SNSの隆盛によって発言の一部が瞬く間に拡散される現代。タレントが政治に言及すると、その行為自体が批判されることもある。そんな中、時事問題を扱い続けてきたのが爆笑問題だ。炎上も度々経験してきた太田光(58)と田中裕二(59)は、得意とする“時事ネタ漫才”をどのようにとらえてきたのか。“テレビっ子”ライターのてれびのスキマ氏が聞いた。【全3回の第2回。第1回から読む】
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──時事問題をネタにすることで炎上するリスクがある中で、なぜ時事ネタ漫才を長年続けているのでしょうか。
太田:時事ネタ漫才は鮮度がいいから笑わせる時に有利なんですよ。今ならいきなり「一平が~」って言っただけで説明不要でウケる。一方で「ゲロゲ~ロ」みたいな定番ネタがあるじゃないですか。
田中:例えとして古すぎるけどね。
太田:それもウケるけど、「待ってました」みたいな笑いじゃないですか。俺らが求めているのは不意をつかれて笑っちゃうこと。だからシリアスな話題から入って、すごくくだらないほうに振っていきたいんだよね。
──時事ネタ漫才を続けてきた中で、気づいたことはありますか。
太田:1995年には阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件と、ネタにはできない事件が立て続けに起きました。コロナ以降もそういうニュースが増えている感覚があります。
田中:東日本大震災から間もない頃に漫才をすることになった時も相当迷いました。だから津波がどうのこうのではなく、CMが全部ACになったこととか、チェーンメールでデマが広まったとか、周辺の事象をネタにしました。
太田:我々の漫才は政治的思想を語っているわけでもなんでもない。ノンポリ。時事をネタにナンセンスをやっているだけだから。