ライフ

8週間以上も空咳が続いた時は「特発性肺線維症」を疑うべし

 肺の気管支の先端には、柔らかで弾力性のある肺胞がブドウの房のように連なり、息を吸い込むと膨らんで大量の空気を溜めこむ。肺胞で酸素を取り込み、体内の二酸化炭素を取り出して呼気として吐きだしている。

 主に、この肺胞と肺胞の間にある間質に何らかの障害や炎症が起きるのが間質性肺炎で、原因が特定できない特発性間質性肺炎は7種類の病型がある。

 一番多いのが特発性肺線維症(IPF)で、炎症修復のためにコラーゲンなどが増加して間質が厚く硬くなり、線維化が進む。主な症状は長引く空咳や動作時の息切れ、指の先が太鼓のばち状に太くなるばち指などで、重症例では肺が蜂の巣状になり呼吸不全で死に至ることもある。喫煙が発症リスクの一つだが、発症原因は不明だ。東邦大学医療センター大森病院呼吸器内科の本間栄教授に話を聞いた。

「IPFは特発性間質性肺炎患者の60~70%を占める慢性の進行性疾患で、予後が悪いという特徴があります。診断は職業歴や喫煙歴などの問診と呼吸機能検査、血液検査やX線画像などで総合的に行ないます。肺の聴診による、パリパリという特徴的な音も早期発見に繋がります」

 IPFは加齢も関与しているといわれ、高齢化に伴い患者が増える可能性がある。8週間以上空咳が続く、日常動作で息切れが激しいなどの症状が起こったら専門医の受診が欠かせない。

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2012年3月16日号

関連キーワード

トピックス

映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン