国内

短期間で脱原発宣言の菅総理 ドイツは10年以上で結論出した

菅直人首相の脱原発宣言は拙速だったのでは? という議論も巷で沸き起こっている。日本は今後、原子力政策に関してどのような手順を踏むべきなのか、大前研一氏が解説している。

* * *
菅首相は、与野党間はおろか、与党内ですら十分な議論を尽くさぬまま「脱原発依存」を掲げたが、ドイツではその結論を出すまでに10年以上かけている。しかも再生可能エネルギーは18%(日本は1%)に達しており、稼働中の原子炉も17基しかない。

本来なら、日本の原発は徹底的な安全対策を講じた上で順番に再稼働し、1基ずつストレステストを実施して、その結果として閉鎖すべき原子炉が出た段階で粛々と廃止していくという手順を踏むべきだ。

残った原子炉は寿命の限り運転するが、延命や新規の建設は中止する。このステップを踏めば、30年後に日本の原発は自然消滅するが、それまでに再生可能エネルギーへの転換を推進するのが最も現実的な選択肢だろう。

そういう中間プロセスの議論をいっさい省略し、順序を誤って結論だけを先に出してエネルギー政策の混迷を深めた浅慮な菅首相の罪は重い。

※週刊ポスト2011年8月19・26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン