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セックス依存症女性の多くは恋愛のトラウマや虐待経験あり

 単に「性的に放縦な人間」と見られることも少なくない「セックス依存症」だが、ギャンブルやアルコール、薬物など他の依存症と同じく、自らの空虚感を強迫観念に基づく性的行為でしか埋められないという非常に厄介な精神疾患なのである。精神科医で国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)の和田秀樹氏がいう。

「セックス依存症に悩む女性たちの多くは、過去の恋愛がトラウマになっていたり、幼い頃に肉親からの愛情に恵まれなかったり、虐待にあっていたりという辛い体験を持っています。彼女たちは“本当に自分が心から愛された経験がない”などと、満たされない思いを感じている場合が多く、セックスの快楽が一時的に恐怖や不安からの避難所となっている。

 そのため、目の前の快楽を我慢しようという欲望を抑える精神のメカニズムがうまく機能していないのです。まず男性には、依存症が本人にとってとても深刻な病気であることをぜひ知ってほしい」

 国内には複数の自助グループがあり、定期的にミーティングが開催されている。しかし、依存症から克服できたと笑顔で脱退する女性は、およそ2割だという。この精神の悩みはメスではどうにもできない。本人の継続的な治療の意志はもとより、パートナーや周囲の理解が不可欠である。

※週刊ポスト2011年5月20日号

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