『あんぷく』の「牛すじ黒カレーうどん」
年末といえばやっぱり蕎麦だけど、うどんも食べたい! というわけで、グルメ雑誌『アリガット』誌の元編集長・小川フミオ氏がセレクトした『あんぷく』(東京・池袋)の「牛すじ黒カレーうどん」を紹介します!
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地方の数だけうどんがある。基本的には小麦粉と水で作られた白いヒモ状の食べ物にすぎないのに、なぜこんなにバラエティ豊かに料理できるのかと感心するほどだ。そのうどんをこだわりで味つけしているのが、池袋のうどん専門店『あんぷく』。
メニューを開くと、讃岐うどんを基本にした釜揚げなどの定番が25品。それだけでも多彩だが、さらに創作うどんがこの冬は27品。「京都祇園黒七味ペペロンうどん」をはじめ、「カルボナーラうどん」や「ガスパッチョうどん」と、基になっているのはイタリア、スペインなど世界各国の料理も多い。ただし会席の料理人だったオーナーの安江勇治さんは、出汁を加えたりして日本の味にする。
個人的に好きなのは、定番メニューの「牛すじ黒カレーうどん」。牛すじと甘さが印象的な玉ネギとともに、ピリ辛のソースがうどんに絡めてある。それぞれの食材が、歯ごたえのあるうどんと存在感を競い合っている。
「名古屋で洋食屋をやっていた父が作っていたカレーライスをイメージして作りました」とは安江さん。たしかに、うどんのあと、白いご飯に残ったソースをかけて作る即席カレーライスもおいしい。
自宅か仕事場の近所にあれば、毎日通っても飽きないのではないかと思う店だ。
■『あんぷく』の「牛すじ黒カレーうどん」 1100円
【住所】東京都豊島区西池袋1-37-8 JPビル1F
【営業時間】11~14時半(LO)、17~23時(LO)、金土11~翌4時(LO)、日11~23時(LO)
【定休日】無休
【カード】可
うどんはゆであがりで260グラムとボリュームがある。大盛り360グラム、特盛り460グラムもオーダーできる(追加料金なし)。秋冬のイチオシは「トリュフうどん(1580円)」。コースは1名3980円(2時間の飲み放題つき)から。焼酎をはじめ、アルコール類も豊富
撮影■岩本朗
※週刊ポスト2011年12月9日号