国内
2011.07.14 16:00 週刊ポスト
被災地の成人映画館84歳経営者「表現の自由守る」と意気込む
様々な商業施設が営業停止を余儀なくされた被災地。その中でも復活を遂げた成人映画館が宮城県石巻市に存在するという。その現場を作家の山藤章一郎氏が報告する。
* * *
津波をかぶった東北唯一のポルノ映画館は、宮城県石巻市の表通りから電柱の裏を右にくぐり、バイクや段ボールがころがっている路地の奥にあった。壁に、乳もあらわな女たちのエロポスターがずらりと貼ってある。
84歳のオーナー爺さんが、切符を売り、モギリをし、上映開始のベルを鳴らし、映写技師になって重いフィルムの掛け替えをし、場内清掃をし、館内の補修をする。
『石巻 日活パールシネマ』
180席の「シネマ1」80席の「シネマ2」。
スクリーンの3分の2までが海水に浸かった「シネマ2」で6月20日、津波から3か月ぶりに再開上映した。爺さんの名は清野太兵衛という。
大正期から昭和、港町の男と女でにぎわうここで、父親が〈石巻歌舞伎〉の興行を打ってきた。跡を継ぎ、孤軍奮闘どっこいしょ、エロ映画の文化を守り続けている。
「椅子も全部泥だらけ。室内プールになりまして。最初は津波見物しとったんだが、どんどん水嵩が増して、車は流れてくる、船は揚がってくるで。ありゃ、こりゃただごとじゃねえなと。梯子で屋根に上って助かったの。
津波が来ようが地震が来ようが、映画の灯は消しませんよ。われわれには表現の自由が約束されてる。ポルノでもなんでも、懸命に表現している人たちのためにも、私はこの映画館を閉じません」
※週刊ポスト2011年7月22・29日号
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