【書籍紹介】『海と月の迷路』大沢在昌/毎日新聞社/1890円
昭和34年、炭坑の島で少女が不審死。警察官の荒巻正史は、8年前にも似た事件があり迷宮入りしていることを知る。いずれも満月の夜に起き、被害者の髪の一部が切り取られていた。
〈人口過密で、どこにいても人の目や耳がある、あんな場所で、知られずに殺人を重ねている者がいる〉と、捜査に奔走する荒巻。しかし独自の掟に支配された島の中で次第に孤立を深めていく。長崎県の軍艦島をモデルにした島で繰り広げられるサスペンス長編。
※週刊ポスト2013年10月18日号