中国は、ネットの取り締まりや思想統制の強化に乗り出している。その実態を、ジャーナリスト・相馬勝氏がレポートする。
* * *
中国独自のミニブログ「微博(ウェイボ)」で1200万人以上のフォロワーを抱え、時事問題などで発言していた著名ブロガー、薛必群氏が北京当局に身柄を拘束され、筆者が北京滞在中の9月15日、党機関紙「人民日報」は「皇帝になった気分だった。社会の矛盾をあおってしまった」などの“自己批判”を掲載。国営中央テレビ局も連日、彼の反省の弁を放送した。
13日には、官僚の資産公開などを訴える「新公民運動」の中心人物である企業家、王功権氏が「公共の秩序を乱した」として逮捕された。
17日には内陸部の甘粛省の中学3年生が地元のカラオケ店従業員の死亡について、「あれは殺人だ」などと書き込んだとして逮捕された。
最高人民法院(最高裁)と最高人民検察院(最高検)は9日、他者を誹謗する事実でない書き込みが500回以上転載されるか、500回以上閲覧された場合、実刑を科すと発表したが、この中3男児がこの条項の適用を受けた最初の逮捕者となった。
※SAPIO2013年11月号