芸能

テリー伊藤絶賛 AKB48総選挙での大島優子のスピーチ力分析

AKB48選抜総選挙で見せた大島優子のスピーチ力

 指原莉乃(20才)が1位となり盛り上がりを見せた第5回AKB48選抜総選挙。毎回、メンバーのスピーチも話題になるが、今回の総選挙で目立ったのは惜しくも2位となった大島優子(24才)のスピーチだ。「涙のひとつも出てこない、この感覚」との言葉から始め「(指原は)私の壁をするっとぬけていった」「(指原センターで)どんなコミカルグループになるのか」と次々と繰り出す巧みな表現で、会場を笑いに包んだ。テリー伊藤も「芸能人としての“身体能力”は抜群」と絶賛したほど。大島のスピーチ力を、スピーチトレーナーで大阪工業大学客員教授の高津和彦さんが分析した。

 * * *
 自分が予期していなかった結果が出たときに、その事実をどうとらえてどう表現するのかというのはたいへん難しく、スピーチ力が問われる場面です。

 大島さんは、“涙のひとつも出てこない、この感覚”という第一声でファンの心をとらえましたよね。一般的には皮肉になるような内容ですが、1位になった指原さんが“いじられキャラ”ということから見事な“つかみ”になっています。

 今回のように、勝負に敗れた場合、負けた人のスピーチは大きくふたつに分けられます。ひとつは素直に結果を認めて“おめでとう”と勝者を祝福する。もうひとつは祝福はせずに“おかしい”“納得できない”と、その結果に反発するケースです。
 
 2位になった大島さんのケースはどうでしょうか。先ほどあげた“涙のひとつも出てこない”というコメントや“おなか抱えて笑ってしまう”というのは、後者のケースと言えます。指原さんに“おめでとう”とはひと言も言っていません。そして、反発の気持ちを最初から最後まで、嫌みに聞こえないように笑顔のまま表現し続けているところが、絶妙です。しかも、笑いをとりながら、というのはなかなかできることではありません。

 スピーチをするときにもっとも重要な落ち着きというポイントも、彼女にはありました。“壁をするっと抜けていった”というのは、準備して出てきたコメントではないでしょうから、表現力の巧みさや彼女の頭の回転の速さを感じられます。これはそもそも心が落ち着いていないと出てこない言葉です。しかも、コメントとコメントの間にしっかりと“間”を置いて話しているので、聞いているほうも聞きやすく、その結果笑いも起こった。

 自信をもって話すということもスピーチではすごく大事です。彼女は自分の結果について“偉業”という言葉を使っています。2回目は言い直したわけですが、負けた人がなかなか自分に対して偉業とは言えません。普通は“自分はよくやったと思う”“一生懸命がんばった”というありきたりの表現になってしまいますが、それを“偉業”というピンポイントの漢語をもって言い切ったのは、自分に自信があるからでしょう。

 勝者を祝福するスピーチに比べて、反発の気持ちを表現するスピーチは、なかなか難しいものです。ウソであっても、“よくやった”“おめでとう”という言葉で勝者を讃えがちですが、彼女は終始、落ち着いて、しかも指原さんのキャラクターを生かして笑いも取りながら、反発の気持ちを最後まで表現し切り、会場の注目を一気に集めた。まさに100点のスピーチをしたと言えるでしょう。

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン