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慢性膵炎 原因の50%以上はアルコールの過剰摂取による

慢性膵炎の主な症状は、腹部や背中の痛み、食欲不振、体重減少、下痢や糖尿病の進行だ。50%以上がアルコールの過剰摂取が原因で、それ以外は胆石性や特発性(原因不明)だ。徐々に膵臓が線維化して硬くなり重症化するが、中には急性膵炎になり命を落とすこともある。禁酒と栄養・食事、薬物などの内科治療がメインだが、膵石ができ、激痛を伴う場合は手術で対応する場合もある。

膵臓は胃の後ろ側にある15センチほどの臓器で、糖分やタンパク質などを分解する消化液を出す外分泌機能と、細胞塊であるランゲルハンス島からインスリンなどホルモンを出す内分泌機能を担っている。

慢性膵炎は膵臓自体が線維化して硬くなり、機能が徐々に低下して、腹部や背中の痛み、食欲不振、体重減少、下痢・脂肪便、糖尿病の悪化などの症状が出る。初期では痛みも鈍いため診察を受けないことも多く、症状が進行してしまうことも多い。

東北大学医学部附属病院、肝胆膵外科の海野倫明教授に話を聞いた。

「原因の50%以上がアルコールの過剰摂取で、それ以外は胆石や特発性(原因不明)です。アルコール性は圧倒的に男性が多いのですが、近年キッチンドランカーの女性の発病も増えています。日本酒に換算して1日3合以上毎日飲む人では、30代から発症することもあり、若いからといって油断はできません」

アルコールというと肝炎をイメージするが、日本人ではアルコール性よりもウイルス性肝炎が主流で、アルコールが原因としては慢性膵炎の方が多い。慢性膵炎の患者は過度のアルコール摂取が原因で痩せている人が少なくない。

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2011年9月16・23日号

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