国内

《滋賀・車中での不適切行為裁判に判決》男性市議に提訴された女性市議が敗訴 決め手となった「写真」の存在【双方直撃】

渦中の万木議員と中川議員

渦中の万木議員と中川議員

「同僚議員から性的暴力を受けた」「レイプドラッグを使われたのではないか」──。現職市議の男女が、車内での性的行為を巡って争っていた泥沼裁判に判決が下った。

 事の発端は2021年7月21日の深夜。滋賀県高島市の中川あゆこ市議(43)は大津市内で、同じく高島市の万木豊市議(59)と別の市議含めた4人で会食。その後、万木市議は車で別の参加者2人を送り、コンビニ駐車場で停車。同乗していた中川市議は、この時、車内で性的行為の被害を受けたと警察に被害届を提出していた。これを受けて、万木市議は2022年3月に準強制性交の疑いで書類送検された。

 万木市議は「性的な行為はあったが、中川市議の意思に反してではない」「潔白はできると思っている」と、容疑を全否定。だが、万木市議を巡っては政治活動費を不正受給した問題などで、昨年11月までに10度の辞職勧告決議案が可決されている。地元紙記者が裁判に至った経緯を語る。

「万木市議は書類送検されましたが、2022年6月に大津地検は『起訴するに足りる十分な証拠が得られなかった』として、不起訴処分(嫌疑不十分)としました。

 この処分を不服として中川市議は同年12月に大津検察審査会に審査の申立てをしましたが、昨年6月に『不起訴相当の裁定を覆す証拠がない』として、不起訴相当と議決されています。中川市議は事件の影響で心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されたことを明かしています」

 不起訴処分となったことを受けて、事態は収束するかと思われた。だが、2022年10月、「社会的評価を低下させた」として、今度は万木市議(原告)が中川市議(被告)を提訴。万木市議が裁判で問題視したのは、不起訴処分決定直後の中川市議のインタビューをもとに構成された産経新聞(2022年7月13日付)の記事だった。

「意識がプツリと途切れて……」

ショートカットを披露した中川議員

ショートカットを披露した中川議員

「『万木市議から買ってきた缶ビールを強引に渡され、数口飲むと意識がプツリと途切れた』『レイプドラッグを使われたのではないか』『合意なんてありえない』『犯行時の記憶は断片的だが“やめて”と拒否したこと、性行為の場面などは記憶にある』こうした記事中の中川市議の発言が、犯罪行動を行う人物であるという印象を与えるという主張で、万木市議は中川市議に対し、損害賠償金として165万円を請求していました」(同前)

 裁判資料によると、中川市議は産経新聞で性被害を打ち明けた真意を「準強制性交被害者の説明において、加害者の社会的評価が低下するのは当然である」と訴え、「レイプドラッグを使われたのではないか」という発言の趣旨は、「使われたことを断言したものではなく、その可能性を説明しただけである」と、主張していた。

 被告の中川市議は、「レイプドラッグ」を使った事件と酷似しているとして、主な要因と下記のように挙げた。

《目を覚ました時には、別の場所に移動していた》

《翌朝自分の鞄の中を確認すると、身に着けていた下の下着とパンストが入っていた》

《警察の毛髪鑑定で(略)睡眠に関する成分は検出されなかったが、塗り薬のようなものを使用したかどうか聞かれたため、まったく何も検出されなかったわけではない》

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
イメージカット
「有名人なりすまし広告」の類に“騙されやすい度”をチェックしてみよう
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン