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雨天の交通事故は晴天の5倍 タイヤが明暗を分けると識者

タイヤを選んで梅雨のドライブも安全&楽しく

日本各地に梅雨の季節が到来した。この時期、気をつけたいのが車の運転。梅雨に限らず、台風、ゲリラ豪雨とそもそも日本は雨が多いが、例えば首都高速道路では、雨天時は晴天時の約5倍の交通事故が起きているという(首都高速道路調べ)。そんな中で安全かつ楽しいドライブを楽しむにはどうしたらよいか。もっとも重要な役割を果たすのは、路面との唯一の接点を持つ「タイヤ」だ。

「例えばタイヤの違いで制動距離に2メートルの差があるとします。たいした数字じゃないと思われるかもしれませんが、2メートル手前で止まるのか2メートル先で人や壁にぶつかるのか、それは人生にだって関わるわけです」

 こうタイヤの重要性を語るのは、横浜ゴム・タイヤ試験部の斉藤孝明氏だ。これまで乗用・商用をはじめ自動車メーカーの純正装着タイヤなどあらゆるタイヤの開発に携わってきた、開発部隊のまさにトップガン。最近では低燃費タイヤでありながら、バランスのとれたハイグリップタイヤでもある『BluEarth-A』(ブルーアース・エース)の開発ドライバーも務めた。

「ウエットをよくするとドライの性能が落ちる。目標性能をクリアしたうえで、イメージする性能に及ぶまで、延べ数百種類、約2年以上もの時間をかけて開発しました」(斉藤さん)

 同タイヤは従来商品に比べ、ドライ性能の向上はもちろん、ウエット性能も20%向上。雨の日のブレーキで、20%手前に止まる性能を実現した。速度120km/hからのブレーキテストでは、その制動距離の差は、車両2台分にも及ぶ。

 とはいえ、どんなタイヤにも確認が必要だと斉藤氏は強調する。

「タイヤの溝と空気は必ず確認します。雨の日は速度を落として、『急』のつく操作はしません。タイヤは摩耗すれば、ウエット制動力も落ちる傾向にありますから」

※週刊ポスト2012年7月6日号

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