ライフ

就活学生に親がすべきこと 「カネ、コネ、ココロ」に気を配る

子どもの厳しい就活事情に親も安穏とはしていられない。かといって干渉し過ぎるのも困りもの。親が就活でしてあげられることなんだろうか。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が、「就活を邪魔するバカ親が本当にするべきこと」について語る。

* * *

学生にとって就活は苦行です。学生をさらに苦しめるのが親なのです。親ばかはかわいいですが、バカ親は最低です。無知なのに過干渉であることが、子供たちの就活を歪めています。親としては「よかれ」と思っての言動が、子供の就活をしっかり邪魔しています。

「まだ内定でないの?」「そんな会社知らないわよ。大丈夫なの?」 「公務員はどうなの? 安定しているわよ。予備校に通うお金、出すわよ」

よかれと思って発するこれらの無神経な発言は、もはやKY発言を通りこして、言葉責めとも言えるでしょう。子供にとっては、「うざい」と感じてもスルーしきれず、ただただ悩ましいわけですよ。

そんな親が本当にするべきことは何でしょう。突き詰めると、次の3つです「カネ、コネ、ココロ」です。

まず、「カネ」。就活にはお金がかかります。少し前のデータですが、レジェンダ・コーポレーション株式会社が発表した「学生・企業複合調査(2011年新卒)−活動後−総合調査(5月度)」によると、就活にかかる費用は全国平均で98,427円でした。

ただ、これはあくまで全国平均であり、食費、生活費を除いたデータです。都市部は89,765円、地方は129,869円となっています。地方に住んでいて都市部の企業を受けるとなると、説明会や面接のたびに交通費などがかかります。

都市部に住んでいてもそうです。埼玉の川越から大手町まで往復しただけで1,280円。説明会や面接の合間に喫茶店に寄ると、300円〜500円かかります。これが1日数回。都市部はランチ代も高いです。

出費もきつい上、就活中はバイトも普段よりは入れられないので苦しくなるわけです。家なき子風に言うならば「同情するならカネをくれ」ですな。早稲田大学政治経済学部に通う女子学生は、就活期間にお小遣いを普段より3万円UPで、毎月5万円もらっていたとか。そんな彼女は、就活中、ランチ代を浮かすために一人で牛丼屋に入るのが平気になったそうです。さすがワセ女ですね。

次に「コネ」。別にこれはコネ入社の世話をしろと言っているわけではありません。素敵な社会人を紹介しようということです。電通のあるエース級コピーライターは、学生生活に悩んでいたときに親に「面白い社会人を紹介する」と言われ、電通マンに会ったことが広告の世界を目指すキッカケになったとか。

最後に「ココロ」。就活中はただでさえ気持ちが不安定です。家に帰ったら温かいご飯がある、いつもと変わらない暮らしがある、愚痴を聞いてもらえる。この安定感は大事ですね。

親御さんには、この「カネ、コネ、ココロ」を意識してもらいたいです。そんな親が知っておくべき就活の現実を『親は知らない就活の鉄則』(朝日新書)という本にまとめました。大学生の親は必読。就活生にとっても、うざい親のいなし方、就活の最新事情がわかる本になっております。ご一読を!

関連記事

トピックス

緊急入院していた木村文乃(時事通信フォト)
《女優・木村文乃(37)が緊急入院していた》フジ初主演ドラマ撮影中にイベント急きょ欠席 所属事務所は「入院は事実です」
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
《豊田市19歳女性刺殺》「家族に紹介するほど自慢の彼女だったのに…」安藤陸人容疑者の祖母が30分間悲しみの激白「バイト先のスーパーで千愛礼さんと一緒だった」
NEWSポストセブン
女子児童の下着を撮影した動画をSNSで共有したとして逮捕された小瀬村史也容疑者
「『アニメなんか観てたら犯罪者になるぞ』と笑って酷い揶揄を…」“教師盗撮グループ”の小瀬村史也容疑者の“意外な素顔”「“ザ”がつく陽キャラでサッカー少年」【エリート男子校同級生証言】
NEWSポストセブン
2023年7月から『スシロー』のCMに出演していた笑福亭鶴瓶
《スシローCMから消えた笑福亭鶴瓶》「広告契約は6月末で満了」中居正広氏の「BBQパーティー」余波で受けた“屈辱の広告写真削除”から5カ月、激怒の契約更新拒否
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長》東洋大卒記者が卒業証明書を取ってみると…「ものの30分で受け取れた」「代理人でも申請可能」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
《フジテレビに蔓延するオンカジ問題》「死ぬ、というかもう死んでる」1億円以上をベットした敏腕プロデューサー逮捕で関係する局員らが戦々恐々 「SNS全削除」の社員も
NEWSポストセブン
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
《新歓では「ほうれん草ゲーム」にノリノリ》悠仁さま“サークル掛け持ち”のキャンパスライフ サークル側は「悠仁さま抜きのLINEグループ」などで配慮
週刊ポスト
70歳の誕生日を迎えた明石家さんま
《一時は「声が出てない」「聞き取れない」》明石家さんま、70歳の誕生日に3時間特番が放送 “限界説”はどこへ?今なお求められる背景
NEWSポストセブン
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン