好調なサントリーにも死角はある。
「ワールドセブンブレンドは100円。セブン&アイグループ店舗の限定商品とはいえ、ボスブランドの缶コーヒーが100円で買えるならば、消費者はわざわざ120円の従来シリーズに手が伸びなくなる恐れがあります」(前出・宮下氏)
さらに気になるのは4月の消費税増税だ。まだ各社とも自動販売機を中心に、主要缶コーヒーの値段を引き上げるかどうかの結論を出していない。
「どんなに市場が落ち込んでも、容量が少なくコストがかからない缶コーヒーは大事な収益源」(飲料メーカー幹部)といわれる中、サントリーは自ら手をつけた“ボスブランド内の価格差”を埋め合わせる必要も出てくるだろう。
いずれにせよ、市場低迷の逆風下でどこまで缶コーヒーのブランド再興が果たせるか。各社の攻防は難しい局面を迎えている。