才的なしゃべり”“のスキル
週刊ポスト
判決が出る前に謝罪動画をYouTubeに公開していた田中聖(公式YouTubeより)
出身地を隠さないアイドルだった田中聖 罪を償い寛解したなら帰る場所はある
NEWSポストセブン
眞子さまの箱根旅行のお姿。耳には目立つイヤリングも(2018年)
小室圭さんの妻・眞子さん 華やかだった4年前の「箱根・女子旅ファッション」
NEWSポストセブン
メディアの前に久しぶりに姿を現したブラザートム(撮影/黒石あみ)
ブラザートムが不倫騒動・事務所独立からの今を語る「娘にはよくハガキを書いてあげるんです」
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん
小室圭さん妻・眞子さんがNYで行きつけのスーパーから見えてきた“妻の気遣い”「日本でいえば『成城石井』」 
NEWSポストセブン
結婚し、日本メディアが情報をキャッチしづらいNYで、デイリーメールが追跡取材(写真/JMPA)
小室圭さん・眞子さん夫婦が「離婚で終わったとしても…」英デイリー・メールが報じた「茨の道」
NEWSポストセブン
高橋真麻
高橋真麻「おでんの卵8個食べても太らない」女性が憧れる美スタイルの理由
NEWSポストセブン