稲田朋美一覧

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「週刊ポスト」本日発売! プーチンと金正恩「合体」でICBM危機ほか
「週刊ポスト」本日発売! プーチンと金正恩「合体」でICBM危機ほか
 4月8日発売の「週刊ポスト」は、コロナと戦争に翻弄されるなかで迎えた新年度に大きく変わった経済、社会の仕組みを徹底検証するスペシャル特大号。北朝鮮と同レベルの「ならずもの国家」に墜ちたロシアのプーチン大統領が進める恐ろしい対日戦略や、大改革を遂げた東京証券取引所の株価展望、さらに給付カットが続く年金制度への対応策を詳報する。プロ野球では、勝てないビッグボス・新庄監督と阪神・矢野監督の課題と違いを特集。芸能界の最新情報も満載です。今週の見どころ読みどころ◆プーチンと金正恩が「合体」して北方領土にICBM配備の恐怖世界から非難を受けるプーチン大統領に積極的に寄り添う姿勢を示しているのが金正恩・北朝鮮総書記だ。ウクライナ戦争が始まると、北朝鮮は弾道ミサイル実験を繰り返し、ロシアは津軽海峡を艦隊で通過するなど、日本近海で歩調を合わせた示威行動を繰り返している。専門家は、ロシアが日本への軍事圧力を強めるため、北方領土の「防衛」を北朝鮮に委ねる危険があると指摘する。もともとロシアの技術支援を受けているとされる北のミサイルが日本の鼻先に突き付けられる事態も絵空事ではなくなってきた――。◆戦後最大の東証再編で浮上する「極上株50銘柄」4月、東証では60年ぶりの大規模な市場再編が行われた。これまで1部、2部、マザーズ、ジャスダックの4市場に分かれていた銘柄を、トップカテゴリーの「プライム」はじめ、「スタンダード」「グロース」の3市場に再編した。特に海外投資家からは市場の分類がわかりにくいと不評だったことから、これによって海外からの資金流入も期待されている。どのような企業が伸びるのか、専門家が厳選した50銘柄を一挙公開する。◆非情! 安倍元首相が稲田朋美に続いて高市早苗も「もう要らない」昨年の自民党総裁選では安倍元首相の支援で善戦した高市早苗・政調会長だが、ここにきて安倍氏との関係が微妙になっている。党の長老たちが目論む国民民主や公明との連携に反するような主張を繰り返し、一方の安倍氏は自身が会長となった派閥に入会させるそぶりも見せない。安倍氏はこれまで、小池百合子・現東京都知事や稲田朋美・元防衛相など、そのつど国民人気の高い「マドンナ」を重用しては、すぐにお払い箱にしてきた。高市氏も同じ運命を辿ろうとしているのか。◆小社社員は見た! 藤井聡太は若き天才棋士に完敗して大泣きしていた昨年、藤井聡太・竜王は最高勝率のタイトルを初めて逃した。奪取したのは同い年の伊藤匠・五段だ。実は二人はプロ入り前からしのぎを削ったライバル同士で、ある大会で、運営に関わった小社社員は、伊藤に敗れて大泣きする藤井の姿を目撃していた。◆「ドライブ・マイ・カー」三浦透子の芸能界「運転テク」アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」で注目される三浦透子は、早くも大河ドラマ出演を果たすなど飛ぶ鳥を落とす勢いだ。25歳の若さながら芸歴は20年におよび、近年は激しい濡れ場を演じるなど、本格派女優として着実に地歩を固めている。関係者は口をそろえて、その実力を絶賛した。◆制度改正を知らないと大損も! 企業年金「上限カット」の激震年金制度はこれから相次いで大きな改正が行われる。そのひとつが企業が導入している確定拠出年金、確定給付年金の「上限カット」だ。細かい制度の説明は本誌に譲るが、両方の制度がある企業の場合、拠出金の合計額に上限が設けられ、場合によっては年金額がカットされることになる。そのかわりに対象が広げられるiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用するなど、個人で防衛策を講じる必要がある。◆ビッグボス・新庄監督は「やっぱり100敗する」不穏な根拠もともと「優勝は目指さない」と宣言していたビッグボスだが、それにしてもシーズン緒戦はひどい戦いで敗戦を重ねた。本人が反応したことで、ネットでは「100敗論争」も盛り上がるが、常識的にあり得ない「100敗」がまじめに論争になるほどに、今の日本ハムには心配の種が山積していた。◆阪神・矢野監督は「いち早い勇退発表」で「いち早く撃沈」した開幕連敗のセ・リーグ記録を更新して、早くも「V率0%」と報じられている矢野タイガース。そもそもミソのつきはじめは、キャンプ直前の監督退任発表にあった。辞めることが決まっている指揮官に全身全霊で仕える部下が多くないのも当然だ。矢野監督が“暴発”した背景には、後ろ盾だった闘将・星野仙一氏の不在もあったという。◆悠仁さま入学で「自由な筑附」が不自由になった悠仁親王が筑波大学附属高校で高校生活をスタートさせた。自主・自律・自由を教育モットーにする同校だが、今年度は厳戒態勢で始まった。保護者を含めて校内への出入りは厳しく制限されることになり、本誌取材には悠仁親王が在校しているかも含めてノーコメントに終始した。◆昭和の最強軍団「川上・巨人」のここがスゴかった日本球史に燦然と輝くV9を成し遂げた川上・巨人は、スター集団だから強かったというだけではない。食事、トレーニング、選手起用の改革から、ONさえ特別扱いされなかった「恐怖の罰金制度」など、昭和ならではの、しかし現代にも通じるチーム運営の妙があった。故人を含めた常勝メンバーの数々の証言から、その強さの秘密を明らかにする。◆驚きの新説 東大卒医師が提唱する「減塩しないで油を摂れ」東大医学部卒で、卒業後にはフリーター、医療情報サイト編集長など異色のキャリアを積んだ医師・大脇幸志郎氏は、社会や医学界に残る「エビデンスなき常識」に異論を唱え続けてきた。本誌取材に、「減塩によって血圧を下げる」「油を控えて血中コレステロール値を下げる」といった定説が医学的根拠に乏しいと主張した。◆ANA新社長、アパ名物社長ほか「コロナ大打撃からの反転攻勢」宣言外食、宿泊、交通などコロナで大打撃を受けた業界で、V字回復を遂げ始めた企業も少なくない。アパホテルではGWの予約がぎっしりで、新規ホテルの開業ラッシュを控えているという。ANAはトップ交代で新体制になり、「3ブランドで乗客総取り」戦略を描く。社長はじめ経営陣のインタビューを交えて「日本復活」の現場をリポートする。◆船越英一郎vsリーゼント刑事「ドラマとリアルの事件現場」異色対談サスペンスドラマで数々の刑事役を務めてきた船越英一郎と、「リーゼント刑事」の異名を取る元徳島県警警部・秋山博康氏が対談し、ドラマとリアルの“刑事はツライよ”を語り合った。体を張る苦労から時代の変化に翻弄される世代間ギャップまで、想像以上に共通する話題で盛り上がった。◆ハーバード大学が発表した「昼寝をすると認知症になる」は本当か?ハーバード大学が14年間にわたって追跡調査した「認知症と昼寝」の研究が波紋を広げている。昼寝の「時間」が長く「頻度」が高い高齢者ほど認知症の発症が多かったという。そのメカニズムは定かではないが、専門医は「夜の良質な睡眠との関係」を指摘した。◆黒川博行vsグレート義太夫vs大竹聡「俺たち痛風ブラザーズ」日本人の10人に1人が罹患もしくは予備軍とされる「痛風」を抱える著名人3人が、風が吹いただけで痛いという苦しみが、なぜかあまり深刻に受け止めてもらえない不満をぶちまけた。作家、芸人、ライターと職業は違えど、同じ病を抱える者同士の固い絆が生まれたのはなによりだが、医師や周囲もなんとなく冷たいという患者目線の訴えにもうなずかされる貴重な座談会となった。◆「5歳児にワクチン打つ?」医師たちの見解5~11歳のワクチン接種はほとんど進んでいない。政府が積極的に推奨しなかったこともあり、判断を委ねられた保護者たちは、判断材料も乏しく悩んでいる。医師の見解も多種多様で、現状では打つべきとも打つべきではないとも断言は難しいが、どういう子供は打ったほうがいいかなど、参考になる意見を集めた。※全国の書店、コンビニで絶賛発売中!
2022.04.08 07:00
NEWSポストセブン
「自民党女性議員が妙にマッチョ」とはどういう意味か
“政権No.2”野田聖子氏が明かす 自民党の女性議員が妙にマッチョになる理由
 日本初の女性総理候補と目される政治家たちの本音を聞く連続インタビュー。第3弾に登場するのは、過去に何度も断念した自民党総裁選に昨年やっと出馬を果たした野田聖子・男女共同参画担当相(61)だ。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。第1弾(高市早苗氏)、第2弾(稲田朋美氏)に続き、ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。話題は、「自民党の若手に『ミスター生理』がいる」という件に……。【全5回の第2回。第1回から読む】──宮路拓馬さん(内閣府政務官)は私と同じ42歳、衆院3回生。どうして男性議員が「ミスター生理」と呼ばれているんですか?「これからのイケてる男性は女性の立場に立って生理の大変さを語れる、みたいにわが党も変わってきたの。宮路拓馬君の他にも、鈴木隼人君(当選3回)、川崎秀人君(同1回)、鈴木英敬君(同1回、前三重県知事)といった、女性議員よりもジェンダー平等を語る若手が増えてきている。妻を大切にするためには、子育てを手伝うだけでなく、男性たちが生理(女性の体)を理解しなきゃと、科学的に勉強しているんです」──ジェンダー政策新人類!「女性の仕事の出力は男性と変わらないはずだけど、どうしても生理中は3分の1になってしまうんです。そういうことを真面目に議論して、生理がリスクにならないよう、社会にビルトインさせた仕組みをつくらなきゃいけないって。女性特有の悩みを先端技術で解決する『フェムテック振興議員連盟』を党内でつくって。私が会長に就任したけど、女性議員よりも男性議員のほうが多くて、もう、私はいつでも安心して死ねる!」──だけど、どうして女性議員の参加が少ないのでしょう。「自民党にありがちなんだけど、若くて美しい女性議員ほど女性政策をやるのを嫌がるのね。マッチョなことをやらないと一人前に見られないっていう錯覚を起こして、『国道の予算をつけました!』というようなことばかりになっちゃうの。一番やるべきことは少子化対策だとわかっているのに、遠慮しちゃうよね」田中眞紀子氏「あんたもバカね」──若い女性ほどマッチョな言動に走る自民党。ネット上で炎上した人もいますね。どうしてなんですか?「地方の支持者の中には中小企業の男性経営者が多くて、みんな2代目、3代目じゃないですか。家父長制的な傾向が強いから、女性は家庭にいるべきだっていう考えです。少子化も女性が働きに出たことが原因だと言う。そういう人たちにとって、女性が総理になることって日本最大のタブーだと思うの」──この連載「女性総理、誕生!」は、日本のタブーを侵している(笑)。「自民党はそういう人たちに支持されているので、彼らに嫌われると損だというリスクヘッジが働きます。やっぱり浮動票は目に見えないから、身近にある固定票に飛びつく。じゃあ、どうして自分は女性なのに議員として家の外で働いているのか。『趣味でやっています』って開き直って、自分の生き様と違うと知りながらも、『夫婦別姓反対!』と叫んじゃうの」──男社会の論理に過剰適応してしまう女性議員が少なくない。「残念だけど、国民よりも、特定の支持団体のほうを向いてしまうんですよ。党内の会議でも彼女たちは選択的夫婦別姓の反対を表明する時、『ペーパー』を読みあげているから、誰かの意見を代読させられている感じ。あれはあれで事情があるんだと思います。 選挙になると、極めて保守的な団体から全国会議員に、賛成したら落選運動をしますという話が堂々と来るんです。ギリギリで当選できている人たちからすると、やっぱり踏み絵を踏んじゃいますよね」──この連載の第2弾(週刊ポスト4月1日号)では、稲田朋美さんも自民党内で女性やLGBTの待遇改善に力を入れたら、極めて保守的な勢力から攻撃されたという悩みを明かしました。野田さんは、稲田さんの現在をどう見ていますか。「稲田さんは、支持母体の保守系団体から相当嫌がらせを受けていましたね。支援者から『あなた、嫌い!』って急に言われるのはつらいと思いますよ。彼女は安倍(晋三)さんの掲げるイズムの具現者だったけど、安倍さんは夫婦別姓反対で専業主婦礼賛の人だから、彼の路線をまっすぐ踏襲しなかったことで、安倍さん支持者に嫌われちゃったっていう感じかな」──稲田さんは総理レースから完全に消えた?「安倍さんのナンバーワンではなくなっちゃったのかもしれません。もう少し頑張れば、もっと骨太な政治ができるんだけど、結局は振りきれない感じを与えてしまったのかもしれませんね」──野田さんは他の女性議員のようになぜなびかなかったのでしょう。「私も選挙は強いほうじゃなかったし、おじさんのまねをして背伸びしていたけど、自分の信念には正直でいたいという強がりがあった。まあ、上の意向に造反しては地元の人たちに怒られて、面倒だから上に嫌われることをするなって言われ続けた30年でした」──2005年に郵政民営化に反対して一時期、無所属になりましたが、一年生の頃にも造反した。野党だった自民党が社会党の村山富市氏を首班指名して連立政権を打ち立てた際、野田さんは自民党を離党した海部俊樹・元首相に入れました。「おかしいと思いました。日の丸、君が代、天皇、自衛隊、みんなダメって言っていた社会党は昨日まで敵だったはずなのに、自民党の政権復帰のために組むと言い出した。何の説明責任も果たさずに」──造反すると制裁があるんでしょうか。「当時の自民党には女性代議士が田中眞紀子さんと私の一年生議員2人しかいなくて、村山富市と書いた眞紀子さんは科学技術庁長官で初入閣。で、私は謹慎になりました」──あからさま。「ある日、国会の赤絨毯の上ですれ違いざまに『あんたもバカね』って眞紀子さんに言われたんです。村山と書いていれば大臣になれたのにって」──ぞっとしますね。「でもね、私が30年も長持ちした理由は『自分』を曲げなかったからなの。それは後から効いてくるのね、不思議なことに。何より、人から信用されます。この仕事って、信頼、信用。どこかの銀行みたいだけど、犠牲を払った分だけ報われる」(第3回につづく)【プロフィール】野田聖子(のだ・せいこ)/1960年、福岡県生まれ。上智大学外国語学部比較文化学科卒業後、帝国ホテルに入社。1987年、岐阜県議会議員(当時最年少)に。1993年、衆議院議員に初当選。その後、郵政大臣、総務大臣、女性活躍担当大臣、マイナンバー制度担当大臣、幹事長代行などを歴任。現在は、男女共同参画担当大臣。衆院岐阜1区選出、当選10回。【インタビュアー・構成】常井健一(とこい・けんいち)/1979年茨城県生まれ。朝日新聞出版などを経て、フリーに。数々の独占告白を手掛け、粘り強い政界取材に定評がある。『地方選』(角川書店)、『無敗の男』(文藝春秋)など著書多数。政治家の妻や女性議員たちの“生きづらさ”に迫った最新刊『おもちゃ 河井案里との対話』(同前)が好評発売中。※週刊ポスト2022年4月8・15日号
2022.03.29 07:00
週刊ポスト
これまで6戦全勝を誇る稲田朋美氏
安倍離れ?二階派入り?新党? 「第三の女性総理候補」稲田朋美氏が描く逆転シナリオ
 日本初の女性総理候補と目される政治家たちの本音を聞く連続インタビュー。第2弾は、かつて「安倍晋三・元首相の秘蔵っ子」「タカ派のアイドル」と呼ばれた稲田朋美・元防衛相(63)である。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。3月18・25日号の第1弾(高市早苗氏)に続き、ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。【全4回の第4回。第1回から読む】 2021年の総裁選で稲田氏が属する細田派(現・安倍派)は自主投票を決めたが、多くは安倍氏が支援を決めた高市陣営に流れた。一方、二階派は河野太郎氏と高市氏を両天秤に掛けつつ、野田陣営に8人も推薦人を出し、野田氏にとって悲願の総裁選出馬を下支えした。稲田氏が慕った2人の大物は彼女ではない、無派閥の女性を「総理候補」とした。 今後、稲田氏がトップを狙う場合、所属する安倍派を代表して出馬する以外には、二階氏のような融通無碍な大物を味方につける必要がある。近年、稲田氏の周辺では「安倍派離脱」や「二階派移籍」の噂が絶えない。 いずれにせよ、現状では無派閥の高市、野田両氏と推薦人集めで競うことになるだろう。つまり、近い将来、自民党から女性総理が生まれるとすれば、女性同士の熾烈な前哨戦が繰り広げられることを意味する。岸田政権の次に向けた神経戦はすでにはじまっている。──次の総裁選出馬は考えていますか?「私が出たいと言っても出られるようなもんでもないので、それに向けて努力をします。でもね、私は1回生の時から自民党総裁を目指すと公言していたんだよね。普通、1年生議員が総理目指すって言うか!って(笑)」──稲田さんが女性初の総理になるにはどんな準備が必要だと思いますか。「人気取りよりも、目指すべき日本の姿と主要政策をもっと明確にしなければなりませんね。先日亡くなった石原慎太郎さんがあれだけの国民的人気があっても、なれなかったくらいですからね」──よく言う「ガラスの天井」を感じますか?「どうかな。天井にぶち当たるまで上昇してないから。ただ、就職活動の時は感じましたね。男女雇用機会均等法が成立する前だから、地方出身で東京に下宿している4年制大学の女子学生にとっては就職先がない時代でした。だから私は資格を選んだのですが、弁護士になっても法律事務所の募集要項には堂々と『30歳以下男性』って書いてありましたからね」──雇均法が施行されたのは1986年。それ以前の日常風景ですか。「私はボス弁の先生から『5年間結婚しないなら雇ってやる』って言われて、私は『結婚しません!』って言い切って雇ってもらいました」──現代では許されない感覚がまかり通っていた。当時に比べると、今の自民党はマシですか?「推薦人20人のハードルって高いなーと思うんですけどね。派閥で決まるという面よりも、やっぱり政治家なので論戦でもって誰がいいかを選ぶ総裁選であってほしい。派閥の中には、まだまだ年功序列もあり、『経験も足りないくせに……』とかなりますからね。私のように人にどう思われようと正しいことは言ってすぐ行動するというタイプは、今の派閥政治の下では難しいですよね」──いっそのこと、小池百合子さんのように自民党を飛び出したらどうですか。保守系野党のリーダーとして総理を狙うという選択肢もあります。「私、自民党が好きやからね」──どんだけ! 自民党の何がいいんですか?「立党の旗がしっかりしていますからね。安倍さんがおっしゃる『戦後レジームからの脱却』、憲法改正によって本当の意味で日本が独立を果たすという目標ですよね」 稲田氏にはもうひとつの挫折体験がある。一部マスコミの批判的な報道に対し、名誉毀損訴訟を起こして応戦した時期があった。一件は敗訴、もう一件は取り下げて終結した。当時を振り返り、過剰防衛だったと自省する。「今考えると、マスコミと溝をつくらずに、もう少しうまく対応できたのでないかと」 保守主義とは「人間は不完全である」という前提に立つ謙虚な思想である。間違える存在であるがゆえに、先人の知恵や伝統にならい、自らを律し、過ちを改めながら前進していく。本来、排外主義や権威主義、あるいは「ヘイトスピーチ」とは一線を画す鷹揚な概念なのである。 稲田氏は雌伏の間、保守思想を一から学び直した。そして今、多様性を認め合える寛容な社会をつくることが「日本の良きもの」を保守することにもつながると主張する。──リーダーは常に毀誉褒貶に晒される。自分を見失わないために続けていることって、何かありますか?「1日おきで、ランニングをしていますね。今朝も10キロ走りました。秘書も伴走してくれたんですけど、途中でいなくなっちゃったな(笑)」──10キロは伴走する方も大変ですね。道端で「あ、稲田朋美だ!」と気付かれることはないんですか。「ないない。化粧してないし、帽子かぶってサングラスして、ランニングの格好をしているでしょ。地元の福井では気付いてほしいじゃないですか。でも気付かれない」──安倍さんのストレス解消法はゴルフ、菅さんは朝の散歩、岸田さんは風呂場での独り言……。稲田さんはランニング。「私だって、凹むんですよね。朝走ると絶対頑張ろうって感じに切り替わります。とにかく朝日を浴びたら、なんかすべて望みが叶うようなポジティブな気分になる(笑)。やったほうがいいですよ、みなさんも!」(了。第1回から読む)【プロフィール】稲田朋美(いなだ・ともみ)/1959年、福井県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1982年、司法試験合格、1985年、弁護士登録。李秀英名誉毀損訴訟、「百人斬り」報道名誉毀損訴訟などに携わる。2005年に初当選後、内閣府特命担当大臣(規制改革)、国家公務員制度担当大臣、防衛大臣、自民党政調会長、同幹事長代行などを歴任。衆院福井1区選出、当選6回。【インタビュアー・構成】常井健一(とこい・けんいち)/1979年茨城県生まれ。朝日新聞出版などを経て、フリーに。数々の独占告白を手掛け、粘り強い政界取材に定評がある。『地方選』(角川書店)、『無敗の男』(文藝春秋)など著書多数。政治家の妻や女性議員たちの“生きづらさ”に迫った最新刊『おもちゃ 河井案里との対話』(同前)が好評発売中。※週刊ポスト2022年4月1日号
2022.03.18 17:04
週刊ポスト
稲田氏は福井県越前市生まれだが、4歳で京都に引っ越している。地元との地縁は薄く、世襲でも元官僚でもない
稲田朋美・元防衛相が明かす涙の真相 辻元清美氏に「あんたの言ったこと、正しいわ」
 日本初の女性総理候補と目される政治家たちの本音を聞く連続インタビュー。第2弾は、かつて「安倍晋三・元首相の秘蔵っ子」「タカ派のアイドル」と呼ばれた稲田朋美・元防衛相(63)である。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。3月18・25日号の第1弾(高市早苗氏)に続き、ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。【全4回の第3回。第1回から読む】──稲田さんが“少数者”に目が行くようになったのは、2017年に防衛相を事実上更迭されたことも関係している?「そうですね。キャリア的にも王道の真ん中を歩いて順調だったのに、いきなり挫折したんです。それで、世の中からはみ出た人の疎外感とか、生きづらさを感じている人の気持ちが他人事から自分事になったんですよ。それが大きかったです。すごく辛かったですけど、強くもなったし、自分を反省する機会にもなったし、共感できる幅が広がったかな。だから、あの辞任は私にとって悪いことではなかったと前向きにとらえています」──今の稲田さんは憑き物が取れたようで、すっきりしていますね。「そう見えますか?」──南スーダンPKO日報問題(2017年)で追及されていた頃は、防衛省の対応のまずさが目に余りました。しかし、第1弾(3月18・25日号)で高市さんが指摘しましたが、渦中の当事者としては「女性だから狙い撃ちにされた」という意識もありましたか?「同じ閣僚でも男と女では扱いが違いますよね。だってマスコミ的には面白いと思うんです。発言はまだしも、服装や外見にしても、批判の的にされます。ある時、すごくラフな格好していたことを指摘されたけど、『スーツを着ていったらよかったんだ』、『あそこで着替えればよかったんだ』と、今になって考えたらそう思います。でも、当時はそんな余裕はなかった。海外出張に行く飛行機にサングラスをかけて乗り込んだことも批判されましたが、深夜便だから化粧をしていなかったんですよ。そういう女性ならではの事情まで汲み取ってもらえません。私が男性だったら、あそこまで注目されますか?」──確かに。過去の週刊誌報道を見ると、ティファニー(サングラス)、フランクミュラー(時計)、ヴァレンティノ(バッグ)、ノーネーム(靴)など持ち物のブランドまで書かれています。私も女性の派手な装いには目が行くほうです。「思い出すのは、初めて選挙に出た時。派閥の先輩の世耕弘成先生から注意されたんですよ。有権者の前では反感買うからそれも、それも、それも外してくださいねって。私は46歳という遅めの出馬だったので、政治家になる前までは普通に弁護士をしていて、ふたりの子どもを育てる関西のおっかさんだったから、人によく思われたいとか考えなかったし、自分が好きなものを身につけていただけなんです。だけど、それではよくないんでしょうね」 古今東西、政界の女性たちの立ち振る舞いには常に厳しい視線が注がれ、ルッキズムの餌食となりやすい。 英保守党の大物政治家で、人気小説家でもあるジェフリー・アーチャーの名著『めざせダウニング街10番地』には、次のようなくだりがある。 首相を目指す主人公の男性が婚約者と一緒に戸別訪問をすることになり、婚約者は場所柄をわきまえた地味なスーツを着て現われた。それを見た主人公は、彼女がどうすれば選挙区内の中年婦人のお眼鏡にかなうのかを理解しているとわかり、ホッとする――。 日本の現状は、この小説で描かれた60年代の英国とさほど変わらない。女性が議員バッジをつける側になろうと、ひたすら空気を読み、目線を低くし、カドが立たないように気遣いながら、周りに溶け込まねばならない。逸脱した途端、ゴシップの標的になる。──防衛相時代の衆院予算委員会(2016年9月30日)で、涙を流しました。あの時も「涙は女の武器か?」と揶揄され、炎上しました。「もともと涙もろいんですけど、感情が溢れてくると男性って大声で怒鳴ったりするけど、女性って涙でしょ。自然に出てくるけど、いろんな涙がありますよね。嬉し涙だったり哀し涙だったり、感動の涙だったり」──あれは、何の涙だったのでしょうか。「あの時、野党から私が海外視察を入れたのが原因で、8月15日の全国戦没者追悼式典を欠席したことを問われたんですよ」──民進党(当時)の辻元清美さんはこう質問しています。「あなたは“自国のために命を捧げた方に感謝の心を表わすことのできない国家であっては、国防は成り立ちません”と言っていたのに、言行不一致ではないか」。稲田さんは保守らしくないと指摘された。「本当にその通りで、英霊に申し訳ないと思いました。その涙だったんですけど、辻元さんに猛烈に批判されて泣いたっていう構図にされてしまった。そうじゃない」──辻元さんを恨んでない?「全然恨んでない。『あんたの言っていること、正しいわ』って言いたい」──最近、男でも人前で涙した、小泉進次郎という人気政治家がいました。「あぁ~(笑)。あれは何の涙だったんでしょうね」──あの小泉さんを自民党の農林部会長に抜擢したのは、稲田政調会長だったんですよね。「うん、直感で思い立って頼んだんだった」──当時、彼は当選3回。土の香りがしない都会の世襲代議士に、どうして農政を任せたのですか。「ひとつは私が政調会長になる前、規制改革担当大臣の時に農協改革を進めて、稲田朋美は全国の農家からのお尋ね者になったんです。その経験から、守旧派を部会長にしたら改革はできないとわかっていたので、手垢のついていない小泉さんを選んだ。それに、当時から彼は我が党の将来を担っていく希望の星みたいなところがあったじゃないですか。そういう人を農林部会長にすると『自民党は日本の農業を大切にしている』というメッセージになると思いました。でも、進次郎さんには最初断われたんですよ。その日の夕方になって『やっぱり引き受けます』って」──あれによって農政のイメージはガラリと変わった。農林部会には、小泉さんのほか、福田達夫さんを部会長代理に起用しました。その福田さんは今や党三役。出世株を発掘する「人事の稲田」と呼ばれませんか?「ハハハ。でも、私、防衛相を辞めたりして失敗しているから」──でも、「女性だから」防衛相時代に改革できたこともあるでしょう。「ええ、被災地の救援活動に泊まり込みで行く女性自衛官に替えの下着が配られていなかった状況を改善したり、海外派遣時も女性は荷物が多いので、現地に送れる数を2つまで認めたり……。女性自衛官の話に耳を傾けて、変えていきました」──防衛相を辞めた後、二階俊博・幹事長の下で、筆頭副幹事長、幹事長代行と2年ほど働きました。当時はそれまでの“アイドル路線”とは打って変わって、雑巾がけに徹していた印象があります。「そうですね。防衛相を辞めた後にすぐ慰労会をしてくださったのが、二階先生だったんです。すごく叩かれていた時期に花束を若手に持たせて、私に贈ってくれたりとか、とても温かい方だと思いました。二階さんの下で仕事をした人は、みんな二階さんを慕っています。私も見習いたい」──二階さんは政界の寝業師とも呼ばれていますが、近くにいると政治の裏技を学べるものですか。「ぜーんぜん。二階先生は権謀術数とかそういうタイプではなくて、むしろもっと純ですね。売られた喧嘩は買う、みたいなね。意外でしたけど、二階先生は女性活躍にものすごく理解があるんです。お母さんが女医さんの走りだった方ですからね。私には、常に『女性の仲間をつくれ』っていうことを言ってくださって、それが『女性議員飛躍の会』(前出)をつくるきっかけになりました」(第4回につづく)【プロフィール】稲田朋美(いなだ・ともみ)/1959年、福井県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1982年、司法試験合格、1985年、弁護士登録。李秀英名誉毀損訴訟、「百人斬り」報道名誉毀損訴訟などに携わる。2005年に初当選後、内閣府特命担当大臣(規制改革)、国家公務員制度担当大臣、防衛大臣、自民党政調会長、同幹事長代行などを歴任。衆院福井1区選出、当選6回。【インタビュアー・構成】常井健一(とこい・けんいち)/1979年茨城県生まれ。朝日新聞出版などを経て、フリーに。数々の独占告白を手掛け、粘り強い政界取材に定評がある。『地方選』(角川書店)、『無敗の男』(文藝春秋)など著書多数。政治家の妻や女性議員たちの“生きづらさ”に迫った最新刊『おもちゃ 河井案里との対話』(同前)が好評発売中。※週刊ポスト2022年4月1日号
2022.03.18 17:03
週刊ポスト
2005年に初当選後、内閣府特命担当大臣(規制改革)、国家公務員制度担当大臣、防衛大臣、自民党政調会長、同幹事長代行などを歴任
自称「わきまえない女」稲田朋美氏 保守派に嫌われたら「2万票も増えました」
 日本初の女性総理候補と目される政治家たちの本音を聞く連続インタビュー。第2弾は、かつて「安倍晋三・元首相の秘蔵っ子」「タカ派のアイドル」と呼ばれた稲田朋美・元防衛相(63)である。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。3月18・25日号の第1弾(高市早苗氏)に続き、ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。【全4回の第2回。第1回から読む】──昨年7月には自身の半生と政策をまとめた著書も出して、菅義偉政権の次を狙う準備をしていたようにも見えました。結局、総裁選出馬を見送ったのはなぜですか。「出るために必要な推薦人20人を集める態勢がつくれませんでした。もう少し足腰を鍛えるべきやなって。政策面もそうだし、仲間づくりが足りてないって反省しました」──もう少し詳しく教えてください。「ええ。ひとつは、『伝統と創造の会』(通称・伝創会。初当選同期の保守系議員らでつくる「稲田グループ」)からメンバーが次々と抜けていく状況がありました。総裁選を考える以前の問題で、私に対する炎上騒ぎがはじまっていました」──「炎上」ですか?「『稲田は変節した』、『左翼に転向した』と批判されるようになって、伝創会のコアメンバーだった先生方が別の議連(『保守団結の会』)をつくり、離れていきました。保守系の月刊誌に私を攻撃する論文が次々と載って、そのコピーが怪文書と一緒に地元でもばらまかれたのです。地方議員や支援者の中にはそれを見て、『稲田はもうダメや』と思って。全国後援会の熱烈なファンでも去っていった人はいますね」──昔、怪文書に悩まされたという話は第1弾(3月18・25日号)で高市さんもしていました。「これが実物です」──これが怪文書……。黄色の紙に、〈いつからこんなにリベラルになったのですか? これでも応援できますか? 元応援団〉とある。保守派の稲田さんがどうして「リベラル」と呼ばれるようになったのですか。「私は政調会長時代(2014~2016年)に、LGBTと呼ばれる性的少数者の人権問題に取り組むようになって以来、(旧姓の使用を法的に認める)『婚前氏続称制度』の導入を提言したり、シングルマザーの貧困対策を議論する場を党内で立ち上げたりしてきました。私が掲げる国家像は『強くて優しい国』で、憲法改正や安全保障、皇位継承の主張は従来と変わりませんが、新たに『優しい』を重視した政策立案に力を入れはじめました」──「優しい」の部分はこれまで自民党が弱かった分野。党の支持層を広げるうえでも現実路線だと思います。「だけど、ハレーションが大きかった。たとえば、寡婦控除(離婚や死別でひとり親になった女性に対する税の優遇策)を未婚のひとり親にも適用しようとしたら、党内の壁が分厚くて。私は一人で子育てしている女性を結婚していたか否かで差別するのは素朴におかしいと思って改革しようと動いたら、男性議員の中には『未婚で子どもを産むのは、ふしだらな女性か、キャリアウーマンで、伝統的家族を壊す』といった偏見を発言する人がいました。 結局、伝統的家族を守るか否かという不毛な議論にいってしまったので、私は憲法14条(法の下の平等)の問題であると訴えました。党の税制調査会には『貧困対策』として税制優遇を認めようとした幹部もいましたが、それも問題の立て方が間違っています。税の公平性が問われていたんです。最終的には党内で署名運動をやって、賛同者はゆうに100人を超え、未婚のひとり親への寡婦控除が認められた。名称も『ひとり親控除』に変えました」「わきまえない女」やから──それからも女性活躍に注力した。それでまた保守派を敵に回した。「話しかけても無視される。目も合わせてくれない人もいましたね、昨日まで仲間だったのに」──男社会の逆鱗に触れてしまった。「いや、女性からも煙たがられましたね」──それは、精神的にも応えたでしょう?「応えたんかな? 私、『わきまえない女』やから、偉い人を怒らすのは天下一品。去る人もいれば、来る人もいる。昨年の選挙では3回も怪文書をまかれて、『稲田朋美を落選させる会』っていう車がぐるぐる回ったりしたけど、すごく票が伸びた。どこのたまり場に行っても、今までにないくらい女性が来てくれました。やっぱり福井のような保守色の強い地域ほど閉塞感を抱えている女性がたくさんいて、そういう人が応援してくれるようになりました。2万票も増えたんですよ」──大都市から離れた地方にあって、コアな保守層を敵に回して戦える自民党議員はいません。しかも稲田さんの場合、それで支持層を拡大できた。「だから、物事は突破してしまわなあかんのです。で、突破する時は最後がいちばんしんどい。最後の最後になると、『おまえ、やりすぎや』とか、『もうそのへんにしとけ』とか怒られる。でも、そこを突破できるかどうかだと思うんですね」──なるほど。「さっき話した寡婦控除の改革は突破できたけど、LGBT理解増進法案のほうは成立させられなかったので、まだ燻っちゃっているんですよね。クオータ制(候補者の一定比率を女性にする規定)も憲法14条を改正して、『実質的平等』っていう条項を入れないと、形式的平等で逆差別になる。フランスが憲法を変えて導入したんですけど、私が『憲法改正』と口にした途端、左派系のメディアからは『稲田の正体が現われた!』と叩かれる。もう、右からも左からも批判されているっていう状態です(苦笑)」 稲田氏といえば、「右翼のアイドル」で、草の根保守運動の絶対的センターだった。教育現場で進むジェンダーフリーの流れが「過激」だとして、激しく反発してきた“闘士”が、いつの間にかウイングを広げていたことを知らなかった読者も少なくなかろう。 総理を狙う保守政治家が、相反する立場の意見を寛容に取り込む姿勢に転じるのは珍しくない。かつての安倍政権も、歴史認識問題では右派の立場を貫き、安全保障では親米を鮮明にしたが、ロシアとの経済連携を深め、金融市場に躊躇なく介入しては、男女格差の解消にも積極的に取り組んだ。安倍氏本人は伝統的家族観を重んじる保守のイデオローグでありながら、国家の舵取りは「社会主義的」であるという二面性を持ち合わせていた。 稲田氏は「全国民の代表」を意識するほど中庸に寄った。それも歴史と伝統にならえばごく自然な変化で、ある種の成熟だと思える。「一言で言えば、私は無知だったのでしょう。DVの問題とか興味がなかったし、クオータ制は逆差別だと信じていましたが、女性蔑視や男女不平等を改善することに右も左もない。やっぱり党の政調会長を務めて、いろんな当事者の話を幅広く聞く機会が増えると、私は共感力が強い人間だから『何とかしなきゃ!』って目覚めたんですよね。LGBTも、性別への違和感を抱く子どもたちが不登校や自傷行為に追い込まれる実態を知って、これまで苦しんでいる当事者の存在に思いが至らなかったことを反省しました。国会議員は全国民の意見は聞けないし、全国民の立場は理解できないけど、『正しいこと』のためであれば、自分が変わる勇気を持つべきだと私は思います」(第3回につづく)【プロフィール】稲田朋美(いなだ・ともみ)/1959年、福井県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1982年、司法試験合格、1985年、弁護士登録。李秀英名誉毀損訴訟、「百人斬り」報道名誉毀損訴訟などに携わる。2005年に初当選後、内閣府特命担当大臣(規制改革)、国家公務員制度担当大臣、防衛大臣、自民党政調会長、同幹事長代行などを歴任。衆院福井1区選出、当選6回。【インタビュアー・構成】常井健一(とこい・けんいち)/1979年茨城県生まれ。朝日新聞出版などを経て、フリーに。数々の独占告白を手掛け、粘り強い政界取材に定評がある。『地方選』(角川書店)、『無敗の男』(文藝春秋)など著書多数。政治家の妻や女性議員たちの“生きづらさ”に迫った最新刊『おもちゃ 河井案里との対話』(同前)が好評発売中。※週刊ポスト2022年4月1日号
2022.03.18 17:02
週刊ポスト
稲田朋美氏にノンフィクションライターの常井健一氏がインタビュー
稲田朋美独白60分 「ポスト岸田」高市早苗・野田聖子両氏との大きな違い
 日本初の女性総理候補と目される政治家たちの本音を聞く連続インタビュー。第2弾は、かつて「安倍晋三・元首相の秘蔵っ子」「タカ派のアイドル」と呼ばれた稲田朋美・元防衛相(63)である。「週刊ポスト」の新シリーズ《女性総理、誕生!》から飛び出したスピンアウト企画。3月18・25日号の第1弾(高市早苗氏)に続き、ノンフィクションライターの常井健一氏が斬り込んだ。【全4回の第1回】──稲田さんはいつもおしゃれなメガネをかけていますよね。「これは、いちばんのお気に入りです。2年くらい前に地元の福井市で買いました」───福井県のメガネといえば、鯖江市が全国的に有名ですが、福井市にも工房がある?「あります。『おしょりん』という新作映画の撮影がまもなくはじまるところなんですけど、明治時代にメガネ産業の礎を築いた福井市の増永眼鏡の物語なんです」──今調べたら、メインキャストの一人が小泉孝太郎さんのようですね。「はい。私の選挙区が舞台ですから、元小泉チルドレンとしてもうれしいです。やっぱり鯖江のブランド力は強いですが、福井も敗けていません。職人さんたちには『こっちが元祖や』というプライドがあります」──何種類のフレームを使い回しているんですか。「30から40くらい持っていますね。第2次安倍政権でクールジャパン担当大臣になった時(2012年)、日本製の良いものを海外に向けてアピールしようと目を付けたのが、地元産のメガネだったんです。同じ福井の繊維産業から生まれた、おしゃれな網タイツと一緒に。それで毎日かけるようになった頃はまだ、度を入れてなかったんですが、今ではすっかり老眼になってしまって……」──稲田さんがメガネ姿に“イメチェン”して戦ったのは、当選4回目の選挙(2014年)からということですね。「はい。当時の秘書にはちょっと心配されました。『これから“メガネの人”にイメージが変わっちゃいますよ。いいんですか?』って。まあ、けっこう似合ってるからいいかなって(笑)」──ポジティブ! この連載の第1弾(3月18・25日号)でも高市早苗さんとメガネの話になりました。長時間かけていると、鼻の付け根の肌が剥けてしまうので困っている、と。「私も鼻の付け根がシミになるのを気にしていましたが、こめかみで留められるタイプもあるんですよ。じゃあ、こんど高市先生に勧めてみよう。ご主人(山本拓・前衆院議員)は鯖江出身だから、高市先生がメガネを掛けるとみんな喜ぶと思う」──昨年秋の自民党総裁選では、高市さんが出馬し、1回目の国会議員票で2位になりました。稲田さんは高市支持で動いた。その理由は?「政治の師である安倍さんが支援したことが大きいですね。また、保守の部分での国家観は非常に近いし、(稲田氏が前事務局長を務めた)神道政治連盟の国会議員団も高市先生を推していましたので」──高市さんに加え、野田聖子さんも出た。総裁候補4人のうち2人が女性という画期的な戦いでした。2人とも稲田さんと同年代ですが、政治経験は10年以上も先輩。同じ「女性議員」とはいえ、見てきた永田町の景色に違いはありますか。「私の初当選は女性の新人が16人も通った小泉郵政選挙(2005年)でしたが、おふたりの時代はもっと少なかった。以前に野田先生から聞いたのは、1993年の初当選時、自民党の同期が26人いて、女性は自分一人だったそうです。高市先生は後に他党から合流されましたが、おふたりともそれぞれ自分で道を切り開いて、今の地位を築いている。でも、私だったら、一人で切り開くのは大変やなと思ったんですよね。16人いた女性の同期も、3人(※参院鞍替えは除く)まで減ったし。だから、同世代の女性たちで派閥を超えた塊をつくって、『女性議員飛躍の会』(2019年設立)という議員連盟を党内で立ち上げました」 稲田氏の政界デビューは比較的遅い。野田氏の26歳、高市氏の32歳に対し、46歳だった。ただ、両者より結婚は早く、30代で出産を経験。大阪で弁護士事務所を一緒に営む夫と、元教師の実父はともに筋金入りの民族派だったが、自身は政治と無縁の人生を歩み、2児の子育てに邁進した。 それがある時、言論誌に投書したのをきっかけに草の根保守運動に携わるようになった。日中戦争時に旧日本軍が中国人に行なったとした「百人斬り」の報道を虚偽とする訴訟では原告側代理人に。2005年の郵政選挙前夜には安倍晋三・党幹事長代理(当時)の目に留まり、公示日の2週間前にスカウトされる。稲田氏は郵政民営化造反組への刺客として衆院福井1区に送り込まれ、373票の僅差で勝利。福井県から女性議員が当選したのは、59年ぶりであった。 稲田氏は福井県越前市生まれだが、4歳で京都に引っ越している。地元との地縁は薄く、世襲でも元官僚でもない。事実上の“落下傘”でありながら、これまで6戦全勝を誇る「無敗の女」である。その点でも落選経験のある高市、野田両氏と異なる道を歩んできた。──2015年あたりから高市さん、野田さんと並んで「初の女性総理候補」と目されましたが、その中で自分だけ昨年の総裁選に出ませんでした。党史上初めて複数の女性が挑む歴史的決戦を見ていて、稲田さんには悔しさもあったでしょう?「自分も出て論戦したいなとは思いましたが、やっぱり2人とも圧倒的な力を持っている先輩ですし、むしろ肯定的に、複数の女性が出るってことはすごくいいことだと思いました。私がいなくても扉は開いた、私も総理を目指していいんだ、という気持ちになりましたよ」(第2回につづく)【プロフィール】稲田朋美(いなだ・ともみ)/1959年、福井県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1982年、司法試験合格、1985年、弁護士登録。李秀英名誉毀損訴訟、「百人斬り」報道名誉毀損訴訟などに携わる。2005年に初当選後、内閣府特命担当大臣(規制改革)、国家公務員制度担当大臣、防衛大臣、自民党政調会長、同幹事長代行などを歴任。衆院福井1区選出、当選6回。【インタビュアー・構成】常井健一(とこい・けんいち)/1979年茨城県生まれ。朝日新聞出版などを経て、フリーに。数々の独占告白を手掛け、粘り強い政界取材に定評がある。『地方選』(角川書店)、『無敗の男』(文藝春秋)など著書多数。政治家の妻や女性議員たちの“生きづらさ”に迫った最新刊『おもちゃ 河井案里との対話』(同前)が好評発売中。※週刊ポスト2022年4月1日号
2022.03.18 17:01
週刊ポスト
【動画】稲田朋美氏、チョコ店に政治資金27万円! 義理チョコ代か
【動画】稲田朋美氏、チョコ店に政治資金27万円! 義理チョコ代か
 週刊ポストが、11月26日に公表された政治資金収支報告書を精査したところ、稲田朋美・元防衛相が「贈答品代」に多くの政治資金を使っていたことがわかりました。 バレンタインデー前の2月7日。チョコの名店「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」にあわせて約27万円を支出していました。 “義理チョコ”も政治資金で買っているのでしょうか。 他にも、地元・福井の「白山やまぶどうワイン」に約70万円。 ワインショップだけで政治活動費の「贈答品代」として8件、約83万円を支払っています。【↑ 上の写真クリックで動画へ】
2021.12.08 16:00
NEWSポストセブン
高級外車のリース料を政治資金で
政治資金の使い途 麻生氏は高級車リース336万円、稲田氏は義理チョコ27万円
 本誌・週刊ポストは総務省が11月26日に公表した国会議員の資金管理団体や関連政治団体の昨年(令和2年)分の政治資金収支報告書を精査し、「飲食代」や「会合費」などの名目で多数多額の支払いが行なわれていたことを突き止めた。秘書が出た会合も含まれているだろうが、議員の支出であることに変わりはない。 岸田内閣の厚労副大臣を務める公明党の佐藤英道氏(比例北海道)は、政治資金で“温泉リゾート”めぐりをしていた。 昨年7月には「十勝川温泉第一ホテル」(支出額約4万円)と層雲峡温泉の「ホテル大雪」(同約4万6000円)、10月には富良野にある温泉リゾート「ナチュラクスホテル」(同約1万5000円)、11月には「釧路プリンスホテル」(同約2万円)と、感染が再拡大していく時期に“道内ツアー”を行なっていた。 佐藤事務所は「意見交換会の会場だったため」などと説明するが、国民から見れば、政治資金で温泉リゾート宿泊とはうらやましい限りだ。 また、岸田内閣で「こども庁」創設担当の内閣府政務官に就任した自民党の宮路拓馬氏は年間約276万円の高額なガソリン代を計上していた。宮路氏の鹿児島1区は鹿児島市が中心で県内で最も狭い選挙区だが、外出自粛の中でざっと「地球5周分」以上走った計算だ(1リットル=15kmで換算)。事務所に聞くと、「多数の事務所関係車両のガソリン代です」とのこと。 車好きといえば麻生氏。過去にはベンツ、BMW、ジャガーなどを所有していたが、最近、愛車がアウディの「A8 L 4.0 TFSIクワトロD4」から新型の「A8 L 60 TFSIクワトロD5」に変わったことが知られている。いずれも車両価格2000万円近い高級車だ。 麻生氏の資金管理団体は、アウディのオートリース会社に毎月約28万円(年間336万円)のリース料を支払っている。何のためにそんな高級車を政治資金でリースしているのか。「政治資金は関係法令に則り適切に処理・報告している。感染症にかかわる行政の要請等は順守している」(麻生事務所) ワクチン担当の堀内詔子・五輪相は、車ではなく、年間約270万円の「運転士派遣料」を夫が経営する富士急行の関係会社に支払っている。「多くの議員は秘書に車を運転させるが、専用の運転手を雇うなんてさすが社長夫人。しかも、大臣には専用車がつくから今年は運転手の費用が浮くのでは」(ベテラン秘書)と羨ましがられている。 堀内事務所は、「地元のほうには運転手まで派遣してくれる業者がいないため、同社に派遣をお願いしている」と答えた。 飲食・会合件数が多い稲田朋美・元防衛相は、「贈答品代」も目立つ。バレンタインデー前にはチョコの名店「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」に約27万円を支出、どうやら“義理チョコ”も政治資金で買っているようだ。他にも、地元・福井の「白山やまぶどうワイン」に約70万円を支払っているのをはじめ、ワインショップだけで政治活動費の「贈答品代」として8件、約83万円を支払っている。「コロナ担当相」として連日会見を開いた西村康稔・経済再生相(当時)は「土産代」に有名パティスリーの「キルフェボン青山」などからスイーツや和菓子を27件、総額約43万円分購入。政治資金でワインやスイーツの贈答とは、国民は理解に苦しむ。その西村氏は横綱・照ノ富士が所属する伊勢ヶ濱部屋に「渉外費」として10万円を支出。相撲部屋の“タニマチ”になるのも政治活動らしい。 多くの政治家が昨年の「勝負の3週間」など外出自粛期間中に政治資金パーティーを開いていたことも判明したが、そうして国民から集めた寄附がコロナ禍で議員たちの飲食代から温泉ツアー、高級車代、義理チョコや相撲部屋のタニマチ代にまで好き放題に使われていた。※週刊ポスト2021年12月17日号
2021.12.07 11:00
週刊ポスト
高市早苗氏、自民党総裁選出馬に強い意欲 近く月刊誌で決意表明
高市早苗氏、自民党総裁選出馬に強い意欲 近く月刊誌で決意表明
 自民党の高市早苗・元総務相が、菅義偉首相の総裁任期満了(9月30日)に伴って行なわれる予定の総裁選に、出馬を検討していることが分かった。近く発売される月刊誌で、出馬への決意を表明する予定だという。「高市さんは安倍晋三前首相からの信頼が篤く、第二次安倍政権では総務大臣として歴代最長となる1066日間の任期を務めました。一方で菅首相とは、2019年に発覚したかんぽ生命の不適切販売問題で、行政処分の検討状況を日本郵政側に漏らした当時の鈴木茂樹・総務事務次官の処分をめぐって軋轢が生じたと言われています。懲戒処分を下して交代に追い込んだ高市氏に対して、鈴木次官を高く買っていた菅氏は留任を望んでおり、そこから溝が生じた。案の定、菅政権誕生後は総務大臣を外され、引き継ぎ式では『NHK受信料と携帯電話料金の改革を最後までできなかったのが残念』と不満を漏らしたほど。 これまでは対抗馬不在とされた総裁選で、菅首相と対決する姿勢を示し、その決意を月刊誌で表明することにしたそうです」(自民党関係者) 気になるのが、菅政権を支持してきた安倍前首相の反応である。「安倍さんは、表向きは菅政権の続投を支持していますが、周囲には『このまま菅さんで大丈夫だろうか』と言っている。同じ保守派として評価する高市さんの出馬を容認する姿勢のようです」(同前) 安倍前首相が高市氏に期待する背景には、かつて安倍氏の秘蔵っ子と呼ばれた稲田朋美・元防衛大臣の存在が影響しているという。「安倍さんは、これまで可愛がってきた稲田さんが、選択的夫婦別姓をめぐって旧姓を戸籍に併記する案を提唱したり、LGBTに関する理解増進法案を国会提出したりするなど、リベラル寄りの政策にシフトしたことに失望したようです。 その点、高市さんはそれらの政策には反対しており、安倍さんと考えが一致しています。党内の保守派には、『菅さんには国家観がない』という不満もあり、一気に高市さん支持に動く可能性もあり得ます。総裁選出馬に必要な推薦人20人を確保できるかどうかが今後の焦点になるでしょう」(同前) 高市事務所に聞くと、「事務所では承知しておりません」との回答だった。菅政権の支持率が低迷しながらも対抗馬不在と言われていた自民党総裁選が、ついに動き出した。
2021.08.04 16:00
NEWSポストセブン
安倍晋三・前首相の支持派はどう動く?(時事通信フォト)
「自民党のトランプ」と化す安倍前首相 左傾化批判の真の狙いは菅総理
 安倍晋三・前首相のメディア露出が増え、キングメーカー説や再々登板説が喧しい。そうした安倍氏の“復権”に向けた動きと軌を一にして、保守派論壇からは自民党の“反安倍”政治家を批判する論調が強まっている。 批判のターゲットとなっているのが、「保守派のジャンヌ・ダルク」と呼ばれ、安倍氏の“後継者候補”とみられていた稲田朋美・元防衛相だ。稲田氏が野党と協議しLGBT(性的少数者)への理解増進法案とりまとめの立役者となったことが、保守派を刺激した。 安倍氏ににらまれたのは稲田氏だけではない。 安倍氏は『月刊Hanada』(7月号)のインタビューで「ポスト菅の総理・総裁候補」として茂木敏充・外相、加藤勝信・官房長官、下村博文・政調会長、岸田文雄・前政調会長を挙げたが、世論調査で4人より上位の河野太郎・行革担当相と小泉進次郎・環境相は含まれていなかった。 保守派言論人の2人への評価から、その理由が見えてくる。 女系天皇容認論者で知られる河野氏は昨年8月に「女性も皇室に残す」と提唱し、自民党保守派の反発を買った。 安倍再々登板論者の作家・深川保典氏は『月刊Hanada』(1月号)で河野発言に強い疑問を投げかけた。〈一時の時代の空気で二千余年にわたって連綿と紡いできた「男系男子の皇統」を絶やしていいものだろうか。祖先に対する責任と子孫に対する責任を取れるのだろうか〉 また、「脱原発」論者の河野氏と再生可能エネルギーを重視する小泉氏は、原発政策でも安倍氏と対立する。菅政権が掲げる2050年にCO2排出を実質ゼロにするカーボンニュートラル政策に関連して、安倍氏は「原発の建て替え(リプレース)」が必要だと主張し、今年4月に自民党原発リプレース議連を立ちあげて顧問に就任した。 保守論壇の重鎮、櫻井よしこ氏は、菅政権でグリーン成長戦略を担う河野氏と小泉氏についてこう注文をつけた。〈米国や中国には、国際社会に向けて(脱炭素の)旗を立てつつ国内の産業を守っていく“したたかさ”があります。小泉氏や河野氏は理想だけでなく“したたかさ”も持ち合わせているでしょうか。(中略)「カーボンニュートラル」に前のめりになるあまり、原子力やハイブリッドなどの分野で日本が積み重ねてきた技術力が蔑ろにされる恐れがあります〉(『WiLL』4月号) 河野、小泉両氏は安倍氏とその支持者のメガネにはかなっていない。「本当のターゲットは菅総理」 安倍氏が直接批判しなくても、保守派の論客が「安倍イズム」から外れた政治家に批判を浴びせて排除しようとする。 この現象を保守の憲政史家で作家の倉山満氏が次のように分析する。「とくに反左翼の一部の層は、LGBTや夫婦別姓、脱原発など左翼が好みそうな政策を支持する者を“敵”とみなして攻撃する行動原理がある。そうした層が崇める象徴的な存在が安倍さんで、支持者たちはやがて反安倍であること自体を批判の対象にするようになった。彼らは安倍さんが政治活動を再開すると、再び活動を活発化させている」 よく似ているのが米国のトランプ前大統領と支持者の関係だ。支持者たちは「大統領選に不正があった」というトランプ氏の主張を今も信じ、共和党内の反トランプ派を批判。共和党会議議長でトランプ氏の弾劾決議に賛成票を投じたリズ・チェイニー下院議員は批判を浴びて議長を解任されるなど、共和党内は「トランプ支持派」と「反トランプ派」の対立が深刻化している。 安倍支持派の復権で自民党内もそうなっている。 稲田氏が火をつけた夫婦別姓問題では、党内に推進派の議連と反対派の議連が発足して対立し、CO2削減でも河野氏や小泉氏の路線を支持する「再生可能エネルギー普及拡大議連」と安倍氏らの「原発リプレース議連」がぶつかっている。「自民党内の夫婦別姓議論を解禁し、LGBT法案など女性重視を掲げてそれまでの安倍路線を転換したのは菅総理だ。カーボンニュートラル政策でも菅さんは河野、小泉両氏に再エネを推進させることで後継者として育成しようとしている。 安倍応援団の本当の批判のターゲットは菅さんで、安倍イズムを壊して左傾化していると見ている。安倍氏がわざと菅首相に近い河野、小泉を除いた4人の名前を総理・総裁候補に挙げたのは、菅自民党がこのまま“安倍離れ”を進めるなら、保守地盤を動かして首相のクビをすげ替えるという恫喝です」(菅側近議員) 米共和党が“トランプ党”と化したように、自民党も“アベ党”に変身するのか。※週刊ポスト2021年7月2日号
2021.06.19 11:00
週刊ポスト
安倍晋三・前首相の周辺に動き?(時事通信フォト)
安倍氏周辺が稲田元防衛相を批判 LGBT法案での「左傾化」を懸念
 安倍晋三・前首相のメディア露出が増え、キングメーカー説や再々登板説が喧しい。そうした安倍氏の“復権”に向けた動きと軌を一にして、保守派論壇からは自民党の“反安倍”政治家を批判する論調が強まっている。 批判のターゲットとなっているのが、「保守派のジャンヌ・ダルク」と呼ばれ、安倍氏の“後継者候補”とみられていた稲田朋美・元防衛相だ。 稲田氏が野党と協議しLGBT(性的少数者)への理解増進法案とりまとめの立役者となったことが、保守派を刺激した。 安倍氏に近いことで知られる産経新聞の阿比留瑠比・論説委員は5月27日付のコラムで、稲田氏がかつて人権擁護法案を「率直に意見を言う愛すべき政治家の活動すら、この法案が通れば非常に危うい」と反対していたことを取り上げたうえで、〈同様の危険性と弊害がある2つの法案に対し、稲田氏の見解がここまで違う理由が理解できない。いつどうして宗旨変えしたのか〉 と“変節”を批判し、〈リベラル全体主義に取り込まれ、左派活動家に利用されるようでは、自民党は存在意義を失う〉 と断じた。保守論壇の重鎮、櫻井よしこ氏も産経新聞のコラム「美しき勁き国へ」(6月7日付)で「自民左傾化 危うい兆候」と題して〈私も将来を期待する稲田氏はなぜ変身したのか〉と指摘し、自民党にこう警鐘を鳴らした。〈日本の価値観の神髄を守りながら新しい時代のより良い価値観を受け入れていくのが保守である。根幹はしっかりと維持するものなのだ。それを忘れての左傾化ならば保守層の自民党への支持は着実に消えていくだろう〉 そうした声が高まり、潮目が変わった。 LGBT法案は、自民党保守派の反対で国会での成立が見送られた。与野党が合意しながら成立しないなど異例中の異例であり、稲田氏のメンツは丸つぶれになった。 安倍側近議員が語る。「安倍さんはこれまで稲田さんに期待して引き立ててきたが、最近は、『彼女は変わってきた。違う方向にいっているね』と残念がっている」稲田氏の“変節” 稲田氏が保守派の“虎の尾”を踏んだきっかけは、「選択的夫婦別姓」を掲げたことだ。昨年11月、稲田氏が衆院法務委員会で結婚後も旧姓を使用できる法改正を提案すると、安倍氏が会長を務める保守派の有力議連「神道政治連盟国会議員懇談会」の事務局長を更迭され、安倍氏の“後継者候補”の座を追われた。 その経緯を稲田氏は『月刊日本』(5月号)でこう語っている。〈更迭のきっかけは、法務委員会での発言だと思います。(中略)おそらく自民党議員で初めて選択的夫婦別氏について見解を述べたんです。それが神政連の中で問題になったようです〉 神政連や保守派の有力団体「日本会議」は、選択的夫婦別姓は「日本の伝統的な家族観の破壊につながる」と反対し、安倍氏も反対派として知られる。背後には「男系男子による皇位継承」を揺るがすという考え方がある。神道政治連盟国会議員懇談会の議員が語る。「LGBT法案と夫婦別姓と女系天皇の主張はつながっている。国連の女子差別撤廃委員会は日本に選択的夫婦別姓の導入を迫り、男系男子による皇位継承を定めた皇室典範は女子差別だと典範見直しまで言及した」 それが“左傾化”という疑いを生んだようだ。当の稲田氏は本誌・週刊ポストの取材に、「産経新聞の記事では、人権擁護法案を例に挙げて宗旨替えとしていますが、事実誤認です。人権擁護法案は『差別禁止』の名のもとに立ち入り調査など強い措置をとれるもので、この法律は認められないという私の考えは全く変わっていない。一方で、LGBT法案は理解増進を求めるものです」 と反論し、「安倍総理とは、機会に応じてお話ししております。安倍総理はいろんな方のお話をよく聞かれる方ですから、偏った判断をされる人ではないと思っています」と語った。※週刊ポスト2021年7月2日号
2021.06.18 19:00
週刊ポスト
「ポスト菅首相」に急浮上 野田氏、稲田氏、小池氏、3人の女性候補
「ポスト菅首相」に急浮上 野田氏、稲田氏、小池氏、3人の女性候補
 日本の政治は、言わずもがな“男社会”だ。しかし、いま急速に「初めての女性首相」を求める声が高まっている。菅政権の次は女性首相だろう──実は、自民党の男性議員の間からも、「女性首相の登場は時代の要請」という声があがっている。「名前があがっているのは、自民党の野田聖子幹事長代行(60才)、稲田朋美元防衛相(62才)、そして“ダークホース”小池百合子都知事(68才)です」(自民党関係者) 自民党政権下で首相の座に就くためには、総裁選で勝利しなければならない。「今年9月に行われる次の総裁選に出馬を目指しているのが、野田さんと稲田さんです。鍵となるのは『自民党議員20人の推薦』を取り付けられるかどうかでしょう」(前出・自民党関係者) 推薦人が集まらなければ、総裁選に出馬することはできない。つまり、首相になるための“スタートライン”にすら立つことができないのだ。 自民党の女性議員は現在39人だ。計算上は、その半数と少しの支持があれば立候補可能に思える。しかし、議員の多くは各派閥に所属しており、総裁選になると「派閥が決めた候補に投票するように」という、旧態依然とした“男社会”による締め付けが行われる。 野田氏と稲田氏には、ともに総裁選に苦い思い出がある。 野田氏は無派閥のため、一挙に推薦人を集めることが難しい。過去3回の総裁選は、20人を集めることができずにいずれも出馬断念に追い込まれた。その際は、「天井は開いているんだけど、足を引っ張る人たちがいっぱいいる。時にスカートをはいた女の人たちも」と無念そうに語った。 片や、稲田氏は自民党最大派閥「細田派」所属。2020年の総裁選では、「女性も総理を目指すことができるということを示していきたい」と出馬に動いた。「稲田さんは後見人の安倍晋三前首相(66才)に『私、総裁選に出たいんです』と直訴して推薦人集めに協力を頼んだ。しかし、細田派が総裁選で菅首相支持を決めたので、推薦者数が集まらずに出馬を断念するしかなかったのです」(細田派議員) 稲田氏もこう語っている。「日本の場合、女性がいない民主主義といわれるくらい政治の世界に女性が少ない」野田氏には二階氏、稲田氏には安倍氏 派閥に頼っていては、支援は見込めない──そんな2人は、次の総裁選に向けて女性議員の「推薦人獲得競争」を展開している。 野田氏は塾長を務める自民党「女性未来塾」に女性候補者育成コースを開講して候補者を募集。一方で、稲田氏が委員長代行を務める「自民党女性活躍推進特別委員会」では次期衆院選で自民党比例代表候補の15%を女性にする提言を議論している。 さらに、稲田氏が自民党女性議員でつくる「女性議員飛躍の会」や「こども宅食推進議員連盟」を主宰しているのに対抗して、野田氏は「出産費用等の負担軽減を進める議員連盟」や超党派の「女性国会議員増を目指す勉強会」などを発足させた。 野田氏と稲田氏は、政策面でも「女性と子育て」の分野を競い合っている。 不妊治療の末に50才で出産し、心臓などに障害を持つ男児を育てている野田氏は早くから「不妊治療への助成」「代理出産の解禁」「幼児教育の義務化」「出産一時金の増額」など、女性と子育て重視の政策を提唱してきたことで知られる。 出馬を断念した2018年の総裁選の際には、女性や高齢者、障害者などすべての国民が活躍できるフェアな制度をつくるという内容の「落ち着いて、やさしく、持続可能な国へ」という政策集をまとめた。 ジェンダーギャップの問題についても、「法律婚と事実婚をイコールにして、選択的夫婦別姓を認め、配偶者控除の撤廃が必要」というのが持論だ。 一方の稲田氏は自民党内で「タカ派のマドンナ」と呼ばれ、これまでは憲法改正や靖国神社参拝などを主張してきた。最近は女性重視政策に大きくスタンスを変え、「婚前氏(旧姓)続称制度」(選択的夫婦別姓)やコロナ対策でのシングルマザーへの追加給付金を訴えている。 政治ジャーナリストの野上忠興さんが総裁選出馬の見通しをこう語る。「野田氏には二階俊博幹事長(82才)、稲田氏には安倍前首相という実力者が応援団について、女性議員の囲い込みを始めました。総理・総裁候補として男性議員も含めた党内の評価が高いのは野田氏です。卵子提供による出産では心ない批判を浴び、苦労しながら育児と議員活動を両立させてきた。その分、人の痛みもわかるし、包容力もあるという評価です。 稲田氏は安倍前首相に気に入られて“出世街道”を上ってきたが、防衛大臣時代の失敗で政治手腕を疑問視する声があることがネックです」「東京五輪中止」が隠し球か 仮に2人が女性議員の支持を得て総裁選に出馬しても、当選して首相になるには自民党国会議員の9割を占める男性議員の支持が必要だ。「自民党実力者に担がれて首相になったら、男性優位の政界の“操り人形の女性首相”と思われてしまう。それでは意味がない。そう思われないためにも、『自力でやっている』ことを提示することが必要です」(全国紙政治部記者) そこで野田氏や稲田氏が提唱するのが候補者や議員の一定数を女性枠にする「ジェンダー・クオータ制」の導入だ。クオータ制は、世界約130か国で採用。台湾の蔡総統やニュージーランドのアーダーン首相など女性のトップが誕生したのは、クオータ制で女性の国政進出(台湾約42%、ニュージーランド約48%)が進んだからともいわれている。 野田氏は5月12日、超党派の女性議員の勉強会で「いったん女性が(責任ある立場を)担えば、男性じゃないとできないと思われている仕事でも、女性でもできるんだと理解してもらえる。そのいちばんの早道は、クオータ制で『見える化』をすること」と発言し、稲田氏も「比例候補のなかに『女性枠』を設けるのはどうか」(女性セブン2021年4月8日号)と提案している。 しかし、実現は簡単ではない。「女性枠をつくると、それによって1つ議席がなくなるわけです。つまり、男性政治家にとっては、政治生命にかかわってくる話になるんです」と稲田氏が語る通り、男性議員から根強い反対があるからだ。 もう1人、男社会の政界に風穴を開ける破壊力を秘めているのが“ガラスの天井”を突き破って女性初の東京都知事になった小池氏だ。自民党議員時代は女性議員で唯一、2008年に総裁選に出馬した経験を持つ。「2017年の総選挙の際、小池氏は都知事の立場で新たに『希望の党』を立ちあげ、野党から多くの議員を合流させて政界再編を仕掛けた。自民党は一時“小池新党に負けるんじゃないか”とパニックになりました。新党は途中で失速したが、あのとき、小池氏が出馬して勢いが増していたら、政権交代で小池首相の可能性もあった。 小池氏は総裁選の経験から、自民党の中にいても女性が首相になるのは難しいとよくわかっており、チャンスがあればもう一度、新党で勝負を賭ける可能性がある。 現在、開催の是非が大きな話題になっている東京五輪の中止を突然訴えて、国民の求心力を高め、一気に国政に出てくるという予測もあります」(野上さん)※女性セブン2021年6月3日号
2021.05.25 16:00
女性セブン
日本で女性議員を増やす秘策 稲田朋美氏が語る「クオータ制」への期待と障壁
日本で女性議員を増やす秘策 稲田朋美氏が語る「クオータ制」への期待と障壁
 一向に進まない男女共同参画。2014年の第二次安倍改造内閣では、変化の兆しはあった。女性活躍を掲げた安倍晋三前首相(66才)は、歴代最多となる5人の女性閣僚を起用したほか、党の政調会長や総務会長にも女性を抜擢した。【表】「クオータ制」とは? 3つの種類を解説 だが、その流れが継続されることはなかった。“政権を奪われる”という危機感が減ったことも影響してか、現状の菅内閣の女性閣僚はわずか2人で、副大臣は25人中3人。若手政治家の登竜門である政務官も女性は27人中3人しかいない。そこに“女性活躍が重要”というメッセージは伝わってこない。 過去には“変えることを頑なに認めなかった”例もある。2017年11月、熊本市議会で、緒方夕佳市議(45才)が生後7か月の長男を連れて、議席に座った一件だ。 緒方議員は、事前に長男を連れての議会出席を許可するか、託児所を設置してほしいと議会事務局に何度も訴えたが、聞き入れてもらえず、女性が子育てと仕事を両立する難しさを見せるために強硬手段に打って出たとされる。 このときは議長らと押し問答になり、緒方議員は“同伴出席”を断念したが、ニュースが報じられると大きな議論が巻き起こり、子育て中の女性でも議員として活躍できるよう、変わっていく機運が高まったかに思えた。 しかし翌年3月、熊本市議会は、会議中は乳児を連れての出席を認めないというルールを改めて定めた。声が上がったにもかかわらず、それを潰した熊本市議会。自ら“女性活躍から一歩後退”するという、時代錯誤の決断だった。 自民党の稲田朋美議員(62才)ら「女性議員飛躍の会」は、女性政治家を増やすために、国政や都道府県、市町村それぞれの選挙において女性議員の比率を30%にすべきとの意見を表明している。自民党はどう取り組むのか。自民党広報本部の三宅伸吾参院議員(59才)が語る。「昨年12月、二階幹事長と山口泰明選挙対策委員長から通知文があり、国政や都道府県、市町村それぞれの選挙において、女性議員を1人は確保しようとの目標が書かれていました。また、女性局の女性向け政治塾のなかにある候補者育成コースを重点的に活用し、女性候補者の発掘を進めようとの見解もありました。いまも女性議員がゼロの地方があるので、まずは現実的に1人ずつ増やしていこうという考えだと思います」 だが、たんなる数値目標では、以前と同じように「言葉だけの“やっている感”」で終わってしまうだろう。本気で女性議員を増やしたいなら、「クオータ制」を導入するという手がある。「クオータ制」は、議員選挙において、候補者や議席の一定割合を男女に割り当てる制度のこと。すでに約120の国・地域で取り入れられており、2020年に国政選挙が行われた57か国のうち、クオータ制を採用している25か国は、女性議員の比率が平均27.4%あり、採用していない国より11.8ポイント高かったというデータがある。 稲田議員は、クオータ制の導入に賛成する。「“男女問わず、能力があれば登用される”。それが理想です。しかし、そうやって自然体に任せた結果、日本の女性政治家は10%にとどまっています。抽象的な数値目標ではなく、ある程度の強制力をもった制度を導入しないと、女性議員を増やすことは現実的に難しいと思います。 諸外国は30年ほど前まで女性の政治参加は非常に少なかった。そこから、クオータ制を導入して女性議員を増やしました。日本は後れを取っているんです」(稲田議員) クオータ制には、【1】議席の一定数を女性に割り当てる「議席割当」、【2】候補者の一定割合を女性または男女それぞれに割り当てる「候補者クオータ」、【3】政党による自発的クオータの3つがある。【1】【2】は憲法や法律で決め、【3】は政党が独自に取り組むものだ。 稲田議員は「比例候補のなかに『女性枠』を設けるのはどうか」と言う。現在は各界で身を立てた優秀な女性が立候補を希望しても、適当な選挙区が見当たらず断念するケースが少なくない。クオータ制は、そうした女性に政界の門戸を開くものにもなるはずだ。 ただし、ここでもやはり“壁”になるのは党内の根強い反対派だという。「女性枠をつくると、それによって1つ議席がなくなるわけです。つまり、男性政治家にとっては、政治生命にかかわってくる話になるんですよね。女性議員を増やすこと自体には賛成でも、クオータ制導入には反対ということはよくあります」(稲田議員) 女性が生きやすい社会にするためには、女性政治家の存在は不可欠である。私たちは諦めずに声を上げ続けなければならない。※女性セブン2021年4月8日
2021.04.06 15:00
マネーポストWEB
日本で女性議員を増やす秘策 稲田朋美氏が語る「クオータ制」への期待と障壁
日本で女性議員を増やす秘策 稲田朋美氏が語る「クオータ制」への期待と障壁
 一向に進まない男女共同参画。2014年の第二次安倍改造内閣では、変化の兆しはあった。女性活躍を掲げた安倍晋三前首相(66才)は、歴代最多となる5人の女性閣僚を起用したほか、党の政調会長や総務会長にも女性を抜擢した。【表】「クオータ制」とは? 3つの種類を解説 だが、その流れが継続されることはなかった。“政権を奪われる”という危機感が減ったことも影響してか、現状の菅内閣の女性閣僚はわずか2人で、副大臣は25人中3人。若手政治家の登竜門である政務官も女性は27人中3人しかいない。そこに“女性活躍が重要”というメッセージは伝わってこない。 過去には“変えることを頑なに認めなかった”例もある。2017年11月、熊本市議会で、緒方夕佳市議(45才)が生後7か月の長男を連れて、議席に座った一件だ。 緒方議員は、事前に長男を連れての議会出席を許可するか、託児所を設置してほしいと議会事務局に何度も訴えたが、聞き入れてもらえず、女性が子育てと仕事を両立する難しさを見せるために強硬手段に打って出たとされる。 このときは議長らと押し問答になり、緒方議員は“同伴出席”を断念したが、ニュースが報じられると大きな議論が巻き起こり、子育て中の女性でも議員として活躍できるよう、変わっていく機運が高まったかに思えた。 しかし翌年3月、熊本市議会は、会議中は乳児を連れての出席を認めないというルールを改めて定めた。声が上がったにもかかわらず、それを潰した熊本市議会。自ら“女性活躍から一歩後退”するという、時代錯誤の決断だった。 自民党の稲田朋美議員(62才)ら「女性議員飛躍の会」は、女性政治家を増やすために、国政や都道府県、市町村それぞれの選挙において女性議員の比率を30%にすべきとの意見を表明している。自民党はどう取り組むのか。自民党広報本部の三宅伸吾参院議員(59才)が語る。「昨年12月、二階幹事長と山口泰明選挙対策委員長から通知文があり、国政や都道府県、市町村それぞれの選挙において、女性議員を1人は確保しようとの目標が書かれていました。また、女性局の女性向け政治塾のなかにある候補者育成コースを重点的に活用し、女性候補者の発掘を進めようとの見解もありました。いまも女性議員がゼロの地方があるので、まずは現実的に1人ずつ増やしていこうという考えだと思います」 だが、たんなる数値目標では、以前と同じように「言葉だけの“やっている感”」で終わってしまうだろう。本気で女性議員を増やしたいなら、「クオータ制」を導入するという手がある。「クオータ制」は、議員選挙において、候補者や議席の一定割合を男女に割り当てる制度のこと。すでに約120の国・地域で取り入れられており、2020年に国政選挙が行われた57か国のうち、クオータ制を採用している25か国は、女性議員の比率が平均27.4%あり、採用していない国より11.8ポイント高かったというデータがある。 稲田議員は、クオータ制の導入に賛成する。「“男女問わず、能力があれば登用される”。それが理想です。しかし、そうやって自然体に任せた結果、日本の女性政治家は10%にとどまっています。抽象的な数値目標ではなく、ある程度の強制力をもった制度を導入しないと、女性議員を増やすことは現実的に難しいと思います。 諸外国は30年ほど前まで女性の政治参加は非常に少なかった。そこから、クオータ制を導入して女性議員を増やしました。日本は後れを取っているんです」(稲田議員) クオータ制には、【1】議席の一定数を女性に割り当てる「議席割当」、【2】候補者の一定割合を女性または男女それぞれに割り当てる「候補者クオータ」、【3】政党による自発的クオータの3つがある。【1】【2】は憲法や法律で決め、【3】は政党が独自に取り組むものだ。 稲田議員は「比例候補のなかに『女性枠』を設けるのはどうか」と言う。現在は各界で身を立てた優秀な女性が立候補を希望しても、適当な選挙区が見当たらず断念するケースが少なくない。クオータ制は、そうした女性に政界の門戸を開くものにもなるはずだ。 ただし、ここでもやはり“壁”になるのは党内の根強い反対派だという。「女性枠をつくると、それによって1つ議席がなくなるわけです。つまり、男性政治家にとっては、政治生命にかかわってくる話になるんですよね。女性議員を増やすこと自体には賛成でも、クオータ制導入には反対ということはよくあります」(稲田議員) 女性が生きやすい社会にするためには、女性政治家の存在は不可欠である。私たちは諦めずに声を上げ続けなければならない。※女性セブン2021年4月8日
2021.04.04 07:00
マネーポストWEB
野田氏(左)と稲田氏(右)は明暗くっきり
永田町に響く「安倍ガールズ」の悲哀、「菅ガールズ」の歓喜
「安倍さん以上に好き嫌いがはっきりしているから、“お友達”か“敵”かで天国と地獄だよ」(自民党議員)と党内から嘆息が漏れる菅義偉・首相の人事。その象徴といわれているのが「安倍ガールズ」の冷遇だ。 安倍晋三・前首相の大のお気に入りだった稲田朋美氏は、安倍長期政権の間に行革相、政調会長、防衛相と要職を歴任し、防衛相時代には、都議選で「防衛大臣として」投票を呼びかけたり、破棄したとしていたPKO部隊の日報が発見されるなどのスキャンダルで失脚したにもかかわらず、幹事長代行として重要閣僚級のポストを用意されて、我が世の春を謳歌した。が、菅政権では事実上の無役となり、冷や飯を食う日々に。「自身も実務家である菅さんは、能力がない、節操がない、頭が悪い政治家を嫌う。イデオロギーで好き嫌いを決めていた安倍さんとは人事のポリシーがまるで違う。稲田さんには防衛相時代の不祥事でさんざん手を焼かされたから、まあ粛清の意味もある」(菅側近) 人事の不満が関係したかはわからないが、稲田氏は日本学術会議の任命拒否問題に関して、「こういう判断基準で任命しなかったという説明は必要だ。任命拒否されたなかに、私が本を読んでいる先生もいる。どうしてかなと疑問に思った」と、公然と菅氏を批判した。 もう一人、苦い思いをしているのが高市早苗・前総務相だ。安倍氏は高市氏を女性初の政調会長や2度の総務相に起用したが、高市氏は菅氏の1期先輩で当選回数は同じ8回(1回落選)とあって、菅氏にライバル意識を燃やしてきたとされる。総務相としては、菅氏が関わったふるさと納税制度に厳しい姿勢を示し、菅派と見られていた官僚を冷遇するなどして菅氏の不興を買ったといわれている。菅政権では総務相に再任されず、「残念で残念で」という“名言”を残して内閣を去った。新進党などを渡り歩いた政界歴は、菅氏から見れば「節操がない」のかもしれない。 タカ派発言で安倍氏のお気に入りになった杉田水脈氏は、もともと日本維新の会で国政にデビューしたが、落選中に安倍氏が熱心に口説いて自民党にスカウトしたとされる。しかし、菅氏の覚えはあまり芳しくないらしい。「杉田さんはキワモノ。性暴力について『女は嘘をつく』と発言したのが象徴的だが、目立とうとするほどに問題を起こす。菅さんが嫌う『頭が悪い』の典型だ。選挙に強くないことを自覚している杉田さんは、目立つことで比例上位に入りたいのだろうが、女性票が逃げる彼女を厚遇することはあり得ない」(前出の菅側近)  そして、安倍ガールズが去った内閣や党の中枢には、代わって「菅ガールズ」が招き入れられた。菅チルドレンとして知られる三原じゅん子氏は入閣候補とまでいわれたが、「さすがに行政手腕が未知数で反対の声が多かった」(同前)ことで、厚生労働副大臣に。安倍ガールズにも数えられた丸川珠代氏は、素早い変わり身を見せて総裁選でいち早く菅支持を表明、党役員連絡会のメンバーである広報本部長の椅子を手に入れた。 興味深いのが、稲田朋美氏に代わって幹事長代行に就いた野田聖子氏だ。安倍内閣の総務相時代には、菅氏が推進した携帯料金値下げ方針に、「そういうお話は来ていない」と不快感を示したり、自身の金融庁口利き疑惑では、対応に追われた菅氏が激怒したとも伝えられるなど、もともと関係は良くないと見られていた。 ところが、総裁選では早々と出馬断念して菅支持を表明、最近はサイバーセキュリティ対策推進議連の会長として菅氏を訪ねて接近するなど、服従姿勢に転じて抜擢された。菅氏からすれば、「節操のある頭のいい態度」なのか。 自民党の女の闘いにも、諸行無常の栄枯盛衰があるようだ。取材・文/武冨薫(ジャーナリスト)
2020.10.23 07:00
NEWSポストセブン

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