スポーツ

達川光男氏 前田智徳を努力の天才と認めた日の出来事を語る

 広島とヤクルト、それぞれの球団で約20年ものあいだ第一線で活躍した名選手が今季、そろって引退する。一人は打撃の天才として球界にその名をとどろかせてきた広島の前田智徳。もう一人は、守備とリーダーシップで野球・日本代表としても活躍したヤクルトの宮本慎也である。両者とも、練習の虫で有名だった。

「まだ入団間もない頃かな。前田が巨人戦のあとの食事に遅れてきたことがあったんですよ。終わりかけの頃に来たので、僕は“何をしていたんだ”と叱ったんです。そうしたら前田は、“すみません。バットを振っていたものですから”。その日アイツは4打数3安打でしたが、チャンスに凡打したのが悔しくて、部屋でバットを振っていたらしい。僕はその日ノーヒットでね。素直に頭を下げました。

 人は前田を天才と呼ぶけど、僕は“努力の天才”だと思いますね」(野球評論家・達川光男氏)

 一方、宮本についても、練習の虫の逸話は多い。スポーツジャーナリストが続ける。

「宮本ほど練習している選手もいません。内容も壮絶だった。ユマキャンプでは、目隠しをしてゴロを受ける練習をひたすら続けていました。守備の際の歩幅などを体に叩き込んでいたのでしょう。完全にモノにするまでやめませんでしたね。

 前田も高校時代にスライダーが打てず、背中からトスをしてもらい、目隠しをして打つ練習をしていたらしい」

 同じ練習法をしているのは偶然か必然か。直接の接点はなくとも、「求道者」同士、通じるものがあったのかもしれない。

※週刊ポスト2013年10月18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン