芸能

田原俊彦か風見慎吾か 日本でムーンウォーク広めた人物論争

 10月14日、茨城県神栖市文化センターでの公演で、歌手・田原俊彦(52)が毎年恒例のコンサートツアーを終えた。今ツアーは代表曲『抱きしめてTONIGHT』はもちろん、『かっこつかないね』『エル・オー・ヴィ・愛・N・G』など、最近歌うことのなかった懐かしのシングル曲も披露。アルバム収録曲や近年発売した曲も数多く歌った。

 ややもすると、初めて訪れた観客にとっては1980年代のヒット曲以外では盛り上がれなさそうにも思えるが、田原のライブの真髄は歌だけでなく、ダンスでも魅せられる点にある。

 今回のライブでもその象徴となる出来事があった。1989年発売のアルバム収録曲『TOKYO BEAT』を歌い終えたときだった。曲の終わりになると、田原が後ろを向き、ムーンウォークをしながら照明が消えていく。この技術と演出に、会場からは拍手と喝采がわき起こった。

 実は、日本でムーンウォークを広めた人物は田原俊彦ではないかという説が浮上している。ムーンウォークといえば、1983年5月にマイケル・ジャクソンがモータウン25周年記念コンサートで『Billie Jean』を歌った際に披露したことで、一躍、世界中に広まった。芸能関係者はこう話す。

「日本で初めて行なった有名人については田原なのか、風見慎吾(現・風見しんご/51)なのか、諸説あります。おそらく、マイケルがムーンウォークを披露した同じ月に、田原は『シャワーな気分』を、風見は『僕笑っちゃいます』をリリースしたからでしょう。

 風見の『僕~』は激しい踊りはなく、コミカルな振り付けでした。翌年12月発売の『涙のtake a chance』でブレイクダンスを取り入れ、ダンサーとしての評価が上昇。一方の田原は、当時から『シャワーな~』の間奏にムーンウォークを披露していました」

 2人の大ファンであるナインティナインの岡村隆史は自身のラジオ番組で、「日本で初めてムーンウォークをしたのはトシちゃんだと思う。『ベストテン』で見て、衝撃を受けて、すぐマネをした」などと何度となく語っている。

 昔と変わらず今でもマイケルの映像を食い入るように見たり、自身のコンサートでマイケルの曲を取り入れてダンスメドレーを踊ったりと、マイケルに心酔している田原は、1988年に大ヒットした『抱きしめてTONIGHT』でもサビの部分でムーンウォークを取り入れている。前出の芸能関係者はこう語る。

「『抱きしめてTONIGHT』は当時の人気音楽番組『ザ・ベストテン』『歌のトップテン』で、何週も1位に輝きました。3か月以上ランクインし続け、両番組で年間1位を獲得したこの曲でも、ムーンウォークで踊る田原の姿は多くの人の目に焼き付きました。

 もちろんマイケルに憧れてムーンウォークを始める人がほとんどで、田原もそのうちの1人です。ただ、日本の有名人に限ってみれば、最初にムーンウォークをしたのも、広めたのも、田原俊彦といっていいかもしれません」

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