■すべての取扱い投信の販売手数料を無料とする銀行も登場している
これまではネット証券を中心に販売手数料を無料とする動きが見られていたが、ネット証券ではなく、とうとう銀行で本格的にしかも取り扱うすべての投資信託の販売手数料を無料とするところがでてきた。
どこが行っているかというと、静岡県沼津市に本店を置く「スルガ銀行」である。既に2010年10月から開始されており、インターネットバンキングで取引できる「ダイレクト投信信託」において、2012年4月現在、取扱い57銘柄すべての投資信託の販売手数料を無料としている。インターネットバンキングであるため、ネット証券と同様に全国どこからでも口座を開くことが可能な点がメリットである。
スルガ銀行のダイレクト投信ホームページをみてみると、「ラサール・グローバルREIT(毎月分配型)」や「ワールド・リート・オープン(毎月決算型)」という投資信託を取り扱っているが、これらの投信の販売手数料を無料としている銀行は他にない。しかも、例えばラサール・グローバルREIT(毎月分配型)はネット証券でも販売手数料が1.5%前後で販売されており、スルガ銀行が販売手数料無料で取り組んでいる点には正直驚きである。
したがって、例えば買いたい投資信託ごとに販売手数料が無料な証券会社や銀行を探してそれぞれに保有するか、一つの金融機関において販売手数料が無料なものの中から購入を検討していくといった方法がコストダウンという観点からはよいであろう。(※対面販売の場合には販売手数料がかかる。また積立てによる購入の場合には一部の投資信託では販売手数料がかかる場合がある)
もちろん、コスト面だけではなく、将来性や他の投信とのパフォーマンス比較などもできれば行うことが好ましい。そうした比較や販売手数料が無料かどうかは、例えば株式・投資信託・ETFの総合金融情報サイト「モーニングスター」のホームページで検索することができる。
※なお、この記事は投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。
ファイナンシャル・プランナー 伊藤亮太
http://www.ryota-ito.jp/
<プロフィール>
無駄遣い指摘アドバイザー。経済評論家。年間を通して数多くのマネー相談(家計簿診断、資産運用相談など)を行い、FP資格関連書籍六冊、証券外務員資格関連書籍一冊、金融入門一冊等、執筆も多数。大阪証券取引所、SBI証券、紀陽銀行等の金融機関、大東文化大、立教大学等で資産運用関連、金融業界動向の講義など多角的に活動中。2011年秋学期からは東洋大学経営学部会計ファイナンス学科非常勤講師も務める。