ビジネス

日本全体が内向きの時代だが「海外に行け」を徹底する強い商社

 2012年3月期決算は、純利益4523億円もあげた三菱商事について、ライバル大手商社の幹部は、素直にこう称えた。

「三菱商事の人材は正直言って強い。層も厚いし、社員それぞれのポテンシャルも非常に高い」

 学生の就職先人気企業ランキングでは1位(男子・文系)の常連だから優秀な人材が集まるのは当たり前だが、近年、多くの一流企業が「優秀な学生」を優秀な社員に育てられずに苦労していることからもわかるように、就職人気だけではライバル社員が「強い」という人材は育たない。

 強さの秘密のひとつに、同社の研修制度がある。大企業でよくある受け身の“形だけ研修”ではない。久米邦英・人事部採用研修チームリーダー(45)が解説する。

「人材育成の基本は、各部署によるOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)です。現場で仕事をしながらスキルを磨いていくわけです。その上で、人事部が中心になって全社的な研修制度を数多く用意しています」

 中でも若手育成に力を発揮しているのが、2010年から本格的に始まった「グローバル研修生派遣」制度。入社8年目までの全社員が、この仕組みにより一度は海外経験することになる。

「赴任先の希望は本人には聞きません。BRICsなど新興国が中心で、期間は3か月~1年間。現地事務所で働き、指導係がつきます。指導係は外国人のこともあります。グローバル研修生派遣制度の中には、これとは別に若手社員を海外のビジネススクールに派遣する仕組みなどもあり、2012年度は制度全体で150人ほどが海外に行きました」(久米氏)

 さらに中堅以上の社員向けには、年間60~70人が海外のビジネススクールに短期間派遣される制度がある。日本全体が内向きになっている時代に、とにかく「海外に行け」という姿勢は徹底している。

※SAPIO2013年6月号

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン