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中国宇宙開発 メンバー構成が共産党支配時代の終焉物語る?

江沢民前国家主席の容体が深刻な状態にある中国。その社会の裏側では、確実に変化する同国の内部事情が透けて見える。ジャーナリスト・富坂聡氏がレポートする。

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経済発展はしているものの格差など問題を抱える中国では、国民をまとめるための国威発揚のイベントが欠かせない。

共産党創立九十周年を祝う今年は、北京―上海を結ぶ高速鉄道がクローズアップされたが、本来、この役割は軍事が担ってきたものだ。

古くは原爆実験の成功であり、最近では空母建造や宇宙開発である。とくに通常兵器での不利を最先端の技術一本に絞って対抗する戦略を取ってきた中国は、宇宙でアメリカをキャッチアップすることを大きな目標に据えてきた。この目標は着々と進められている。

今春には、嫦娥二号が月探査任務を完了。今後チャレンジが予定される嫦娥三号・四号による月面軟着陸の条件を整えたとされる。

さらに六月には宇宙ステーション天宮一号と宇宙船「神州八号」による初の無人ドッキング実験のためのプロジェクトもスタートさせた。打ち上げは今年後半とされている。

興味深いのは、このプロジェクトの構成メンバー。上海宇宙技術院で行われた「天宮一号」試験チーム委員会の結成式に参加したのは九十七人。で、このうち共産党員は何人いるかといえば、答えはたった五十六人。半分とはいかないものの、かなり少ない。

現在、中国における共産党員の割合は約二十人に一人。つまり四十人クラスなら男女一人の学級委員(一学期のみ)と考えれば良い。

こうしてみれば狭き門だが、こうした国家の威信を担うプロジェクトでは、この比率がぐっと高まるのがこれまでの中国。しかも、宇宙技術は軍事機密と隣合わせだ。

それなのに共産党員の割合がこの程度とは、中国の共産党支配も変わってきたということか。

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