国内

原発推進派・経産省の天下り先理事長は報酬上限額2092万円

 政府が原発の再稼働問題で二転三転する中、政・官・財・学が一体となった“原子力村”は、巻き返しに必死だ。ジャーナリストの佐々木奎一氏が、推進派の実態をレポートする。

 * * *
 原発推進派の言動は、改めて振り返ると凄まじい。

 彼らのシンクロした動きは、「電力安定供給のために、原発を守りたい」からなのか。そうではなく、単に「原発推進という利権構造の枠組みを守りたい」からではないのか。

 政治家は電力会社から献金を受け、経産省は原発推進によって大量の天下り先を確保できる。例をあげると「社団法人 海外電力調査会」の専務理事(元四国通商産業局長)の報酬の上限額は2092万5000円。「財団法人 電源地域振興センター」の理事長(元中小企業庁長官)の報酬上限は1900万円など。他の業界の天下りと比べても明らかに報酬額が大きい「おいしい話」なのだ。

 そうして政官に認められた原発推進は、電力会社による巨額の設備投資を生む。それは「共同研究費」や「奨学寄付金」といった原発推進派学者たちへのカネの一部にもなるし、メーカーやゼネコン、そして地元自治体までも潤していく。

 極端なたとえ話をすると、仮に「明日から、原発ではなく太陽光パネルで全ての関係者にまったく同じ利権を与える」ということになれば、彼らは環境エネルギー推進派に寝返りかねない。問題の根本はこのチェック機能なきエネルギー政策推進の在り方にこそあるのだ。

※SAPIO2011年8月3日号

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン