去る10月1日、各メガバンクでは来年4月に入社する学生らの内定式が行なわれたが、案の定話題となったのが、ドラマ『半沢直樹』だった。
「内定式で挨拶をした頭取も『部下の手柄は上司の手柄、上司の失敗は部下の責任、そんな悪い上司は当行にはいません』と、ドラマのセリフを織り交ぜながら話していました」(三井住友銀行内定者)
終始、なごやかな雰囲気だった三井住友銀行の内定式に比べ、緊張感が漂っていたのが三菱東京UFJ銀行だという。
「人事に×を付けられるとマズイからと開場時間前に集合している人が多かったのですが、ちょっとでも周りと話そうとすると、人事の人から『私語はしないでください』と叱られる。とてもドラマみたいに『君、志望部署はどこ?』とか聞ける雰囲気じゃなかったです」(三菱東京UFJ銀行内定者)
さらに、式が終わった後には一波乱も。
「解散の直前に『まだ学生とはいえ、銀行員としてふさわしくない髪型・服装の者がいるようです』と、かなりキツイ口調で人事から“一喝”がありました。続いて、『あれほどよく確認するよう告知したのに、提出書類に不備があった者がいます。今から名前を呼ぶのでこの場に残るように』とアナウンスがあり、30人ほどが呼ばれました。内定者の間では彼らのことを早くも“出向組”と呼んでいます(笑い)」(三菱東京UFJ銀行内定者)
そして、めでたいはずの内定式がお通夜ムードだったというのが、直前に暴力団に対する融資の件が報じられたみずほ銀行だ。
「役員が『せっかく選んでもらったのに本当に申し訳ない』と何度も謝罪していました。見ていて、こっちが申し訳なくなったくらいです」(みずほ銀行内定者)
先の長い銀行員人生で、土下座だけはやらないように……。
※週刊ポスト2013年11月8・15日号