夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(37歳)が損保会社勤務の奥様(39歳)。ご主人のお母様は1人暮らしです。
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義父が3年前に亡くなり、主人は「一緒に住もう」といったんですが、「お父さんの月命日には、お墓参りもしたいし」と、田舎で生活する義母。「母の日には、せめてもの親孝行、温泉に連れて行ってあげたい」という主人の希望に私も大賛成。義母に電車のチケットを送り、3人宿泊で予約した温泉宿で落ち合うことにしました。
「久しぶりに肩でも揉んであげようかな」
「私はお風呂で背中を流そうかしら」
夫婦で話しながら、宿に到着すると、義母は既にロビーにいて、その横には同年代の白髪の男性が!
「ボーイフレンドなの。3人部屋は取り消して、2人部屋2つにしてもらったから。夕食は一緒にしましょう。それじゃ」と、その男性に腕をからませ、エレベーターに消える義母。主人は口アングリです。
夕食で顔を合わせ、主人が「親父の月命日のお参りだけど」と質問すると、「毎月は面倒だし、お寺さんに永代供養を頼んだから」。マッサージの申し出も、白髪の男性に笑いかけながら、「大丈夫よ。この人、優しくて、色んなところを揉んでくれるの」。
主人は思いっきり顔をしかめて私を睨み、「まったく、女って奴は……」って、一緒にしないでよね!
※週刊ポスト2013年5月17日号