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2013.10.11 07:00  週刊ポスト

達川光男氏 前田智徳を努力の天才と認めた日の出来事を語る

 広島とヤクルト、それぞれの球団で約20年ものあいだ第一線で活躍した名選手が今季、そろって引退する。一人は打撃の天才として球界にその名をとどろかせてきた広島の前田智徳。もう一人は、守備とリーダーシップで野球・日本代表としても活躍したヤクルトの宮本慎也である。両者とも、練習の虫で有名だった。

「まだ入団間もない頃かな。前田が巨人戦のあとの食事に遅れてきたことがあったんですよ。終わりかけの頃に来たので、僕は“何をしていたんだ”と叱ったんです。そうしたら前田は、“すみません。バットを振っていたものですから”。その日アイツは4打数3安打でしたが、チャンスに凡打したのが悔しくて、部屋でバットを振っていたらしい。僕はその日ノーヒットでね。素直に頭を下げました。

 人は前田を天才と呼ぶけど、僕は“努力の天才”だと思いますね」(野球評論家・達川光男氏)

 一方、宮本についても、練習の虫の逸話は多い。スポーツジャーナリストが続ける。

「宮本ほど練習している選手もいません。内容も壮絶だった。ユマキャンプでは、目隠しをしてゴロを受ける練習をひたすら続けていました。守備の際の歩幅などを体に叩き込んでいたのでしょう。完全にモノにするまでやめませんでしたね。

 前田も高校時代にスライダーが打てず、背中からトスをしてもらい、目隠しをして打つ練習をしていたらしい」

 同じ練習法をしているのは偶然か必然か。直接の接点はなくとも、「求道者」同士、通じるものがあったのかもしれない。

※週刊ポスト2013年10月18日号

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