芸能

マツコ 引きこもり時代に同級生の「幸せランキング」作る

 今やお茶の間に人気者となったマツコ・デラックス(40才)だが、一時期引きこもりをしていたことがある。

 それはゲイ雑誌『バディ』(テラ出版)の編集者を辞めた後、20代後半のころ。実家へ戻ったマツコは約2年間の引きこもり生活を始める。『バディ』時代の同期で、おネエ系映画ライターのよしひろまさみちさんはこう話す。

「心配してた何人かが連絡を取っていたみたい。あたしも何度か“生きてるの?”ってメールしたけど、“ダメ”とか返ってきたことも」

 引きこもり生活中、マツコは、自分より不幸な人を見つけて救われたい、と思い、数年ぶりに高校の同級生に連絡をとった。「今、何してるの?」「どこの会社で働いてるの?」「結婚してるの?」──それぞれの個人情報を聞き出しては、部屋でひとり、年収や既婚といった要素から“幸せランキング”を作っていった。

 最終的には60人以上のリストが完成。そのランキングの最下位にいたのは、他ならない自分だった。

 引きこもりは本格化した。雨戸は閉めっぱなし、部屋にはCoccoの歌が大音量でかかっていた。

<人は強いものよ そして儚いもの>(『強く儚い者たち』より)

 マツコは彼女の歌に救われて、ギリギリの精神状態をなんとか保っていた。トイレ以外の時間はすべてベッドで過ごした。ある日、両足で立ちあがろうとしたら、10分間もかかった。

 そんなマツコを救い出したのは、死の淵から生還し、今なお闘病生活を続ける作家・中村うさぎさん(55才)だ。

 うさぎさんは、マツコの存在をゲイ雑誌で知り、引きこもり中のマツコに会いたいとアプローチ。対面を果たしたわずか3日後、2001年に発売された自身の対談集『人生張ってます』(小学館刊)の相手に、当時はまだ無名のマツコを抜擢した。うさぎさんは、マツコを「魂の双子」と呼んでいる。

<デブとか、ゲイとか、数々の負の要素を抱えて、葛藤を続けていたはずで、その業の深さが私と通じていたんです>(『AERA』2009年8月31日号)

 対談では、2年間の引きこもりでうっ積したストレスを吐き出すように喋り続けた。東名でオービスにスピード違反を撮られ、名古屋の警察まで罰金免除を直談判した話、太りすぎて和式トイレで用を足せない話…と、マツコ節を全開した。

 1人の有名作家に認められたこと以上に、自分を理解してくれる人がようやく現れたことの幸せをその大きな体で感じていたのかもしれない。このうさぎさんとの出会いをきっかけに、マツコは再び社会に身を投じる。うさぎさんに「アンタは書くべき人間だ」と言われ、コラムニストとして文章も書き始めた。

※女性セブン2013年10月24・31日号

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