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飲尿療法が世界中で信じられている理由や効能を医師が解説

「健康」情報が氾濫している。「××さえ食べれば健康」「××だけで痩せられる」といった話を聞けば試し、「いまいち効果がないような……」と首をひねった経験は誰にでもあるのではないか。「なんとなく体に良さそうだけど、本当に効き目があるの?」と思える変わった健康法を検証する。

(1)「マイナスイオンで健康」に科学的根拠なし

 ストレス軽減効果などのイメージがある「マイナスイオン」だが、現時点で科学的根拠はないに等しい。東京都の消費生活部はそもそも〈科学的・学術的な用語としてマイナスイオンは明確に定義されていない〉とする。

 海外ではFDA(米食品医薬品局)がマイナスイオン発生を謳う装置について科学的根拠がないとの警告を出している。なお、中学校の理科で習った通り、科学的には過剰電子を持つ分子は「陰イオン」と呼ぶのが正しい。「マイナスイオン」は科学用語ではない。

(2)「飲尿療法」はなぜ世界中で信じられているのか

 毎朝自分の尿をコップ一杯ほど飲むと健康増進効果があるとする飲尿療法。尿は98%が水分で、その他に尿素や微量のアンモニア、血液中の不要なミネラルなどが含まれる。

「体が不要とするものを飲むのですから、健康にいいという体験談はあっても科学的・統計学的な有効性は立証されていない」(医師・医療ジャーナリストの森田豊氏)

 しかし、インカ帝国の時代から世界中で効果が伝えられてきたのも事実。“特異な行為”に古来、神秘的な意味を与えてきたのかもしれない。

(3)「ノーパン健康法」は尿漏れにご注意
 パンツを穿かないとゴムが体を締め付けないのでリラックスして眠れるという健康法。そもそも心理的効果を謳ったものだから、そう思える人はやればいい。「パンツを穿いていないと落ち着かない」と思う人には意味がない。さらに前述の森田氏はこうも言う。

「懸念されるのは尿漏れです。特に男性は女性に比べて尿道が長く、どうしても多少は尿が残ってしまいます。ノーパンでいる場合、放尿時によほどよく出し切らないと尿が寝具などに付着して不衛生になるので注意が必要です」

※SAPIO2013年8月号

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