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父の日ギフト 欲しいものと贈られたものがミスマッチの傾向

 今年の父の日のプレゼントには何を選んだだろうか。母に比べるとコミュニケーションが少ない父への贈り物は、父と子の間で“ミスマッチ”が起きることが実は少なくない。

 もともとミスマッチという単語は、二つの物事が釣り合わないことを示す。最近では、人手が足りない仕事場がある一方で就職できないと嘆く若者がいるという状況を指し、求人と求職のニーズが一致しない「雇用のミスマッチ」という使われ方がよくされる。父の日のプレゼントでも、そのミスマッチが頻発するというのだ。

 以前、趣味の山歩きのときに着られるだろうとポロシャツを贈った会社員女性(20代)は、一度も袖を通してくれないと苦笑いする。

「どうやら父の好みじゃなかったようなんです。男の人って、妙なところにこだわり持ってる場合が多いですからねえ。贈ったときはとても喜んでくれたのですが、どうせなら使ってもらえるものにすればよかったと思っています」

 父親の本音を探る術は少ないなか、興味深い調査がある。

 父親に欲しい贈り物の内容を尋ねたところ、トップ3は以下の通りだった(株式会社丸井グループの2011年調べ)。

1位「手紙や手づくりのもの(24.4%)」
2位「ネクタイ(23.1%)」
3位「温泉、旅行、レストランなどでの食事(12.8%)」

 ここ数年の人気商品とみられている「お酒やお取り寄せグルメ(10.3%)」、革小物の代表である「お財布(10.3%)」といった品物よりも、家族と思い出を共有できるようなものが人気だったのだ。

 同調査では、子どもの側が予定している贈り物についても聞いているのだが、結果は案の上だった。

1位「お酒やお取り寄せグルメ(49.0%)」
2位「洋服(21.2%)」
3位「靴下(6.4%)」

 父が欲しい贈り物として一番に挙げている「手紙、手づくりのもの(3.4%)」は9番目にようやく登場し、「温泉、履行、レストランなどでの食事(4.3%)」は8番目で、ものより思い出と考える父親たちとは激しいミスマッチを起こしていることがわかる。

 毎年『ベストファーザー賞』を選考している日本ファーザーズ・デイ委員会事務局の担当者は、父の日ギフトのミスマッチについて、こう語る。

「昔はネクタイが定番でしたが、いまや定番商品がないのが父の日。今年はステテコが人気と言われていますが、実際は多様化していますから、欲しいものと贈るものが合致しづらい状況は仕方がないのかもしれません。3年前に私どもが実施したアンケートによれば、半数以上のお父さんが『プレゼントは何でも嬉しい』と答えています。そうした答えも贈る側を迷わせる一因になっているのでしょうね」

 最近では、父の日ギフトに起きてしまいがちなミスマッチを解消すべく、ギフト商品を提供する側もさまざまに工夫を凝らしている。

 例えば前述のミスマッチが発見された調査を実施した丸井では、ショッピングサイトにプレゼントナビがあり、「仕事の鬼」「アウトドア好き」など9種類のタイプ別や予算別に品物を選べるようになっている。そしてイオングループが運営するショッピングサイト、イオンスクエアの父の日ナビでは、「行列のできそうな……父の日プレゼント相談所」が表示するYES/NOで答える質問に答えるだけで、好みに合うだろう品物を提案してくれる。

 また、東急百貨店本店では特設スペースでコンシェルジュが父の日に最適なプレゼント選びの相談に乗るサービスを実施している。長年、ギフト商品を取り扱ってきたデパートならではの商品知識ときめ細やかな対応が特徴だ。

 結婚式の引き出物に定着したカタログギフトも今、父の日のプレゼントとして注目を浴びている。さまざまなタイプの商品が掲載されているカタログならば、父親本人が選べるのでミスマッチも起こりづらい。

 来年こそは……。参考にされたし。

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