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千葉・失踪女子高生の発見者 父に「温かい居場所を作って」

 失踪していた千葉県茂原市の県立高校3年生A子さん(18才)が、約2か月後に自宅近くの神社で発見された。

 失踪時、A子さんはわずか1500円の所持金と、当日に学校の農園で収穫したというポリ袋2袋分のトマトを持っているだけで、一刻も早い発見が急務だった。

 だが有力な手がかりはなく、8月7日、県警は家族の要請で、A子さんの顔写真や特徴、当日の服装などを示して100人態勢の公開捜査に乗り出した。また家族も地元一帯に情報提供を呼びかけるビラ配りを行うなど、必死の捜索が続いたが、A子さんの足取りはつかめなかった。

<タイムスリップした?>
<神隠し?>
<彼氏の家にいるらしい>

 なかなか行方のつかめない状況に、ネット上ではこんな憶測が飛び交った。

 そして失踪から78日目、事件は急展開を迎えた。年2回のお供え物の鏡餅交換の時期が近づいたため、第一発見者の飯塚眞敏さん(70才)が、千葉県茂原市の日枝神社に様子を見にくると、社の中に倒れるA子さんを発見したのだった。

 実は飯塚さんよりも先に“社の異変”に気がついていたのが、彼の愛犬の柴犬・チビタだった。

「8月下旬ころから数回、チビタは社の前を通りかかると、社のほうを見て唸り始め、さらに“ワンワン”と吠えていたんですよ。ウチのチビタは普段、人なつっこくて、全然吠えない犬だから、“おかしいな”とは思っていたんですけど…。今思えば、ぼくではなく、チビタが“第一発見者”ですよね。きっと、そのときも彼女は社の中にいたんだと思います。あのとき、気がついてあげれば、あんな姿にはなっていなかったのに…」

 そう悲痛な表情を浮かべながら悔やむ飯塚さん。彼が“あんな姿”と言うほどA子さんは変わり果てた姿だったのだ。

「声を出せないほど、憔悴しきっていたし、かなりやせ細っていて、足や腕は骨が浮いて見えるほどガリガリで…」(前出・飯塚さん)

 失踪当時45kgと報じられた体重は、なんと31kgまで減っていた。

「社の中には、コンビニの袋とか、ペットボトルとか食べ物を購入した痕跡は一切なかったようです。A子さんは、近くの駐車場の水道で水を飲み、社の裏にある夏みかんを食べたり、近くの畑の野菜などを食べて、飢えを凌いでいたようです」(全国紙社会部記者)

 そんな状態になってでも、A子さんが家に帰らなかった理由とはいったい?

「A子さんは進路について深刻に悩んでいたという話もありますが、やはり家庭内に問題があったとみられています。ご両親は連れ子再婚で、兄と妹2人の4人きょうだいという家族構成。一部では、母親がある宗教の熱心な信者だったため、A子さんが嫌がったという話も出ています」(前出・全国紙社会部記者)

 発見から4日後の9月30日、A子さんの父親が飯塚さんの元を訪ねたという。

「病院の先生には、“あと1週間、発見が遅かったら命はなかった”と言われたそうです。お父さんは、“本当にありがとうございました。今は母親がついていて、アイスクリームを食べました”と、笑顔で話してくれました。

 私は、帰りがけに、お父さんに“娘さんが生活していた場所を見て行きなさい”と社に案内しました。初めは嫌がっていましたが、少々無理矢理、社に連れて行きました。

 お節介ながら“娘さんがずっとここにいたのは、彼女が家庭や社会に居場所がないと感じていたからではないでしょうか? これからは、どうか彼女に、温かい居場所を作ってあげてください”と伝えると、神妙な面持ちで“わかりました…”とうなずいてくれました」(前出・飯塚さん)

※女性セブン2013年10月17日号

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