でも不思議なのだ。発売からたった3年で年間60億円も売り上げるヒットシリーズに成長している。次の目標は100億円。材料が限られているのにどうしてこんなに売り上げを伸ばせたのでしょう?

「春夏秋冬、季節ごとに大分の『かぼすミックス』、『シークヮーサーミックス』、山形の『ラ・フランスミックス』など、12種類までラインナップを拡大してきました。さらに種類を増やしていきたい」

 一つの果実の量は限られている。それなら種類を増やせばいい。なるほど。だが、大手飲料メーカーがいきなり産地へ行って「果実を買いたい」と言っても、なかなか売ってもらえないのが現実だという。多くのメーカーが限られた原料を入手しようとして、高い壁に跳ねとばされてきたらしい。カゴメはなぜその壁を越えて、シリーズを実現できたのか。

 何か秘策があったのでしょうか? 「トマトとしっかりつきあってきたカゴメさんだから、という言葉はよく耳にします」と、林氏は晴れがましい表情で続けた。

「100年間、トマトの契約栽培を続けてきた弊社の実績が評価されているのかなと感じます」

 カゴメは飲料・食品メーカーだが、畑とも深く関わってきた。トマトなど野菜の畑を「第一の工場」と位置づけ、栽培を農家だけに依存せず、担当者が畑を一枚一枚確認し収穫物はすべて買い取る契約栽培を続けてきた。さらに、最近は栽培そのものにも着手している。

「ただ買うだけではだめなんです。一緒になって農産物を育て産地を盛り上げ、生産者と継続的に手を結ぶ姿勢が必要不可欠だと思います」(広報グループ・仲村亮氏)

※SAPIO2014年1月号

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