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会社を竹槍や爪楊枝1本で楽しむ術あるとテレビ東京の伊藤P

「会社を爪楊枝1本で楽しむ」(テレビ東京の伊藤P)

2012年は「モヤモヤしながら」仕事しよう!? テレビ東京で人気のバラエティ番組「モヤモヤさまぁ~ず2」の「伊藤P」でお馴染みの伊藤隆行プロデューサーに「仕事」についてインタビュー。3回目は「逆境が武器になる」。(聞き手=ノンフィクションライター・神田憲行)

* * *   
――会社を辞めたいと思ったことはありますか。

伊藤:ありますよ、500回くらい。この本を書くちょうど1年半くらい前に毎日辞めようと考えていたので、500日くらいだから500回。だからこの本を書いたのは「決断」なんです。愛社精神みたいなのをぶっこいているんで、辞めるわけにはいかないでしょう(笑)。

――なぜ辞めようと思ったんですか。

伊藤:うーん、他のテレビ局さんからもお誘いもありまして……。「モヤさま」や「やりすぎコージー」というバラエティを作っていると、他局さんでバラエティを作っている方たちと知り合えたんです。

そこでチラチラと彼らのことを横目で見ていると、「この人は会社云々じゃなくて、自分がやりたいことをやってるんだ」とわかったり。もし本気であの会社いいなとか、逆に真面目にこの会社(テレビ東京)ないな、と思ったらやめるかも。

――逆に「ないな」と思ったこと無いんですよね。

伊藤:そうですね。この会社を楽しむ術が逆にわかってきましたから。竹槍を楽しむというか。爪楊枝一本で相手の秘孔を付けば倒れるというか(笑)。ひっくい視聴率でもずっとついていけば、裏番組に「なんか痛ぇな」と思わせるとか(笑)。

そういうかわいらしい攻め方がある。なんかやってるぞテレ東とか。条件が違えばそれなりに戦える方法があるのが面白い。

――テレ東は他のキー局に比べて予算が少ないし、過去の経緯から出てくれないタレントさんもいるそうですね。

伊藤:むかしそのタレントさんをメインにした番組をしていて、打ち切りになったとする。他局ならすぐ他の企画書をそのタレントさんに持って行ってフォローしたりするんですが、うちはケアが不十分だったことがあったんですね。それで疎遠になってしまう。

でも今はそういう「逆境」が武器になるんです。縁がなくなったタレントさんの事務所に企画書を持参しただけで、「ほう、ようきたな」と評価されますから(笑)。あとは正攻法で押していくたけ。「不利だー」「無理だー」と思う前に、「それ武器にならないか」と考えるのは面白いですよ。(了)

伊藤隆行氏プロフィール
1972年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒、テレビ東京プロデューサー。「モヤモヤさまぁ~ず2」「ちょこっとイイコト 岡村ほんこん しあわせプロジェクト」や、過去には「やりすぎコージー」など、同局の人気バラエティ番組の多くを手掛ける。著書に「伊藤Pのモヤモヤ仕事術」(集英社新書)


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