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今年のラーメン 王道と進化系の両輪で新時代幕開けへの期待

『The Finest Noodles El Dorado』の「我流旨味ソバ」850円

 2013年は鶏白湯ラーメンがブームとなった、ラーメン業界。2014年はいったいどんなラーメンが流行るのだろうか。ラーメン評論家の大崎裕史氏の本命は、ズバリ「王道中華そば」だ。

「ここ数年、濃厚系のブームが続いていたので、その反動で昨年からあっさり系の王道中華そばが増えてきました。鶏しか使っていないような澄み切ったスープなのに出汁が濃くて深みがある、すっきりしているのにキレ味がある、というタイプです。代表格は『エルドラド』『しば田』『トイ・ボックス』で、今年はさらに人気が高まってピークを迎えると思います」(大崎氏)

 その一方では、王道中華そばの対極にある斬新な「進化系新感覚味」も注目だ。『五ノ神水産』の「銀だら搾り」「焼き鮭搾り」「雲丹らーめん」、2011年にラーメン界に革命を起こした『ソラノイロ』の新店『ソラノイロ ソルトアンドマッシュルーム』の「キノコベジ」などである。

「銀だらや焼き鮭、マッシュルームを使うというのは、今までなかった独創的な発想です。とくにキノコベジはタレにあさり、いたや貝、しいたけ、スープに生クリーム、玉ねぎ、じゃがいもなども加えている。王道と進化系が両輪となって“ラーメン新時代”の幕が開けることを期待しています」(大崎氏)

 スープや具のトレンドに加えて、もうひとつの新たなトレンドは「軟麺・乾麺」だ。このところ麺は「硬め」で注文するのが“通”であるかのように思われていた。博多ラーメンの場合であれば「バリカタ」「ハリガネ」「粉落とし」と、どんどん硬い麺を好む風潮が強まった。しかし、昨年後半から、喉ごしがよくてスープもよく絡み、麺の旨さが一番わかる軟らかめの麺が再評価され始めたのである。

 350年近い歴史がある秋田の稲庭うどんの伝統的な製法を継承する『佐藤養悦本舗』が中華麺の生麺と乾麺を作り出した。その乾麺を使った「稲庭中華そば」を『七彩』が供している。

 「国産小麦100%で2日間かけて干した麺が実になめらかで、麺の美味しさを堪能できます。こういう高品質な乾麺が大量に市場に出回るようになったら、非常に面白いと思います」(大崎氏)

※週刊ポスト2014年2月7日号

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