国内

大英博物館「大春画展」 日本凱旋できぬ訳は委縮と自主規制

 英ロンドンの大英博物館で開催され、好評のうちに閉幕した「大春画展」(2013年10月3日~2014年1月5日)。その春画が、いまだ故郷に錦を飾れない理由を、朝日新聞が報じた。日本の美術館事情を惜しむ内容なのだが、春画展が開催できない理由のひとつは、何を隠そう朝日にこそあったのだ──。

「本来は今年の春先から日本でも巡回展を行なう予定でした。美術館など受け入れ側も意気込んでいたんです。ところが、話半ばで予定されていた主催者が降りてしまったんです」(「大春画展」関係者)

 その主催者のひとつが朝日新聞だったというのだ。そもそも朝日は大英のスポンサーとして博物館内に展示スペースを持ち、過去にも『大英博物館古代エジプト展』の日本巡回展を主催するなど、大英と日本の美術館をつなぐ架け橋ともいえる存在だった。

 それだけに今回の「大春画展」も当然朝日主導で巡回展が進められるはずで、朝日サイドも最初は乗り気だったのだという。なぜ、朝日は急に逃げ腰になったのか。朝日関係者がいう。

「最終局面にきて、“青少年に有害だという抗議が来たらどうする?”という声が社内の一部からあがった。そこから、“当局の規制に引っかからないか”“他メディアから批判されないか”などと、開催を巡ってネガティブな意見もあり、ついにストップがかかった」

 朝日には展覧会の主催などを担う文化事業部という部門がある。最終的にはそこが、「開催は難しい」との判断を下したという。先の同展関係者がいう。

「企画が頓挫したことを聞きつけた朝日の記者が取材にやってきたんです。“なぜ日本では開催できないんですか?”と聞いてきたので、“おたくの文化事業部にお聞きになったら”といったんです。その記者は事情を知らなかったようで、驚いていましたが」

 朝日が主催者を降りたのは「展示を許可する会場がない」ということも、その一因のようだ。

関連キーワード

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン