夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(47歳)が資材メーカー勤務の奥様(47歳)。「発酵食品は体にいい」がご主人の口癖です。
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先日、私が風邪で寝込んだ時、「今夜は自分で作るから」と、なんと、キムチと納豆とヨーグルトを混ぜ、それをご飯の上にかけて「発酵ドンブリだ、うまい!」ですって。私、見ただけで吐きそうになりましたけど、主人はそれ以来、発酵ドンブリがすっかり気に入ってしまって、1日1食は食べています。
この週末なんか、部下の男子社員がフィアンセを連れて我が家に挨拶に来ると、「まずは我が家特製の発酵ドンブリを食べてみろよ」と、私の手料理を出す前にカップルに勧めます。
恐る恐るひと口食べた彼でしたが、「失礼します!」と洗面所へ。さらに、後を追うフィアンセ。私が様子を見に行くと、ふたりの会話が。「僕、キミと結婚できてよかったよ。あんな料理しかできない奥さんと比べたらエンジェルだ」「私、頑張る! でも、ここのご主人、かわいそう」
飛び出して「誤解よ!」と叫びたかったけど、カップルの絆が強くなったみたいだから、ま、いいか!
※週刊ポスト2012年11月9日号