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痴漢の冤罪対策として鉄道警察ではDNAの採取キットを常備

法科学鑑定研究所内の鑑定ラボの様子

 最近話題のDNA鑑定。はたしてどこまで分かり、いかに正確なのか。科捜研や科警研のOBで構成され、映画『そして父になる』など、話題の映画やドラマの監修も務める日本最大の民間鑑定会社「法科学鑑定研究所」を取材した。

 99.9%──。大沢樹生と喜多嶋舞の実子騒動の中で、渦中の長男が見たとされるDNA鑑定書に記された確率だ。英語で書かれていたため、その数字が親子関係の有無、どちらを証明するものか、わからなかったという。

 しかし、法科学鑑定研究所の櫻井俊彦氏によれば、「もしそれが本物の鑑定書ならば、大沢と長男は親子関係ありの可能性が高い」という。親子鑑定でわかるのは、「99.9%親子関係あり」か「0%」のどちらかだけだからだ。

 父と息子の場合、男性にしかないY染色体のDNAを調べれば親子鑑定ができる。息子は必ず父親のY染色体を受け継いでいるからだ。ここで親と子のDNAの特定か所が一致しなければ、親子の可能性は0%。一方、一致した場合は99.9%以上、本物の親子と鑑定される。100%としないのは、DNAのすべての塩基対を比較しているわけではないからだ。

 では、鑑定はどこまで進化しているのか。まずは採取の方法だが、現在の技術では一般にいわれる毛髪(毛根)だけでなく様々なものから採取可能だ。口をつけるタバコの吸い殻や缶飲料、コップなどだけでなく、素手でモノに触っただけでも細胞は残り、最低限、細胞が3個取れればDNA鑑定が可能である。

 鑑定から200年以上前の親子関係が解明されたケースもある。マリー・アントワネットの息子、ルイ17世は10歳で獄死したため、子供はつくらなかった。しかしその後、「獄死したのは替え玉で、私は生き延びたルイ17世の子孫だ」と主張する者が現われた。そこで、アントワネットの遺髪とルイ17世の遺体の一部をDNA鑑定したところ、親子であることが証明され、替え玉説は否定された。

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