『キリン本搾り』は、2003年に登場、原材料は果汁とお酒だけ、糖類や香料、着色料も一切加えていない本物志向のチューハイだ。レギュラーの商品は、グレープフルーツ、レモン、オレンジの3種類。しかし、表示は一様ではなく、アルコール比率、果汁比率もばらばらだ。果汁が多いため底に沈殿する。これほど果汁比率が高い缶チューハイは稀だ。
「チューハイとしての美味しさのベストバランスを探った結果です。開発の過程において、果汁をよく撹拌させるために、缶を逆さにしていました。そこに着目し、よりうまさを引き立てるコツとして”逆さ缶”というアイデアを生み出しました」(帆足氏)
帆足氏は缶を手にとり、続ける。
「炭酸入りですから振らないように、ゆっくりと逆さにして、またゆっくりと戻してください。数秒で大丈夫、本当においしくなります」
“逆さ缶”話は、年末の鍋パーティのつかみにもぴったりだ。