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2011.06.29 07:00  週刊ポスト

間の取り方が抜群な柳家花緑に「七代目小さんに」の声上がる

 広瀬和生氏は1960年生まれ、東京大学工学部卒。音楽誌『BURRN!』編集長。30年来の落語ファンで、年間350回以上の落語会、1500席以上の高座に接する。その広瀬氏が「七代目小さんに」と評する落語家が、柳家花緑である。

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 テレビや舞台などで幅広く活躍する柳家花緑。彼は「人間国宝」五代目柳家小さんの孫である。1971年生まれの花緑は1994年に戦後最年少の真打となった。正式な弟子として祖父小さんに入門したのは1987年だが、実際には9歳から落語を演っていたというから、既に約14年のキャリアがあったことになる。

 最近の花緑が試みているイベントに「洋服姿で椅子に座って新作落語を演じる会」がある。「現代を舞台にした噺なら、洋服のほうが落語ファン以外の層には自然に受け入れられるはず」という発想によるもので、扱う素材も新鮮だ。

 昨年は宮部みゆき原作の『我らが隣人の犯罪』を演じ、今年は「ニュースを新作落語に」というテーマに挑戦した。「奇を衒わず古典を真っ当に演るだけでいいのに」という批判もあるだろう。だが今の花緑はそれを恐れない。核となるべき「花緑の古典」の方法論を確立したからだ。

 いつも感心させられるのが、目線の使い方や「間」の取り方の抜群の上手さだ。ふとした瞬間に「さすが小さんの孫」と思わせる。これはもう、天性のものだろう。花緑の高座には、落語に取り組む「了見の良さ」がはっきり表われている。

 五代目亡き後、六代目小さんの名跡は花緑の叔父(五代目の実子)が継いだが、将来「花緑を七代目小さんに」という声があってもおかしくない。そんな「器の大きさ」を、今の花緑からは感じ取れる。

※週刊ポスト2011年7月8日号

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